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リアル・サバイバルクラフター  作者: 竜野マナ(竜灯草)


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58/62

55.防衛完了

 みたいな事を気にしながらも防衛を続けて、とりあえず夕方まで耐えた結果。


「めちゃくちゃデカい、ゾンビの親玉というか塊というか、何かそんなのがあったぞ」

「[何だそれは]」

「殴っても殴っても通ってる感じがしないし、グルスニールで蹴ってもあっという間に元通りだし、最終手段で手榴弾を30個ぐらいぐるぐる巻きにして一気に爆発させたが、それでもダメだった」

「[……緋朱でなければどうにもならなさそうだが、どうしたんだ?]」

「日が暮れたら勝手にしおれて消えちまったよ。跡地も調べてみたが、特に何も見つからずだ。一応、中心点に焚き火は置いてきたが」


 何故焚き火? とちょっと思ったんだが、そこに休眠してる根っこがあったら熱で死ぬだろうって事だな。それはそう。まぁたぶん完全に枯れてるだろうけど。

 一応私もゲームでは見た事あるんだよな。苔ゾンビのプラントみたいなやつ。たぶん特殊な、1年草ならぬ1日苔なんだろうな。バックストーリー的には。もちろんゲーム知識なので外には出せないんだが。

 という報告を受けている現在は、日も沈み切った夜だ。熊肉が手に入ったし防衛戦も何とかなったしで、熊肉ステーキで宴会である。美味しかった。食べ応えのある分厚いお肉は正義だね。


「あぁそれと、何かデカい貝もあったぞ。軽く叩いたら開いて消えたが、何だったんだろうなありゃ」

「[デカい貝……軽く叩いたら開いて消えた……まさか、その貝は何を落とした!?]」

「あ? いやなんも落とさなかったというかただ消えたが……」

「[ヤヌシ、何か変わったものは倉庫に入っていないか!?]」

「えぇ? 変わったものと言われても、手榴弾探す事に集中してましたし……ちなみにどんなものです?」

「[宝石のようだが宝石ではない、中に液体が入った結晶だ]」


 で、どうやらお兄さん()達はボーナスモンスターに接触できていたようだ。良かった良かった。まぁ苔ゾンビのプラントに時間をかけていたようだし、そもそも探索時間自体がそんなに無かったみたいだから、あんまり数は見つけられて無かったみたいだが。

 ちなみによく探したら、液体が入った虹色の球体、「旨蜜珠」はいくつか倉庫にあった。どうやら無事回収できていたらしい。何故かゾンビがデカい貝を背負ってるって形になるからな。なんでだよ。


「まぁリットさんがそこまで血相変えるなら探しますけど。時間かかるのは勘弁して下さいね」

「[…………まぁ仕方あるまい]」

「で、心当たりがあるって事はそれが何か知ってるって事だな? 素直に教えりゃ次も探してやるよ。防衛は何とかなりそうだからな」


 ちなみにゲーム時代の「旨蜜珠」が何だったかというと、大量の経験値とステータスボーナスが入るあれである。それもキャラクターだけじゃなくて一部設備にも使える奴。

 モンスター肉の上位互換というか、最上位素材だな。そしてとても美味しいらしい。あげたキャラが例外なく踊って喜んでたから。ジェレック君も踊ってたからな。ゲーム時代だが。

 緋朱にあげ続けたら大人ドラゴンにならないだろうか、みたいな事を考えた訳だが、現実的に考えたら結界樹に使うべきだろう。何しろステータスボーナスが入るんだ。レベルを上げて成長させるのも当然として、結界樹はいくら性能が上がっても良い。


「[……俺様の世界では、神の恵みと呼ばれている]」

「神の恵み?」

「[非常に美味であり、それを食したものは一気に成長し、それ以上の力を手に入れる、とされている品だ。もちろん滅多に見つかるものではないし、稀に見つかったとしても、大抵は見つけたものが食べてしまうから、俺様が実物を見た事は無いが]」

「はー、えらいもんがあるんだなぁ」

「まぁでも、探しはした方が良さそうですね。誰に使うかはまた別で相談ですけど」

「[………………今の段階なら、結界樹か緋朱に使うべきだろう。間違いなく全員が恩恵を受けられるのだからな]」

「結界樹に使えるんですか?」

「[あれは生きた木だ。生きているのだから使える]」

「なるほど」


 神の恵みとは大層な呼称が出てきたが、まぁそれぐらいの効果はあるか。あるな。

 そして大分考えたが結界樹と緋朱を上げたって事は、王子様も外に出て独立するのとここで暮らすのを比べて、ここで暮らす事を選んだって事だな? やったぜ。そのまま居ついてくれ。


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