59.回収の仕様と第3エリア
という事で、何かエンジニアとして使うらしい道具を、キャリーケースみたいなものに入れて出てきたキウリさん。一応この「生活ブロック」はどうするのかと聞いたら、動かせないから捨てていく、との事。
捨てるものなら貰っても構わないな、の理屈で私が「生活ブロック」の壁に触ると、回収するかどうかの選択肢が出た。「はい」を選ぶと、ぐぐーっと何かのゲージが溜まっていく。まぁそうだな。回収に時間かかるからな、大物は。
「[どうした、ヤヌシ]」
「いや、何か、流石にここまで大きいのだとちょっと時間かかるみたいですね」
「本当にどうなってんだろうなその力……いや便利じゃあるがよ」
はてぇ? みたいな感じでそのまま説明するが、今回は割とあっさり「生活ブロック」は手に入った。……うん。やっぱり発電機とか浄水機とかの詰め合わせだ。これで牛がいる場所に辿り着いたら、これをセットするだけでいい。
そしてここで手に入る発電機の類は、既に持っている発電機の類と同じだけ強化されている。それもあって出来るだけ即行で強化してたんだけどな。資源の節約にもなるから。
探索組から数人を護衛としてつけて、私達は再び探索再開だ。王子様のペンデュラムの精度というか、ペンデュラムはちゃんと仕事をしていたっていうのが分かったから、不満の声もほぼ消えたらしいし。
「[……行き止まり?]」
「いや待て、周りと比べて明らかにおかしい。斧で切ってみるぞ」
まぁそのペンデュラムに導かれるまま進んだ先が行き止まりというか、空き地に積んである土管ぐらいの太さがある蔦もしくは枝で塞がれて先に進めない場所だったんだが、お兄さん()の判断が冴えている。
とはいえ、おかしいと思うのは当然なんだけどな。だってこの蔦、周りに無いのは当然として、ここまでも一切出てこなかったんだから。唐突に出てきて道を塞いでいる胡乱植物、なんて、警戒して当然だろう。
そうなんだ。前のエリアほどではないが、今回もどっちかっていうとギミックステージなんだ。具体的に言うと、この太すぎる蔦があるポイントは、ボスがある程度以上ダメージを受けたら逃げる先である。
「……普通に切れたな」
「[待て、断面をよく見せろ。……やはりか。多量の魔力を含んでいるぞ]」
「つまりどういう事です?」
「[何らかのモンスターの一部である可能性が高いという事だ]」
「絶対にヤベェ奴じゃねぇか」
逃げると時間経過で回復するものだから、この逃げるポイントを潰し損ねると本当に厄介なんだよな。まぁこうして元々ある場所を潰して、エリアを綺麗にしてから挑んでも、エリア内部のどこかにまたポイントを出現させるんだが。
なおこの蔦自体は良質な素材であり、これで杖を作るとかなり強力なものになる。ストーリーが終わっても使えるって程ではないが、ストーリーが終わるまでは使えるだろう。
これを乾燥させて薪にして料理に使えば食事によるステータスアップにボーナスが付く。まぁ今の拠点だと薪を使う事は滅多に無いかも知れないが。その結果出来る灰は結界樹を含む魔法植物の良い肥料になるから、無駄も無い。
「つまり事前に潰しておいた方が良いって事ですか?」
「[…………そうなるな]」
「まぁ、牛がいる所には人がいる。人命救助をしてから潰して回ろうぜ」
「[そうだな!]」
分かりやすいなぁ。
とはいえ、人命救助優先は、それは本当にそう、としか言えないので素直に同意するんだが。そして似たような素材は他にもあるから、無理に増殖させて集める事まではしないんだが。
けど逃げるポイントを潰すのなら、エリア全体を綺麗にしておいた方がいいな。もしかしてここでようやくエリア全体を綺麗にしてからボス戦に挑む事になるのか? それこそゲーム通りに。




