表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この作品には 〔ガールズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

一番は私だから

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


注意事項2

表面上は仲良い二人。

こういうのがあって欲しいという願望。

「髪は女の子の命なんだよ。綺麗にしていたら、きっと素敵な殿方がほっとかない。だから貴方も――」

そんな事を言いながら、私の髪を梳かす友人だった。何時も、何時も何時も何時も。

「君が綺麗にしてくれるから、私は何もしない」

そう、ムキになって言い放った。絶対に整えてなんかやらない。


昔から一緒に居てくれて、私の面倒も良く見てくれた。

――私、妹がいないんだ。だからついつい構ってしまいたくなる。

そうお小言を交えながら、髪を梳かす。襟を整える。スカートの皺を伸ばす。こんな平和な毎日がずっと、生涯掛けて続くのだと思っていた。私は絶対に相手を捨てないし、相手も捨てないだろうと、そう思っていた。

けれども其れが崩れたのは、あの子に好きな人が出来た時からだった。私と二人だけの時間だったのに、何時しかそこに、あの子の彼氏が加わる様になった。

私だけに向けられるはずの笑顔も、声も、指も、全部、彼奴に吸われる事になった。

――ねぇ、ずっと一緒に居てよ……。

――何を言ってるの? これまでもずっと一緒にいたじゃない。それは勿論、これからも。

そうじゃない。そうじゃないの。私以外の奴に必要以上に構わないで欲しいの。

でもこれを言ったらきっと、これまでの関係では居られない。絶対に居られない。だから私は何も言うことが出来ずに、しがみついた。

――赤ちゃん見たいだねぇ。

そう言った彼女の声は、何の重さも含まない声で。何の湿度もない声で。無性に腹が立った。

其れから自分の部屋に引き篭って、暫く泣いた。誰にも見られたく無かった。慰めも欲しく無かった。一番欲しいものは、もう手に入らないのだから。


「私はアンタを、あの子の彼氏と認めてないから」

これは負けが決まっている勝負だった。それでもただ指を咥えて、想い人が取られるのを見ているのは嫌だった。だから宣戦布告をしたのだ。

「あの子の一番は私だから」

私が一番『最初に』あの子を見つけて、一番『最初に』好きになったのだ。これだけは覆せない。

「言うじゃねぇか。『親友』の癖に」

じゃあもっと勝ち誇った顔しろよ。勝者らしく、誇らしく。情けない顔するなよ。

一人っ子が誰かの面倒を見るのは、割とあるあるだと思ってるんですよ。

理由が『兄弟居ないから寂しい』。


友人関係って意外と容易く消滅します。

別に彼氏が出来なくても、頻繁に合わなくなったら、今までの自分とポジショニングに別の人が入る事もあるでしょう。


それらを合わせた話。


学生時代って、この友情が永遠なんて甘ったるい事考えるんですよね。

そんな事ないのに。彼氏が出来たとか、会ってないというだけで、容易く形を変えてしまうのが現実。


でもこの子は、まだ青いから、その事実に気付いていなかったんですよ。

ずっと、当たり前の様にそばに居ると信じて疑わなかったんです。


でも彼氏が出来て、一番じゃ無くなってしまいました。

恋していた分やっぱりショックだし、前の関係を続けたいしで、縋るんです。

縋れば戻って来ると思っている時点で、私からすれば甘ちゃんだし、赤ちゃんですよ。

勿論、彼女には届きません。戻っても来ません。

だから最後は腹を括ってます。

もう一番ではない。けども、最初は譲らないって。


彼が苦しそうなのは、もしかしたら、自分も同じ様な経験をしたかも知れないから。そしてその気持ちが痛いぐらい分かってしまうから。

友人止まりだったら、今のこの子と変わりません。

笑い事じゃないんですよ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ