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信念と誓い

「陽光をまとう妖精の羽衣よ、その光を力に変え、大いなる邪悪を打ち払え!憤怒する太陽(ラスターバーン)!」


モモリの声に応えるように杖のアクアマリンが強く光を放つ。


その光は凝縮され一筋の光の線を形成すると、拘束されているニュンペイの頭上に向かって伸びていった。


「その魔法は・・・まさか・・・」


ソウはその何とも神々しい光景に魅入られるかのように視線を向けた。


天に昇って行った光が突如分裂した。

分裂した光の線は、まるでリボンが箱を飾り立てるかのようにニュンペイの体を囲い始める。


「なんだこれは!気持ち悪い!今すぐその忌々しい古代魔法を解け!」


ニュンペイの怒りがこもった声に、リクもヒロも唖然としてモモリを見る。モモリは杖に魔力を込め続けているせいなのかひどく汗だくになっていて周りの声も届いているのかわからない様子だった。


その時、モモリの隣でさらに強く光り始めたものがあった。


「この剣を天とし、地の底より生まれし闇を打ち砕かん。・・・聖剣化!」


オリーヴの声に呼応するかのように白銀の剣が青白い光を放っている。


「この国を・・・私の大好きなこの国を・・・こわすなぁぁぁぁ!」


オリーヴはその剣を構えなおし、拘束されているニュンペイに向かって走り出す。そして、強く地面をけると同時に「来い!」と叫んだ。


その声を待っていたかのように城壁の外から真っ白なドラゴンが飛んでくると、オリーヴはその背を踏み台にしてさらに高くとび、勢いのままにニュンペイの喉元に剣を突き立てた。


ニュンペイの喉元にあった黒い宝石は粉々に砕け散り、最後はその体ごと、断末魔の叫びとともに灰になって消えていった。


ドラゴンに乗っておりてきたオリーヴは、ふうと一つ息を吐くと、地面に降り立ちモモリ達四人に深く頭を下げた。


「良しくしていなかったこととはいえ、このような事態に巻き込んでしまってすまなかった・・・あと・・・助けてくれて、ありがとう・・・」


どうやらありがとうという言葉を言うのは慣れていないのか、オリーヴの頬は少し赤くなっていた。


「鉢合わせたのだって何かの縁だ。僕は気にしていないよ」

「そうそう!面白いもの見れたし!ついでに復興も手伝うよ」

「こんだけ巻き込まれたんだ。ちゃんと埋め合わせはしろよ」


「そうだよ気にしないで!知り合ってそんなにたっていないけど、こんだけ強大な敵を一緒に倒したんだもん。仲間みたいなものでしょ?それにぃ・・・」


モモリはさらに何か言おうとしたが、まるで電池が切れたように眠ってしまい、続きはきくことができなかった。


「おや、先ほどの古代魔法のことで聞きたいことがあったのだが、やはり魔力を一気に使いすぎたみたいだね。半日くらい眠れば回復するだろう。話をするにしてもここではなく城の方がいいだろうし、ね」


ソウが言うと、皆それに賛成といった様子で頷き、城の方に歩き出した。

リクはモモリを優しく横抱きにしてそのあとに続いた。


道中、風魔法で召集したのか、各部隊の一般兵たちとすれ違う。おそらくがれきの撤去と復興作業だろう。


「お疲れ様です!」


「後は頼んだ」



そんなやり取りをしながら、城に向かいながら、オリーヴはソウに改めて質問を投げかけた。


「大賢者様、すっと気になっていたんですが、先ほどの戦いで私に預けてくださったこの剣は・・・」


「あぁ、大聖堂で借りてきたんだ。」


沈黙が生まれる。



「ハァ!?」

「待てそれちゃんと許可とったのか!?!?」

「・・・ソウってアポって概念あるの?」


「みんな失礼だなァ。さすがに国宝の一つなのだから、勝手にはとってこないよ。ちゃんと精霊の守護者に許可を取ったさ。」


「・・・・祭司様には?」


「避難した後に聖堂に行ったからね。」


「ダメじゃねぇか!」


「あとからじゃダメかい」


「あああ怒られる・・・・いや、良くて禁錮90年か・・・?そんな生ぬるいだろうか・・・」


オリーヴはソウの言葉にそれはもう盛大に困惑していてブツブツと言葉を並べている。


「これだけの功績を残したんだ、文句は言わせまいよ」


ソウの笑い声が、きれいな快晴の空に響き渡った。



___


軍事国家だけあってその団結力はすさまじく、壊れてしまった城壁など大掛かりなもの以外の復刻はあっという間に終わってしまった。


これが他国なら三日はかかっていただろう。

重いものは龍騎士の隊員がおそらくパートナーであろうドラゴンとペアを組み次々に移動させている。


そんな様子を城の窓から眺めながら、司祭長がゆっくりと口を開いた。


「それで、妖精の守護者様が許可を出した、ということですが、大賢者様は嘘をつくのが苦手なお人だ、おそらく本当のことなのだろう。」


「うむ。自分が選んだ人間と同じ名前の者の存在は前から認知していたらしくてね。因縁の相手を今度こそ救ってやってくれと頼まれたんだ。」


「救って?」


オリーヴは不思議そうに首をかしげている。

ソウは言葉をつづけた。


「この国の創生物語の真実さ。

悪い魔女を白百合の女騎士が倒したという者だったかな?守護者が全部教えてくれたんだ。」



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