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リアル・サバイバルクラフター  作者: 竜野マナ(竜灯草)


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46.チャレンジ実行

 転移28日目。


「それではドラゴンテイムチャレンジ、頑張って行ってみましょう。いのちだいじに!」


 何故か私が号令をかけてちょっと笑いをとってから出発。いやまぁドラゴンテイムチャレンジの言い出しっぺは私だし、この集団の代表者は今の所私だけども。

 昨日の往復で大体場所は分かっているので、今度も別の道を通って片付けながら移動。そしてドラゴンが頭上を通り過ぎたところで、片付けさえすれば開ける場所を探して、そこを片付け。

 何ヵ所かで焚き火を作って、拠点から持ってきた濡れタオルでさつまいもを包み、焚き火を更に大きくする。なるほど、現実になったらこういう事も出来るんだな。まぁ出来るならするのは、そう。


「ほんとにこれで来るのか?」

「まぁリットが言うなら来るんだろうよ」


 そう。つまり、ベビーレッドドラゴンを焼き芋の匂いで釣り出そうって訳だな。

 流石に人間には焚き火の中にある焼き芋の匂いは分からないんだが、ドラゴンには分かるらしい。そして端っこの1ヵ所だけ焚き火を大きくして、結界を張って全員で囲む。

 半信半疑、って感じで焚き火を作ってさつまいもを放り込んでいた探索組の人達だが、結界を張った中で大きめの焚き火を作り始めた辺りで翼の音が聞こえたので、えぇー、みたいな顔になっていた。まぁ、分かる。


「来ましたねぇ……」

「[ドラゴンといえどベビーだからな。知能も相応だ]」


 そういう事なんだよな。だからこうして、最初は罠を張るみたいな真似をしてるんだが。

 ドズゥン! という豪快な着地を開けた場所の中央に決めたベビーレッドドラゴンは、まぁでも軽自動車ぐらいはあった。これでベビーかよ、みたいな呟きが聞こえたが、そうなんだよな。

 これが大人のドラゴンになると、パワードスーツ含む乗り物に乗る前提だからな。……現実になったら周辺被害も考えないといけないのか、あの大ボス1との戦闘。考えてる余裕なんて無いような気がする。


「焚き火ごと食ってるんだが」

「[レッドドラゴンだぞ? ものを燃やす事でエネルギー吸収をする生物だ。むしろ食べやすいぐらいだろう]」

「ドラゴンってそうなの?」

「[レッドドラゴンは、だ]」


 みたいな事を考えている間に、ベビーレッドドラゴンが近くにあった焚き火の匂いを嗅いで、焚き火そのものに食いついた。本当に。焚き火なんだけど山盛りのご飯に見える感じだったよ。まぁドラゴン的には間違っても無かったようだけど。

 でもってそこに美味しい物=焼けたさつまいもが入っている事を知ったベビーレッドドラゴン。焚き火を近い順に食べて回り始めた。こっちに来ないのは、結界で匂いと姿を遮断してるからだな。

 とはいえ王子様曰く、これは時間稼ぎにしかならないとの事。なのでベビーレッドドラゴンが外にある焚き火(さつまいも入り)を全部食べた所で、姿と匂いを隠す効果を切った。


「ギャゥッ! ……ングルゥ?」


 とまぁ、周りの人間なんか無視してちょっと大きな焚き火に突っ込んでくる訳だが、一応王子様が全力で張った結界だけあって、とりあえず1発は耐えた。何かめっちゃ揺れたし王子様の顔が一瞬引きつっていたが。

 ガリガリと結界をひっかくベビーレッドドラゴンだが、これは想定通りの動きなので、私は落ち着いて焚き火の中を鉄の棒で探り、布に包まれたさつまいもを引っ張り出した。

 取り出すと人間にもわかるぐらいの匂いがするので、当然ベビーレッドドラゴンも気付く。視線が向く。その目の前で布を剥がし、さつまいもを取り出して、ぽいと結界の外に放った。当然、速攻で食いつくベビーレッドドラゴン。


「よーやるなツミキさん……」

「まぁ予定通りですからね」


 そんな会話をしながら、鉄の棒で焚き火を探る、さつまいもを取り出す、外に放る、という事を何度か繰り返すと、ベビーレッドドラゴンはその場にお座りして私の動きを目で追うようになった。そしてさつまいもを取り出したら口を開ける。……こいつ王子様より賢くないか?

 なんてちょっと思っちゃったが、完全にベビーレッドドラゴンが学習したところで、さつまいもを結界の中に置く。あれ? って感じで私とさつまいもを交互に見るベビーレッドドラゴン。

 その目の前に王子様が出てきて、結界の境目に昨日作った、応急処置感が凄い「魔法首輪」をくっつけるようにかざした。そして手動で「魔法首輪」の内側に当たる場所の結界に穴を開ける。そう、「魔法首輪」に首を突っ込んだらさつまいもが食べられる位置だ。

 で、私は次のさつまいもを取り出して、鉄の棒に刺さったまま「魔法首輪」を通して外に出す。そのままベビーレッドドラゴンが頭を突っ込んでくるように誘導する。素直に焼き芋に釣られて「魔法首輪」に頭を突っ込むベビーレッドドラゴン。


「――Tamaz!」

「ギャゥッ!?」


 その瞬間、王子様がテイムの魔法を唱えた。同時に「魔法首輪」がぎゅっと締まってぴったりサイズになる。そして私は驚いたらしいベビーレッドドラゴンの口に、謎収納に格納しておいたさつまいもの甘露煮を放り込んだ。

 さてここで暴れるなら鎮圧の為の戦闘開始で、甘い物が好きならめっちゃくちゃに甘い甘露煮に驚いて動きを止めるって可能性もある筈だ。って事で、ここで大人しくなったらこのまま成功な訳だが……。



 ベビーレッドドラゴンは反射で口を閉じた後、動きを止めたままもごもごして、そのままお座りの態勢に戻った。



 よし、ドラゴンテイムチャレンジ、成功!


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