98.防衛成功
「星間通信用アンテナ」という名前の大型アンテナを設置したからか、スマホのマップ切り替えで牧場の様子を見れるようになったのは助かった。ドロップ品が回収できるからな。あっちはマルティヤだが、それはそれで素材を落としていたようだからな。
まぁ動物型で一番手に入るのは毛皮だし、双頭+蛇の狼は牙と魔眼と尻尾が有用素材である。一応肉も手に入る。人面毬尻尾獅子は爪と毒針が有用素材で、毒針の根元のお肉が美味しい。らしい。
それぞれの牙と爪は普通に武器の強化素材に良いし、魔眼と毒針は状態異常系の特殊武装の材料だ。1つで複数の状態異常手榴弾が作れるのでとても欲しい。ただその種類は魔眼の方が多く、だから緋朱に薙ぎ払って貰ったんだが。
「はーい、なんでしょリットさん」
『[ヤヌシ、そちらの倉庫にダギアンの尾は入っているか]』
「尻尾ですか? えーとちょっと待って下さいね。……あぁ、入ってますね。結構な数が」
『[よし、全部一度こちらに持ってこい。今ならグルスニールでも移動できる筈だ]』
「はい?」
とはいえ、たぶんこれもゲーム都合だろう。結局夕方になるまで拠点の襲撃は続いたし、夕方になったら逃げていくのではなく追加が来ないという形で襲撃は終わった。ま、全滅は出来ただろうし、相当な数は倒せたんじゃないか?
と、落とし穴に落ちていた分はこれどうしようかな。なんて考えていたら、王子様から呼び出しがかかった。テレビ電話越しに。だから素直に応じた訳だが、尻尾? いや有用素材だし王子様なら加工できるだろうけどさ。
だってそもそものダギアンっていうのが王子様の世界のモンスターだ。だからその加工方法は魔法が必要だ。そして王子様は魔法の腕前がとても高い。そして加工できれば大変有用なので、是非とも加工してもらいたいのは確かなんだが。
『[ダギアンの尾は、適切に加工すれば拠点に転移する為の魔法道具になる。探索先からの緊急脱出も出来るし、どうしようもなくなった場合の緊急避難にも使える。1人1つは配っておくべきだろう]』
「え、そんな便利なものになるんですか」
『[だから今すぐ全て持ってこいと言った]』
「分かりました。……けど、リットさんもほどほどに休んでくださいよ?」
『[誰にものを言っている。休むのも仕事の内だ]』
うん。つまりもにゃもにゃの翼系のアイテムになる訳だな。なお普通に拠点の間を移動する事にも使えるので、私としてもたくさん作ってくれるのはとても助かるんだ。
なので倉庫から確認出来る限りのダギアンの尻尾を回収し、グルスニールで牧場に移動。何かいつの間にかこっちにも部屋を1つ確保していたらしい王子様だが、まぁそれはいいとして。
「ものすごく数がありますが本当に大丈夫ですか」
「[……この机に乗るか?]」
「完全に溢れますね。というか何なら部屋に入るかどうか」
「[そちらはどれだけ来たのだ]」
有用素材なのを知ってたから、緋朱に薙ぎ払って貰った(16回)んです。……とはまぁ言えない。
いや、一応言い訳をすると、緋朱が複数回薙ぎ払ってくれるとは思わなかったんだ。まさかあのさつまいもの特大蒸しパン一口が薙ぎ払い1回になるとは……。
お陰で魔眼がたくさんあって状態異常系の手榴弾や使い捨ての攻撃アイテムがたくさん作れている。ありがとう緋朱。
「緋朱が薙ぎ払ってくれましたし、落とし穴もありますし、人数が居て慣れてますからね」
「[なるほど。単純に撃破数が多かったのだな。……それでもなお途中で全滅しなかったのはどういう事だ?]」
ゲーム仕様です。とは以下略。
まぁでもとりあえずこの尻尾の加工が出来るのは王子様(※魔法技術の技術者の意味)だけなので、とりあえず机に乗るだけ取り出しておく。ま、これだけあれば少なくとも牧場に居る全員には行き渡るだろう。
探索組の安全性が上がる事にもなるし、流石に常用する程の数は無いから、とりあえずこれだけ加工してもらって、あとは倉庫で保管しておいて適宜加工してもらえば良いだけだ。
「[そういえば、ダギアンは魔眼も手に入る筈だ。あれは生きていないと発動しないから危険は無いし、解体すると手に入る筈だが]」
「落とし穴に落ちた分は引っ張り上げて解体中ですね。とはいえ、魔眼って目玉ですよね? どうやって保管すればいいんですか?」
「[魔眼は解体してしばらく屋外に放置すると、結晶化する。その状態で保管しておけ]」
「なるほど」
なおドロップ品として回収した時の名前は「状態異常生晶(○○)」である。○○には麻痺とか恐怖とか、状態異常の名前が入る。
あれ、屋外に放置してたら勝手に変化するのか。どうなってるんだろうな? 魔法もしくは魔力の作用か。そうか。




