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34.想定外の危急案件

 という訳で屋根裏部屋(屋根の内側を含む)の掃除と修理、家具の運び込みは、中央あるいは正面の棟の分を完了して1日が終了した。まぁ、朝から一応外には出てたし。熊も持って帰ったし。

 なお熊はもうちょっと寝かせてからの方が美味しいとの事で、冷蔵庫の追加をお願いされた。低温熟成だってさ。2、3日したら食べられるんだって。楽しみだな。

 それはそれとして、骨を煮込んだスープは出て来たけど。アク取り大変だっただろうなぁ。


「うっっっま」


 ちなみに明日はこの熊出汁を使った炊き込みご飯が出来るらしい。絶対美味しい奴じゃないか。今から明日が楽しみなんだが?

 浄水タンクの強化も順調に進んでいるし、日程的には一応余裕がある。という事で大人しく普通に寝る。睡眠負債を抱えてる場合じゃないからな。解消できる時に解消しておく方が良いに決まってる。

 という訳で気持ち早めに寝て、翌日。転移23日目。案の定猛烈に美味しかった熊出汁炊き込みご飯のおにぎりをしっかりと食べて、私は用意していた物を、いつも2本つけているベルトに取り付けて、肩に担いだ。


「……ツミキさん、今度は何やるつもりだ?」

「雨漏りの危険がある事が分かったので、屋根の上に修理に行きます」

「屋根の上!? いや、確かに、雨漏りはヤベェが……!」

「最高3階建ての瓦屋根までは修理したことがあるので、たぶん大丈夫です」

「ツミキさんあんた何やってんだ?」


 何って、廃屋を購入してリフォームと修理で不動産としての価値を上げてからの販売だな。その為に必要な資格は一通りちゃんと持ってるぞ。

 なお私がベルトに取り付けたのは、命綱をつける為のゴツい金具だ。肩に担いだのは命綱になる太いロープの束だな。ここはしっかりしておかないとマジで命に係わるから、ちゃんと良いものを買って点検を欠かしていない。


「だからって1人で登るのはあまりにも危ねぇだろ!」

「その為の命綱ですし」

「いやだからってなぁ……! はしごぐらい押さえさせろ、それぐらいはさせてくれ!」

「はしごは使いませんよ?」


 あんな嵩張るもの使う訳が無いだろ。移動が大変になるじゃないか。と内心で思いながら首を傾げると、お兄さん()は固まってしまった。そして首を傾げている。……あぁ、はしご無しでどうやって屋根に上がるんだって話だな? まぁそれはそうか。私のこの方法はかなり特殊だからな。実質我流だし。


「屋根裏部屋の一部に、屋根に上がる出入口をつけるんです」

「は?」

「もちろん後で塞ぎますけど、まぁ、建物そのものが自分のもの、かつ、リフォーム前提だから出来る事ですね」

「いやいやまてまて出入口ってそれつまり屋根に穴をあけるって事か?」

「はい。そして建物の内側に命綱の先を設置します」

「命綱にしては短い気がしたがそういう事か!」


 もしかしてこのお兄さん()、工事系の仕事してた人か? でもそれなら工具振り回した方が確実で強いと思うんだが、あの釘バットはどこから持って来たんだろう。

 まぁそれはいつかどこかで出てくるだろうから一旦さておいて、私はある意味、1人で作業をする事に特化してきた。何しろリフォームを1人でやってきたからな。だから基礎と柱はしっかりしている建物、という風に限定してたんだし。


「そうか、屋内と出入りできるようにすりゃぁ1人で機械無しでも資材を上にあげられるのか」

「そういう事です」


 流石に重機を持ち運ぶのは無理があったからな。基本的に身1つで日本中を転々とする生活だったから、出来るだけ荷物は少なくしたかった。当然リフォームにかかる費用も少ない方が利益が大きい。だから色々考えて試行錯誤して、とりあえず今の形になってる訳だ。

 まぁ資材に関しては、スマホを介して直接倉庫から出し入れできるようになったから、この建物に関してはさらに便利になっているんだが。それは私のやり方にはあんまり関係ない事だな。


「まぁでも一応、屋根裏部屋に行く階段には通行禁止の看板を出しますし、私に用がある場合は、外から屋根に向かって声をかけて下さい」

「……1人作業って時点でアレだが、一応安全に配慮してんのは分かった」


 無事お兄さん()も納得してくれたし、ついでに私の今日の居場所と声のかけ方を全体連絡してくれるみたいだから、作業に取り掛かるとするか。雨漏りは本当にシャレにならないから。

 なお一応、メニューから修理、的な事が出来ないか試してはみたんだが、部屋と同じくできないらしかった。「日曜大工がちょっと得意な主人公」のゲームだったからな。そこは自分でやれって事だろう。

 もちろん屋根の修理、それも雨漏りに対応するのは日曜大工の範疇ではない。普通に業者に依頼するべき案件なんだが。


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