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なろラジのお部屋

赤のランランランドセル

作者: スタジオ めぐみ

桜の咲く季節がやってきた。

私は新1年生だ。

新しい制服に、新しいランドセル。

新しいものだらけだ。

みんなとお揃いも嬉しい。


男の子は黒のランドセルとズボン。

女の子は赤のランドセルとスカート。

胸には胸章をつける。頭には黄色の帽子。

毎日決まったものを身につけて、学校に行くのは楽しかった。

私は決めるのが苦手だった。

だから、みんな同じ制服とランドセルに安心した。

安心していたのに…不安は訪れた。


体育で着ていたブルマ。

これが新しくハーフパンツになるという話を聞いた。

高学年は買っても買わなくてもどっちでもいいということだった。


もうすぐ6年生で1年間どうするか、どうなるか不安だった。

そして、私は物をねだるのが苦手だった。


体育の授業の度に増えていくハーフパンツ。

ブルマの数はどんどん減っていった。

みんなと同じがいい私は親にハーフパンツをお願いした。

「ハーフパンツじゃないと嫌だ。学校行かない。」と言ったのだ。

「時間ある時に買ってくるから。」とお母さんが言った。


次の体育までには欲しいが、それは言えなかった。

明日体育があるのだ。


体育の授業では私以外みんなハーフパンツだった。

「ハーフパンツ買ってもらえないの?」と友達に言われた。

「買ってもらったけど、家に忘れちゃって。」と私は嘘をついた。

なんか、私だけハーフパンツを持ってないと思われたくなかった。

泣きそうになりながら、家に帰った。


家には新しいハーフパンツがあった。

「買っといたよ。」とお母さんが言った。

今日着たかった。今日をやり直したい。

気分はブルマのことだけにブルーだった。


寝たら忘れるタイプの私。

「おはよう!」

今日の気分はルンルン。

走りたい気分。ランラン。

「行ってきます!」

新しいハーフパンツをランドセルに詰め込んで登校した。

ランランランドセル。


私はみんな同じでみんなとお揃いが好き。

赤のランドセルが好き。

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― 新着の感想 ―
[一言] まさに切り替わる時期に中学生でした。 地方だったから都心に比べると遅かったかも。 皆がハーフパンツなのに一人だけブルマだと気になるよなぁ。
[一言] 6年生の時に着るものが変わると 親は困りますね。 でも、ブルマがハーフパンツになるなら 学校から連絡あった時点で買うかも。 みんなと同じだから安心する 人と違うようになりたい 子供のと…
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