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閑話 聖夜の屋敷②

第三障害 凍った池 氷の表面を進んでください。氷の下や上空を通ってはいけません。


目の前に道はなく、氷が広がっている。


「ペガススで飛べば簡単だよ」


プレヤが言うと、ヴェーヌが看板を指さして、


「上空はダメって書いてあるわ。飛んではダメよ。池の表面を進むのよ」

「じゃあ、歩いて行こう。ぎゃあー」


歩き出したプレヤはすぐにスッテンコロリンと転んでしまった。あわてて3人で地面の方へ引き寄せるが、


「痛い、足首を痛めたみたいだ。痛くて立てない」


フェネとヴェーヌが心配そうにしている中、セルクが申し出た。


「私が回復魔法を使って治療します」


セルクが、手のひらをプレヤの足首に向けて、詠唱する。


「回復の光」


プレヤの足首が淡く光る。光が消えると、プレヤが嬉しそうにお礼を言う。


「痛みがなくなったよ。ありがとう、セルク」


そして、プレヤは立ち上がった。回復魔法はありがたい魔法である。それを見てホッとしたのか、フェネが呟く。


「何かいい方法はないかしら?」


すると、川や湖で遊んだことを思い出したのだろう、セルクが残念そうに答える。


「川や湖だったら、浮き輪が使えるのですが」

「浮き輪か~、あれは便利ね。手や足を動かさなくても浮いていられるわ」


セルクの言葉に答えたヴェーヌは考えていた。しばらくして、ヴェーヌはプレヤに尋ねる。


「プレヤ、土星の輪を4体出せる?」

「土星の輪4体ぐらい余裕で出せるさ。僕を誰だと思っているの?」


プレヤの得意な星魔法は黄道12星座の星魔法だ。しかし、他の星魔法も人並み以上に使えるのだ。腰からロータスワンドを抜いて構え、プレヤは詠唱する。


「星魔法 土星の輪 4体」


ピカピカに光る4つの輪が、腰の高さほどの空中に現れる。ヴェーヌはそれらを一列に繋いだ。輪と輪の一部を重ねるだけで、くっついて離れなくなるのだ。


「よし、できたわ。みんな、輪の中に入って。湖で浮き輪を使っているのと同じようにして」


4人が輪の中に入るとヴェーヌが号令をかける。


「さあ、氷の上を歩きますよ。イッチニ、イッチニ」


4人は、輪の中に体をいれ、横一列になって氷の上に進む。しかし、すぐに悲鳴が上がった。


「わあー、滑るー」

「キャー、キャー、キャー」

「ダメー、進めないわ」

「無理よ。無理」


転ばないが、右に行ったり、左に行ったり、全然前に進まないのだ。そんな時、フェネが、腰に差していた横笛を抜き、口に当てて詠唱した。


「音楽魔法 スケーターズ・ワルツ」


フェネが横笛の演奏が始める。スケート靴を履き、氷の上で優雅にダンスを踊っている様子が思い浮かぶ曲が流れた。


すると、4人は氷上を滑り始める。右に左に蛇行しながら、まるでダンスを踊っているかのようにスーイ、スーイと進む。そして、無事に対岸の地面にたどり着いた。慣れないスケートに体力を使ったのか、プレヤが言う。


「僕は疲れたよ。少し休もうよ」

「そうね、疲れたわ。でも制限時間があるから、休んではダメよ。さあ、歩きましょう」


休もうと提案するプレヤを、ヴェーヌが励ます。


「こういう時は、元気の出る歌を歌いながら歩きましょう」


フェネが前向きな発言をすると、プレヤが質問する。


「どんな歌を歌うのさ」

「『ジングルベル』なんかどう? 知っているでしょう?」

「いいね、その歌。元気が出そうだ」


『ジングルベル』を4人で歌いながら歩き始めて5分ほどで、高さ10mほどのモミの木のある場所に着いた。モミの木には、赤色や緑色、金色、銀色の玉が飾り付けられていて、一番上には金色の星が付いている。


モミの木の前に看板があった。


「プレゼントが欲しければ、モミの木に付いている赤いボタンを押すこと」


 見ると、モミの木の高さ5mほどの所に赤いボタンがあった。


「私が押してきます」


セルクは兵士として、ゲリラ戦の訓練もしてきたので、木登りは簡単にこなせる。セルクは、するするとモミの木を登って赤いボタンを押した。すると、モミの木の一番上の金色の星が明るくキラキラと輝き出した。


遠くの空から、シャンシャンシャンと鈴の音が聴こえてくる。近づいて来るそれは、6頭のトナカイに引かれたソリだ。赤い服、赤い帽子をかぶった白いあご髭の老人が乗っており、後ろの荷台にはプレゼントの箱が積まれていた。


「おめでとう、お嬢さんたち。私の名前はサンタ。さあ、後ろの荷台から1つずつプレゼントを選んでおくれ」

「「「わーい」」」


ヴェーヌ、プレヤ、セルクは、喜んでプレゼントを選びに行った。しかし、フェネはサンタの近くに歩いて行く。


「サンタさん、私は別の物が欲しいのです」

「ほう、それは何だろう? 言ってごらん」

「トナカイさんの角が欲しいのです。私は音楽魔法使いです。音楽魔法の杖が欲しいのです。携帯魔法が使えるようになりたいのです」


「おー、そうか音楽魔法を使うのか。では、先頭の赤い鼻のトナカイに頼んでみなさい。首を縦に振ったら角に手を触れるが良い。彼の名前はルドルフじゃ」


フェネは、先頭の赤い鼻のトナカイの所へ行き頼んだ。


「ルドルフ、私にあなたの角をください」


ルドルフは首を縦に振った。それを見たフェネは角に手を伸ばして触れた。すると、角は光り、そして消えた。次の瞬間、先端に大きな赤いルビーが付いた杖がフェネの手に握られていて、ルドルフの頭には新しい角が生えてきた。


「ありがとう、ルドルフ。この杖に『ルドルフのタクト』と名付けて大切にするわ」


フェネはルドルフにお礼を言って、次にサンタにもお礼を言う。


「サンタさん、ありがとう。私これが欲しくてこの屋敷に来たのです」

「そうだったのか。それで携帯魔法の呪文は知っているのかな?」

「はい。お姉様に教えてもらいましたから」


フェネが詠唱する。


「ルドルフのタクト イン」


ルドルフのタクトが消える。そこに3人がやって来た。それぞれリボンで飾られた小箱を持ってニコニコしている。


「「「サンタさん、ありがとう」」」


3人はお礼を言って、頭を下げた。そして、プレヤが訪ねる。


「フェネ、プレゼントは要らないの」

「もうもらったわよ」


フェネが詠唱する。


「ルドルフのタクト アウト」


フェネの手にルドルフのタクトが突然現れると、3人は目を丸くして口をポカーンと開けた。しばらくして、ヴェーヌが言葉を発した。


「それって、もしかして携帯魔法?」

「そうよ。狩りや冒険に行くとき、携帯魔法ができると便利でしょう? お菓子や飲み物、予備の武器やポーションを持って行けるし、獲物も持ち帰れるわ」


「うわー、私も欲しいー。あっ、制限時間があるのよ。急いで受付に帰らなくてはいけない。みんな急ぎましょう。」


4人は、サンタさんにお別れの挨拶をすると、受付に急いだ。



受付の部屋


「攻略おめでとうございます。ボ-ナスチャレンジに成功すると、あちらの部屋で、小銀貨1枚で販売している品物が、大人の方も含めて、お一人様1つだけ無料になります。どうされますか?」


受付女性の質問に、『星とバラの妖精』の5人と護衛のイスリを代表して、プレヤが答える。


「もちろん、チャレンジします」

「それでは、このボードの問題を解いてください。2回まで回答でき、制限時間は10分です」


問題 なぞなぞです。雪が融けると何になりますか?


6人は円陣を組んで話し合った。プレヤが


「簡単だよ。水だよね」

「「「「「賛成―――」」」」」


「答えは水です」


自信たっぷりに答えたプレヤに受付女性がニッコリして言った。


「ブーーー、不正解です。学園の理科の問題なら正解ですけど、この問題は、なぞなぞです。回答できるのはあと1回です」


6人は考え込んでしまう。ただ、時間だけが過ぎて行く。ヴェーヌが思いついたようだ。


「暖かくなると雪は融けるわ。そして、暖かくなるのは春になったからだわ」

「「「「「なるほど」」」」」


プレヤが答えた。


「答えは春です」


すると、受付女性は受付テーブルの上にあるボタンを押した。ピンポーン、ピンポーン、ピンポーン、チャイムが鳴り、受付女性がニッコリして言った。


「正解です。あちらの部屋へどうぞ。品物を選んでください」


指示された部屋で、髪留め、髪飾り、リボンなどを見ていた6人だが、スカーフが置いてある場所でプレヤが大きな声で言った。


「ねえ、みんな、自分の髪色と同じ色のスカーフを選ぼうよ。『星とバラの妖精』のトレードマークにしよう」


ヴェーヌが応じる。


「お揃いの防具と赤い靴に加えて、髪色と同じスカーフはいいアピールになるわ。いい考えよ、プレヤ」


他のメンバーもコクコクと首を縦に振っている。そして、プレヤは緑髪、ヴェーヌは赤髪、フェネは青髪、セルクはピンク髪、パシファは黒髪に合わせてスカーフを選んだ。イスリも空気を読んで、黒髪に合わせて黒色のスカーフを選んだ。


「僕は『星とバラの妖精』のグリーンだ」


緑色のスカーフを首に巻いたプレヤが叫ぶと、私はレッド、私はブルーよ、私はピンク、私はブラックですね、残りのメンバーも口々に叫ぶ。


こうして、未登録の冒険者パーティ、『星とバラの妖精』のそれぞれの冒険者名が決まったのである。



第21話 聖夜の屋敷② 

第三障害 凍った池 氷の表面を進んでください。氷の下や上空を通ってはいけません。


目の前に道はなく、氷が広がっている。


「ペガススで飛べば簡単だよ」


プレヤが言うと、ヴェーヌが看板を指さして、


「上空はダメって書いてあるわ。飛んではダメよ。池の表面を進むのよ」

「じゃあ、歩いて行こう。ぎゃあー」


歩き出したプレヤはすぐにスッテンコロリンと転んでしまった。あわてて3人で地面の方へ引き寄せるが、


「痛い、足首を痛めたみたいだ。痛くて立てない」


フェネとヴェーヌが心配そうにしている中、セルクが申し出た。


「私が回復魔法を使って治療します」


セルクが、手のひらをプレヤの足首に向けて、詠唱する。


「回復の光」


プレヤの足首が淡く光る。光が消えると、プレヤが嬉しそうにお礼を言う。


「痛みがなくなったよ。ありがとう、セルク」


そして、プレヤは立ち上がった。回復魔法はありがたい魔法である。それを見てホッとしたのか、フェネが呟く。


「何かいい方法はないかしら?」


すると、海で遊んだことを思い出したのだろう、セルクが残念そうに答える。


「海だったら、浮き輪が使えるのですが」

「浮き輪か~、あれは便利だったわね。手や足を動かさなくても海で浮いていられたわよね」


セルクの言葉に答えたヴェーヌは考えていた。しばらくして、ヴェーヌはプレヤに尋ねる。


「プレヤ、土星の輪を4体出せる?」

「土星の輪4体ぐらい余裕で出せるさ。僕を誰だと思っているの?」


プレヤの得意な星魔法は黄道12星座の星魔法だ。しかし、他の星魔法も人並み以上に使えるのだ。腰からロータスワンドを抜いて構え、プレヤは詠唱する。


「星魔法 土星の輪 4体」


ピカピカに光る4つの輪が、腰の高さほどの空中に現れる。ヴェーヌはそれらを一列に繋いだ。輪と輪の一部を重ねるだけで、くっついて離れなくなるのだ。


「よし、できたわ。みんな、輪の中に入って。海で浮き輪を使っているのと同じようにして」


4人が輪の中に入るとヴェーヌが号令をかける。


「さあ、氷の上を歩きますよ。イッチニ、イッチニ」


4人は、輪の中に体をいれ、横一列になって氷の上に進む。しかし、すぐに悲鳴が上がった。


「わあー、滑るー」

「キャー、キャー、キャー」

「ダメー、進めないわ」

「無理よ。無理」


転ばないが、右に行ったり、左に行ったり、全然前に進まないのだ。そんな時、フェネが、腰に差していた横笛を抜き、口に当てて詠唱した。


「音楽魔法 スケーターズ・ワルツ」


フェネが横笛の演奏が始める。スケート靴を履き、氷の上で優雅にダンスを踊っている様子が思い浮かぶ曲が流れた。


すると、4人は氷上を滑り始める。右に左に蛇行しながら、まるでダンスを踊っているかのようにスーイ、スーイと進む。そして、無事に対岸の地面にたどり着いた。慣れないスケートに体力を使ったのか、プレヤが言う。


「僕は疲れたよ。少し休もうよ」

「そうね、疲れたわ。でも制限時間があるから、休んではダメよ。さあ、歩きましょう」


休もうと提案するプレヤを、ヴェーヌが励ます。


「こういう時は、元気の出る歌を歌いながら歩きましょう」


フェネが前向きな発言をすると、プレヤが質問する。


「どんな歌を歌うのさ」

「ジングルベルなんかどう? 知っているでしょう?」

「いいね、その歌。元気が出そうだ」


ジングルベルを4人で歌いながら歩き始めて5分ほどで、高さ5mほどのモミの木のある場所に着いた。モミの木には、赤色や緑色、金色、銀色の玉が飾り付けられていて、一番上には金色の星が付いている。


モミの木の前に看板があった。


「プレゼントが欲しければ、モミの木に付いている赤いボタンを押すこと」


 見ると、モミの木の高さ3mほどの所に赤いボタンがあった。


「私が押してきます」


セルクは兵士として、ゲリラ戦の訓練もしてきたので、木登りは簡単にこなせる。セルクは、するするとモミの木を登って赤いボタンを押した。すると、モミの木の一番上の金色の星が明るくキラキラと輝き出した。


遠くの空から、シャンシャンシャンと鈴の音が聴こえてくる。近づいて来るそれは、6頭のトナカイに引かれたソリだ。赤い服、赤い帽子をかぶった白いあご髭の老人が乗っており、後ろの荷台にはプレゼントの箱が積まれていた。


「おめでとう、お嬢さんたち。私の名前はサンタ。さあ、後ろの荷台から1つずつプレゼントを選んでおくれ」

「「「わーい」」」


ヴェーヌ、プレヤ、セルクは、喜んでプレゼントを選びに行った。しかし、フェネはサンタの近くに歩いて行く。


「サンタさん、私は別の物が欲しいのです」

「ほう、それは何だろう? 言ってごらん」

「トナカイさんの角が欲しいのです。私は音楽魔法使いです。音楽魔法の杖が欲しいのです。携帯魔法が使えるようになりたいのです」


「おー、そうか音楽魔法を使うのか。では、先頭の赤い鼻のトナカイに頼んでみなさい。首を縦に振ったら角に手を触れるが良い。彼の名前はルドルフじゃ」


フェネは、先頭の赤い鼻のトナカイの所へ行き頼んだ。


「ルドルフ、私にあなたの角をください」


ルドルフは首を縦に振った。それを見たフェネは角に手を伸ばして触れた。すると、角が光って角は消え、フェネの手に先端に大きな赤いルビーが付いた杖が握られていた。そして、すぐにルドルフの頭に新しい角が生えてきた。


「ありがとう、ルドルフ。この杖に『ルドルフのタクト』と名付けて大切にするわ」


次にフェネはサンタの所に行き、お礼を言う。


「サンタさん、ありがとう。私これが欲しくてこの屋敷に来たのです」

「そうだったのか。それで携帯魔法の呪文は知っているのかな?」

「はい。お姉様に教えてもらいましたから」


フェネが詠唱する。


「ルドルフのタクト イン」


ルドルフのタクトが消える。そこに3人がやって来た。それぞれリボンで飾られた小箱を持ってニコニコしている。


「「「サンタさん、ありがとう」」」


3人はお礼を言って、頭を下げた。そして、プレヤが訪ねる。


「フェネ、プレゼントはいらないの」

「もうもらったわよ。」


フェネが詠唱する。


「ルドルフのタクト アウト」


フェネの手にルドルフのタクトが突然現れると、3人は目を丸くして口をポカーンと開けた。しばらくして、ヴェーヌが言葉を発した。


「それって、もしかして携帯魔法?」

「そうよ。狩りや冒険に行くとき、携帯魔法ができると便利でしょう? お菓子や飲み物、予備の武器やポーションを持って行けるし、獲物も持ち帰れるわ」


「うわー、私も欲しいー。あっ、制限時間があるのよ。急いで受付に帰らなくてはいけない。みんな急ぎましょう。」


4人は、サンタさんにお別れの挨拶をすると、受付に急いだ。



受付の部屋


「攻略おめでとうございます。ボ-ナスチャレンジに成功すると、あちらの部屋で、小銀貨1枚で販売している品物が、大人の方も含めて、お一人様1つだけ無料になります。どうされますか?」


受付女性の質問に、『星とバラの妖精』の5人と護衛のイスリを代表して、プレヤが答える。


「もちろん、チャレンジします」

「それでは、このボードの問題を解いてください。2回まで回答でき、制限時間は10分です」


問題 なぞなぞです。雪が融けると何になりますか?


6人は円陣を組んで話し合った。プレヤが


「簡単だよ。水だよね」

「「「「「賛成―――」」」」」


「答えは水です」


自信たっぷりに答えたプレヤに受付女性がニッコリして言った。


「ブーーー、不正解です。理科の問題なら正解ですけど、この問題は、なぞなぞです。回答できるのはあと1回です」


6人は考え込んでしまう。ただ、時間だけが過ぎて行く。ヴェーヌが思いついたようだ。


「暖かくなると雪は融けるわ。そして、暖かくなるのは春になったからだわ」

「「「「「なるほど」」」」」


プレヤが答えた。


「答えは春です」


すると、受付女性は受付テーブルの上にあるボタンを押した。ピンポーン、ピンポーン、ピンポーン、チャイムが鳴り、受付女性がニッコリして言った。


「正解です。あちらの部屋へどうぞ。品物を選んでください」


指示された部屋で、髪留め、髪飾り、リボンなどを見ていた6人だが、スカーフが置いてある場所でプレヤが大きな声で言った。


「ねえ、みんな、自分の髪色と同じ色のスカーフを選ぼうよ。『星とバラの妖精』のトレードマークにしよう」


ヴェーヌが応じる。


「お揃いの防具と赤い靴に加えて、髪色と同じスカーフはいいアピールになるわ。いい考えよ、プレヤ」


他のメンバーもコクコクと首を縦に振っている。そして、プレヤは緑髪、ヴェーヌは赤髪、フェネは青髪、セルクはピンク髪、パシファは黒髪に合わせてスカーフを選んだ。イスリも空気を読んで、黒髪に合わせて黒色のスカーフを選んだ。


「僕は『星とバラの妖精』のグリーンだ」


緑色のスカーフを首に巻いたプレヤが叫ぶと、私はレッド、私はブルーよ、私はピンク、私はブラックですね、残りのメンバーも口々に叫ぶ。


こうして、未登録の冒険者パーティ、星とバラの妖精のそれぞれの冒険者名が決まったのである。




お読みいただきありがとうございます。


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参考

スケーターズ・ワルツ  作曲 エミール・ワルトトイフェル 

ジングルベル   アメリカ民謡 作曲 ジェームズ・ピアポイント


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