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リアル・サバイバルクラフター  作者: 竜野マナ(竜灯草)


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37.一石で二鳥を落として鯛を釣る

 という事で、さっそく王子様を(お兄さん()がスマホで連絡して)連れて来て貰ったところ。


「[……罰は俺様の食事を向こう1年の間1食にする、で良いか?]」

「[殿下っ!?]」

「いえ、あなたが事の重大さを認識していれば良いです」


 私、お兄さん()、ジェレック君の全員から話を聞いた王子様の結論は、そんな感じだった。良かったよ。シャレにならない重罪だと判断してくれたのも、命はいらんもとい死ぬぐらいなら役に立て(意訳)っていうのを覚えてくれていて。

 ジェレック君は何か言いかけていたが、王子様はその口を塞ぎ、こっちに断りを入れてジェレック君を部屋の隅に連れて行って、異世界語で何か説教し始めていた。内容は分からないが、ジェレック君の顔色が青くなって、全体的にしおしおしていったので、たぶん説教だろう。

 まぁだからジェレック君は良いんだが、問題は中断させられた屋根の修理作業と、結び目の前後の所でジェレック君に切られた命綱だな。


「流石にこの強度と長さ丁度のロープが他にあるとも思えませんし、かといって、私が持っているほかのロープは、危険度の高い場合に使う補助用のものだけですし……」

「探索した感じ、人の足で行ける範囲は住宅ばっかだったしなぁ」


 一応、金具の位置と結ぶ位置を調節すれば、使えなくはない。支えにしてた木材と同じものもまだある。作業自体はゲーム補正っぽいものがあって既に予定より進んでるから、問題が無いとは言えないが作業は続行できる。

 とはいえ、命綱の長さがそれなりに短くなるんだ。予定通りの動きは出来ない。すなわち、計画の大幅修正が必要だろう。屋根への穴をあける部屋の数を増やすとか。

 ……で、その大幅修正してる時間が無いっていうのが問題なんだよな。屋根の修理が終わるまでに雨が降ったら一発アウトだし。たぶんまだ数日天気はもつと思うが、一応辛うじてまだ見れる天気予報も精度は既に怪しいし。


「魔法でロープを直せればいいんですけど」

「でも魔法ってのは、確か宝石が要るんだろ?」

「いわゆる魔法の杖を作る為には、宝石に加えてもうちょっと素材が必要そうでしたね」

「白鋼だったか。流石に見た事も聞いた事もない素材は探せねぇなぁ……」


 それでも出来る事はやっておこうと、切られた命綱のロープと木材をきれいに分けて、残りの命綱の長さを正確に確認していたんだが。


「[それを元通りにすればいいのか]」

「一番の被害がこれですからね。現状、この強度と軽さを兼ね備えたものを手に入れる方法も修理する方法も無いので」


 どうやら説教が終わったらしい王子様が声をかけてきた。ジェレック君は……部屋の隅でしおしおのまま正座してる。いつの間に覚えたんだ。それともお兄さん()が覚えさせたのか。少なくとも私がやらせた覚えは無いし。……異世界にも正座と土下座がある、ってのもあるか?

 考えがそれたが、私の説明に何か考え込み始めた王子様。ん? もしかして修理の魔法っていうのがゲームにはあったを使う方法か、修理と引き換えに出来る条件でも考えてるのか? 丸くなっても王子様は王子様だし。

 でもまぁ私が命綱の調節を終わらせるよりは早く、王子様は思考から戻って来た。んー、こっちの作業の方が早かったらお兄さん()に見張りを頼んで作業に戻ってたんだけどな。


「[スパイクベアの骨は残っているか? 棘か爪でもいい]」

「棘と爪は倉庫にあると思いますけど、骨はスープになったんじゃないですかね」

「……いや、特にデカい、手足の骨は何かに使えるかもしれねぇってんで、倉庫にある筈だ」


 そして出てきたのは、ジェレック君が昨日仕留めたデカ熊ことスパイクベアの素材を確認する言葉だった。なお私はこの時点で王子様の目的が分かったりする。ミラー加工されたヘルメット被ってて良かったよ。顔が隠れるから。

 異世界動物あるいはモンスターの素材っていうのは、杖の材料になるんだよな。まぁあくまで材料だし、それこそあの熊程度だと「無いよりマシ」な性能しかない。それに宝石は必要だし、杖全部をそれで作るよりはるかに少量で済むとはいえ、特殊金属も必要だ。

 ただこの特殊金属、今なら極少量だけとはいえ手に入れる事が出来る。それも相当に純度の高いものを。だから宝石さえあれば、杖が作れる。それにこの王子様、魔法に関してはぐぅの音も出ない程優秀だからな。


「[その骨を1本と、結界樹の葉を数枚。後は俺の目よりも大きなダイヤモンドかサファイアがあれば、修復の魔法が使えるようになるし、俺様も戦力に数えられるが]」

「は!? え、んん!?」

「……もしそうなら、とても助かりますが。葉の数枚程度で枯れる木でもないでしょうし、骨はとりあえず保管してるだけですし」

「いやだが、ツミキさん冷静だな!?」

「自分より慌ててる人がいると冷静になるものですね」


 お兄さん()は頭を抱えてしまったが、実際命綱に使ってるロープの修理に加えて王子様が戦力になるのはとても大きい。何しろ今日は転移23日目。今月の終わりまで、あと1週間しかないんだから。


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