50.次のエリア
まぁそんな事があっても、元避難民の人達もだいぶ慣れてるし、食糧事情はかなり改善されている。という事で私が出る幕も無く1日が終了。
次の日である転移29日目の朝に改めて挨拶をして、変わらない私のスタンスを説明したが、特に変わった人はいないようだ。しかし本当によく生きてたな。だって4週間経ってるんだぞ。
今ここに来る人達は、どうやらとりあえず数日から数週間は難を凌げる場所に居て、そこが限界になったから飛び出したってパターンらしいが、よくまぁ無事で、としか言いようがない。
「とはいえ、その逃げてくる先で道が通りやすかったから、そこを選んで通って来たって話も増えてるぜ」
「探索してたら家の修理が出来ないんですよ」
「……それもそうか。ままならねぇなぁ」
ゲームでは、少なくとも探索はやり放題だったからな。実質ほぼ掃除だけだったんじゃないか? 掃除して使えるようになった部屋数が増えると、ゲーム的なチャプターとしての日付が進んだから。
とはいえ、最優先が牛のいる場所であるっていうのは動かない。だから今日もグルスニールに乗って移動からの探索というか片付けもしくは資源の回収だ。しかしみっちり詰まってるなぁ。
エリアの境界線となっていたのはグルスニールの山をメインとした、見た目キラキラしている=金属系のあれこれだったので、無事に回収する事が出来た。まぁだから解体機の強化に踏み切ったとも言えるんだが。いやぁ、流石に一気に3段階強化すると、入れられる量が増えるから気持ちが楽だね。時間を無駄にしてないって意味で。
「とりあえず太い道を選んでますけど、細い道はスルーでいいですか?」
「どうしたもんかね。リット、そういうのを探す魔法とかねぇか?」
「[……進むべき道を探す、占いに近い魔法ならあるが。水面と木片が必要だ]」
「それ、糸で吊り下げた鉄の棒か、何なら水晶で代用できません?」
「[なるほど、ペンデュラムか。良い提案だ]」
朗報。王子様、システムガイドも出来る。丸くなったら本当に便利ゲフン色々出来るな!
という訳で大量に採取して余った水晶を使って、王子様自らペンデュラムを作成。そしてそれに従って進んだのは……細い道だった。あ、ちゃんとギミックは解いてから進めって事ね。いやシステム的にはそれはそうなんだろうけど。
どこまでがゲームでどこからが現実だ? とちょっと内心頭を抱える事になったが、それはもう考えても仕方ないので考えない事にして。せっせと片付けつつペンデュラムで進んだ先にあったのは。
「……あれ? これ、回収できませんね」
「ん? だがこんなもんがこんな場所にある訳ねぇしな。というか、家ぶっ壊してるものが元々あるものな訳ねぇだろ」
「[だがここが目的地だと示されているぞ。扉か何かではないのか]」
私は完全に見覚えがあるギミックだった。それもちゃんと最初のやつ。発電機に似ているこれは、ボスに対してダメージを大幅に減衰するバリアを展開するものだ。これをオフにしておかないと、バリアで大半の攻撃がほぼ無効化される。
ちなみにこのギミックの装置、ボスを倒してからもう一度ここに来ると、回収する事が出来る。そしてそのまま「バリア発生装置」という名前で拠点に設置する事が出来る。つまりとても回収したい。ボスを倒さないといけないけど。
「[お前達の世界のものではないのか]」
「……発電機に似てますけど、たぶん違いますよねぇ」
「違う感じだな。宝石みたいなものがあったからリットのとこのかと思ったんだが」
「[俺様の世界ではここまで金属ばかりを使う事は無い]」
なお分類的には宇宙人の技術だ。だから、今この場にいる誰にも分からないのは当然なんだよな。
「というかこれ、動いてません? だから回収できないとか?」
「なるほど。とりあえず電源探してみるか」
というのはゲーム知識なので、とりあえず現時点で分かりそうな手掛かりから停止を提案してみる。そして探索班全員で装置を調べてみる事しばらく、明らかに怪しい赤いレバーを下げてみたら、駆動音が止まった。
まぁそれでも回収する事は出来なかったんだが、赤いレバーを下げてギミックを止めたらペンデュラムが別の場所を指し示し始めたらしいので、何で回収できないんだ? という疑問は後回しになった。
……すまんな。このエリアのボス関係のギミック、あと2ヵ所あるんだ。もちろん言えないんだが。




