57.ボス戦の模様
ジェレック君を先頭に、王子様を最後尾にお兄さん()達が突っ込んでいったのを見送り、私はとりあえず回収を開始した。流石にとっさの動きが出来ないと困るっていう事で、グルスニールはちょっと離れた所で降りている。
案の定腕が伸びるし、足に見えたものは片方ずつとは言え、球体型胴体を自由に動き回って攻撃を防ぐ盾になるらしかったから、結構苦戦していたようだ。なおギミックを解かなかった場合、この上に防御力が超強化され、受け流しが行われ、攻撃力の9割をカットするバリアがついてきている。
そして戦闘の様子を見ながら柱みたいなものに近付いて、ロボットが大技として、腕を最大に伸ばした状態でぐるぐる回る行動を取ろうとしたところで、柱型センサーに裏側から触った。
「おわー!?」
「ツミキさん!?」
「[何をやっているヤヌシっ]!」
すると大技をキャンセルして、腕をまっすぐ伸ばしてこっちを殴って来るロボット。なお私は柱型センサーに裏側から触ったって時点で分かる通り、柱型センサーを盾にしている。当然、バギャァッと派手な音を立てて、柱型センサーは折れた。
まぁ柱型センサーはロボットがいる空間を囲むように14本もあるので、1本折れた程度では何という事は無いんだが。でも大技をキャンセルするのと、柱型センサーを折らせるのは計画通りである。
なおその後も大技が出そうになるたびに私が柱型センサーに触り、そのたびにロボットが行動をキャンセルして私への攻撃を優先するっていう事が繰り返された結果、当然ながらお兄さん()と王子様も、あの柱みたいなものなんかあるな? と気付く訳で。
「ツミキさん、その柱何かおかしいのか!?」
「おかしいっていうか、触っただけだと回収できないんですよ。折れたら回収できたんですけど」
「[触れただけでは回収できない……もしや、先に稼働を停止したあれと同じか? だが壊すと回収できる、というのであれば]」
「なるほど何かあるって事だな。先に残りの柱を折るぞ! 攻撃したら触った判定で攻撃が飛んでくるかもしれねぇから気をつけろ!」
察しが良くて助かるな~。味方が有能だと楽だ。
そして全ての柱(型センサー)が折られて私が素早く回収した結果、ロボットは動かなくなった。一応叩くと反応する。避けても追いかけてこない。
当然、あれ? ってなる探索組なんだが。
「……もしかして、頭は飾りで、あの柱がカメラだったのか?」
「[どういう事だ]」
「こいつの目とか耳とかは、あの柱の形してたんじゃねぇかって事だよ。つまり今こいつは何も見えてないし聞こえてない」
「[なるほど。それに触れたものを真っ先に攻撃することまで含めて、道理だな。……という事は、反撃にだけ気をつければいいのか]」
「たぶんそうだな」
大正解である。
その後は特にいう事は無いな。単なるフルボッコタイムだった。
というか途中でジェレック君が腕を切り落としていたから、本当にただの的だったな。切れたのかあの腕。伸び縮みするから他の部分よりは柔らかいだろうけど。
でもって順当にボコボコにされたロボットは、当たり前に機能停止して動かなくなった。さて問題は、これを回収した後だ。
「で、とりあえずヤバそうなやつは片付いたが……」
「[見た事の無い様式だが、恐らくは扉だな?]」
「扉の気がしますね……」
たぶんロボットの撃破が条件で、ホログラム的隠蔽装置が機能停止したんだろう。もしくは内部に連絡がいって、扉の主が出てくる準備をしているのか。
とはいえ、こっちの警戒と戦意は高い。下手な登場の仕方をすると、そのまま仕留められてしまうんだが。
「オォ、キューエンガキタカ。……ダレダ?」
「いやそりゃこっちのセリフなんだが……」
「[同じくだな。貴様、ここで何をしている?]」
出てきたのは、とりあえず見た目は割と普通の、どこにでもいそうなおじさんだった。ただしその髪の毛は緑色で、目は白い部分が無い。一応瞳孔はあるのか、目の中には黒い点があるけど。
うん。宇宙人である。まぁここにいるのは比較的平和な奴なので、連れて帰っても大丈夫なんだが……もちろんそれを言う訳にはいかないからなぁ。




