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追放聖女はもふもふ達と恋をする?  作者: 街のぶーらんじぇりー


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私の魔力の役立て方

 とんでもない連れ? ああ、カミルのことね。竜と虎がライバルだなんて、すっかり忘れていたわ。よく考えたら「竜虎相搏つ」とか言うもんね。空気読めなくてごめん。


 それはそうと、私はこれまで自分に起こったできごとを、族長さんとヴィクトルにゆっくりと話していったの。魔獣と和して民の平穏を確保する手法が異端とされ、聖女の身分を剥奪された上、追放になったこと。アルフォンス殿下や姉様とは理解しあっているけど、離れないといけないこと。国内にいたら教会から追っ手がかかるから、できるだけ早くバイエルン王国に向かいたいこと。だけどここまでの道程で死ぬほど痛めつけられたり、ビアンカとカミルを助けて盗賊団を潰滅させちゃったりしたこと。


「で、そうしているうちにわかったことがあるの。私の持っている魔力って、聖女の魔法を使うのには何の役にも立たなかったんだけど、魔獣とか獣人には結構美味しいものだったらしいのよね。カミルなんか魔力をあげたら、覚醒しちゃって翼が……」


 気が付くと、眼の前で族長さんが頭を抱えている。


「いやはや……そんなこと、儂らは初めて会った時から知って居ったよ。知らぬは本人ばかりなりであったということか……」


(俺も、ロッテは自分の力を知っているもんだとばかり思っていたよ。教えてあげなかったのは俺達の失敗だな。ロッテの魔力は、魔獣にとっては危険なほど強力に働く。その強力さを意識せずに使うと、大変なことになるからね)


「大変なことって?」


 族長さんやヴィクトルが、ものすごく残念なものを見るような眼を私に向けるので、ちょっと抗議してみる。


(あのさ、その力を無自覚に使いまくっていると、多くの魔獣がロッテの力を知るようになるよね。そうなったら、魔獣の中にはその力を独占して、その力で支配を拡げたいと考える者も、出て来るだろうね)


「そうじゃな。今は種族の異なる魔獣同士は棲み分けることで争いを避けている。圧倒的な力の差がないわけだから、争えば双方が傷つくからのう。だが、いずれかの魔獣集団がロッテ嬢ちゃんを手中にしたら、その一派が振るう力は数倍となる。そうなればその集団が他の魔獣を従えようとして、多くのいさかいが起きるであろうな」


 ヴィクトルと族長さんが噛んで含めるように解説してくれる。クララやカミルも当然という表情でうなずいているの。う〜ん、私だけ頭悪い子みたいで、少し傷付くわね。


「そうかあ。クララやビアンカが喜んでくれるのが嬉しくていっぱい力を使っちゃってたけど、あまり見せない方が良かったんだね……」


「いやいや、そう悪い方向にばかり考えんでもよいわ。その力はすばらしいものだからの、嬢ちゃんの未来を拡げるように使うことだってできようというもの。例えばじゃ、強力な魔獣の一族に対しロッテ嬢ちゃんがその力を提供すると言えば、彼らは嬢ちゃんに崇拝するがごとく従うであろうな。そうやっていくつかの有力な一族を麾下におけば、嬢ちゃんを頂点とする魔獣の王国を建てることも、十分可能じゃぞ」


反省モードに入った私を元気づけるように、族長さんがずいぶん過激な提案をしてくる。


「そこまで、私の魔力に価値があるとは思えないけどな……」


(ねえロッテ。高すぎる自己評価は判断を誤らせるものだけど、ロッテみたいにそれが低すぎるのも問題だよね。魔獣にとってみたら君の魔力は、人間が言うところの「神の奇跡」に等しいものだよ。少なくともウチのサーベルタイガー一族は、もしロッテがここに留まってくれると言ってくれたら、間違いなく君に対して無条件で忠誠と献身を誓うと思うよ)


「うむ、そうじゃな。そんなことをロッテ嬢ちゃんが許してくれれば、その瞬間から儂らは嬢ちゃんの家臣というより、下僕じゃの。だが、第二王子とやらの邪魔にならんためにも、しばらくはロワール国外に出ていないといかんのだろう。そこを無理に引き留めるわけにはいかんな。まあ時間はあるからのう、その力をいかに使うか、ゆっくり考えてくれればよいじゃろう」


「うん。魔獣の女王になるとか今は考えられないけど、私達の将来……考えてみるわ」


 ヴィクトルと族長は、どうやら励まそうとしてくれているらしい。私も、ポジティヴに考えていかないとね。クララ達にも相談しないといけないな。


 少し前向きな気分になってふと族長さんのほうを見ると、まだ何か言いたそうな顔をしている。なかなか切り出さないところを見ると、面倒な話なのかしら。


「あの、族長さん。まだ何か、おっしゃりたいことがあるみたいですが?」


「う、うむ。嬢ちゃん達が先を急いでいることは知っているのじゃが、力を借りたいことが一つあってのう……」


 むむ、何やら面倒ごとの予感。でも、族長さんがあんなに困った顔をしているんだから、助けてあげたいな。クララには叱られるかしら?


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