49.受け入れと状況
グルスニールは合計14台……車とかバイクとかと同じ分類なので……だった。ちょっと壊れてる奴もあったが、そこは王子様がさくっと魔法で修理出来たので問題無かったな。
そして今探索組として行動しているのは12人なので、2台のグルスニールが余る事になる。が、まぁ、余る分には問題ないだろう。私が荷物をほぼ無限に持てるとは言え、グルスニールって普通に戦闘力もあるからな。
もちろん指示が無ければ動かないんだが、一応馬の形しているだけあって蹴りの威力はかなり高い。ノーマルゾンビだったら粉々になる程度には。後は乗り物判定なので、特に私は乗ると助かる。
「なぁツミキさん。なんか触らないのに消えてないか」
「乗り物に乗ったら範囲が広がるみたいですね……」
「……本当に訳分からん力だな……」
とりあえず対外的には「何かやってみたら出来た」を貫く事にして、実際の探索方向の決定はお兄さん()達にお任せで進む。グルスニールに乗るのは大変だと思ったんだが、意外と揺れないしちゃんと鞍もついていたので、思ったよりは快適だったな。
まぁいきなりバイクや車を運転しろと言われても無理だったし、グルスニールは手綱を操作すれば素直に動いてくれるから、乗り物初心者には丁度良かったのかもしれない。私以外も全員割と楽に乗りこなせてるし。
一番様になっているのが王子様で、一番乗りこなしているのがジェレック君なのは当然だが、次に適応が早かったのがお兄さん()だ。本当に運動神経というか、勘が良いな。
「……探索を1時間延長したいが、大丈夫か?」
「私は大丈夫ですよ」
「[俺様も問題ない。飴は持ってきたからな]」
「じゃあ予定変更だ。帰りは片付いたところを行けばそこそこスピードも出せるだろうし」
という訳で、予定より1時間長く探索してから引き揚げ。帰ったら全員騎乗している事に驚かれたし、パワーのある移動手段が手に入ったって事でお祭りになったけど。
そろそろ解体なんかが間に合ってない残骸が増えてきたが、とりあえず今の所は大丈夫っぽい。……倉庫の中がどうなってるかまでは知らないけど。解体機とかの強化も出来れば進めたいが、ちょっとそれをやってる暇が無さそうなのがなー。
でも石素材での家本体と周りの塀(壁)の強化は出来た。というか、現在進行形でやっている。という事は次は倍ぐらいの量の木材なんだが、こっちは結構順調に集まっている。だってどこから来たのか不明なテーブルとか箪笥とかが転がってるから。
「部屋の修理にもまともな木材が必要だから、助かるな。ちょっと解体が間に合ってないけど」
やっぱり1個ずつ出し入れしないといけないのが大変なんだよな。強化するとある程度数を入れておいて、勝手に作業を連続で進めてくれるようになるんだけど。……牛がいる場所に辿り着いたらそっちの強化にかかりきりになるんだし、今のうちに強化に手を付けておくか?
一応資源はそこそこの量がある、と言っていい。もちろん外付けしたライフラインを維持する為の設備の防御も強化しないといけないけど、解体機の強化はその後の効率にかなり直接関わるからな。
……強化に必要なのは、金属素材。必要量は、あるなぁ~。それもたぶん、ゲーム時代の記憶からすると、3か4段階まで強化できるぐらいの量が。
「まぁ今は解体よりも探索が優先だし、とりあえずまだ部屋は足りてるみたいだから大丈夫だけど……」
と、もうちょっと考えて、解体機の強化を実行。強化時間は、やっぱり最初だからそんなにかからないな。
ちなみに今日は28日目なので、1時間探索を延長して戻って来てから、お兄さん()達はまた避難民探しに出て行っていたし、また集団を連れて帰ってきていた。
その人数で、とうとう1階の部屋が全部埋まったようだけど、まぁ2階の部屋は全部掃除と修理と家具の運び込みが終わっているから大丈夫だ。……特殊な部屋がある分だけ埋まるのは早いから、屋根の修理と屋根裏部屋の掃除と修理と家具の配置は、早めにしないといけないんだけど。
「ところでリットさんの知り合いとかいました?」
「今回は居なかったみたいだな」
まぁそんな会話もあったが、ここまでのあれこれがあるからな。
どうやらその会話が聞こえちゃったらしい王子様は微妙な顔をしていたが、反論しないぐらいの自覚はあったようだ。




