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追放聖女はもふもふ達と恋をする?  作者: 街のぶーらんじぇりー


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冒険者ギルド

 武器屋のご主人から聞いた話を総合すると、冒険者ギルドに登録することにはメリットこそあれ、デメリットはほとんどないらしい。


 何にも増して、ルルを堂々と見せびらかすことができるようになるだけでも、十分価値がある。ご主人にお礼を言うのももどかしく、私達は教えてもらった冒険者ギルドに向かった。


 ギルドはひときわ重厚な五階建ての建物をまるまる借り切っているらしく、冒険者登録は一階のカウンターで受け付けていた。


「はい、新規登録ですね。では右手と左手をこの石の上においてくださいね。はい確認しました、では必要事項をここに書いてもらって……」


 とってもテキパキと仕事をするデキる感じのお姉さんで、いいかも。手を石にどうのこうのするのは、仕組みはわからないのだけれど、なりすまし防止のためなんだって。


 書く内容も、難しいのは「職名」くらいで、あとは種族、年齢、通り名・・すっごく簡単。


 私は武器屋さんでアドバイスされたように「魔物使い」、ヴィクトルとカミル、クララは「剣士」、ビアンカは「弓使い」にしてみた。


 ヴィクトルを私の従魔ってことにすれば街中をサーベルタイガー姿で歩けるかなという安易な考えが一瞬脳裏をかすめたけれど、さすがに目立ち過ぎちゃうわよね。目立たず暮らすのが私達の目的なんだから、うん、人間として登録してもらおう。それに、ヴィクトルは誇り高いサーベルタイガー族長の後継者、従魔なんて扱いしたら、失礼よね。


(いや、ロッテの所有物扱いしてくれるんだったら、俺としては本望なんだが……)


 なにやら意味不明な念話が飛んできてるけど、まあいいわ。


「あら、ロッテさんのパーティは『殴る系』なのね。獣人さんがいっぱいいるから、物理攻撃が得意なんでしょうね。そうなると、回復さんや魔法使いが欲しいところですね……」


「まあ、私がちょっとだけ、回復と魔法を使えますので」


「すごいわね! 魔法も使える魔物使いさんなんて、激レアよ!」


 優秀な受付お姉さんは、私と世間話をしながらも、ちゃちゃっと登録証を作成してくれた。魔法付与された角丸四角形の金属板に、名前と職名が刻印してある、なんかかっこいいな。活動するときはこれを身に着けておきなさいってことなんだって。


 さっそくルルを従魔登録すると、何か特別っぽく鮮やかな赤色のリボンがもらえる。これを付けておくと、有害魔物扱いされずに済むんだそうだ。とりあえず足にちょうちょ結びしてあげる。


(ルル! ルル!)


 なんだか、うれしいらしい。良かったわ。


「従魔が増えたら、一体ごとに登録してくださいね!」


 デキるお姉さんが、きちんと注意してくれる。はい、もちろん言われたことは守りますよ……てか、これ以上お供を増やす気、ないんだけどな。


◇◇◇◇◇◇◇◇


 何はともあれ、身分証明書みたいなものができたので、一安心。ようはこれで、いきなり不審者として衛兵に捕まることは、なくなったわけだからね。


 受付お姉さんは討伐依頼の受け方だとかいろいろ教えてくれたけれど、ギルドの募集ボードにいろいろベタベタ貼ってある面倒くさいお仕事をやる予定は、当分ない。お姉さんいわく、妖魔や魔獣、害獣の身体からとれる魔石や素材を持ってくればここで買い取ってくれるというから、しばらくは自由にお仕事させてもらおう。


 何かと詳しそうなお姉さんなので、この街の周辺について情報収集などしてみる。


「あの~。私達、郊外に住みたいと思っているのですが、うっそうとした森に包まれたような村なんて、ご存じありませんか?」


「あら、森に包まれるなんて、詩的な表現で素敵ね。う~ん、街の西側はもう見て来たのよね。じゃあ、まず南側は……一面の森ではあるんだけど傾斜地だから、木こりの村くらいしかないかな……行けば行くほど標高が上がって、やがて雪山になっちゃうんだ。北には十数ケ所の村があるけど、農地と雑木林が広がって眺望が開けているから、ロッテちゃんが求めているものとは微妙に違うかもね」


 なぜか気に入られたらしく「ちゃん」付けになっちゃった。


「そうですね・・残るは、東ですか」


「うん、街の東には湖が広がってる。その対岸にいくつか小さい村があるわ。湖の東は国境までずうっと深くて広大な森が続いてるけど、アルテラ兵が年に何回も侵入して来て略奪を仕掛けて来るから危ないし、静かに暮らすには向かないところよ。だから村も、三つしかないわ」


「そうですか……うん、参考になりました。実際に行ってみないとわからないですね。向こう数日、狩りもかねて郊外を見て回ることにします」


「そうね。だけど気を付けるのよ、女の子なんだから」


「はい、お姉さん」


「エーリカと呼んでくれると嬉しいわ。そして……シュトローブルの街を気に入ってくれると、もっと嬉しい」


「ええ、エーリカさん。また、いろいろ教えてくださいね!」


 うん、バイエルンの人達は、なぜだか優しいわ。ロワールでは、いろいろヤラれちゃったから人間嫌いになりかけていたんだけど、人間も捨てたもんじゃないな。ああ、こないだのおかしな王子は、除くけれどね。



いつも読んで頂きありがとうございます。

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