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童話

クリスマスイブの日に

作者: 山本大介

 聖なる夜に。


しん・・・しん・・・しん・・・しん。

しん・・・しん・・・しん・・・しん。

しん・・・しん・・・しん・・・しん。


今日はクリスマスイブです。

だれもが、心ときめく、わくわくの一日、子どもだったらなおさらです。

前日にふりつもった雪は町をおおい、一面は冬げしきです。


ぼくは、朝から友だちと、白いいきをはずませ、雪だるまをつくったり、こおった水たまりをふんづけたりしてあそびました。

その内、友だちもたくさんふえ、雪がっせんをすることにしました。


きっと楽しいクリスマスの一日になる。

ぼくは雪玉をこねながら思いました。

すると、かおに雪玉がぱんって当たっちゃった。

やったな~。


むちゅうで時間がたつのもわすれてあそびました。

ぼくチームと友だちチームは2たい2のたたかいです。

そんな時、ポケットのアラームがなりました。

お昼ごはんで帰る時間です。


ぼくは大声でいいました。


「もう、ごはんの時間だから帰るねー」


 すると、友だちは言いました。


「もっと、あそぼうよ」


「うーん、お母さんとのやくそくだし」


「ちぇっ、じゃ、明日から君、なかま外れな」


 友だちは走って雪がっせんの中へもどっていきました。


「えっ、なんで」


ぼくは、とてもかなしい気持ちになりました。



お家に帰って、お母さんからあたたかいココアをもらっても、ぼくの心はおちつきません。

どうして、お友だちはあんなこと言ったんだろう。

ぼくだって、まだあそびたかったのに。


妹が「あわてんぼうのサンタクロース」をうたいながら、かざりつけしたツリーのお星さまをとってニコニコあそんでいるのを見ても楽しくありません。

とうとう、ぼくは、ないてしまいました。


するとおばあちゃんが、ぼくをだっこしてくれました。

ぼくはお兄ちゃんだから、だいじょうぶと言ったんだけど、ぎゅっとしてくれたんだ。


「ぼく、今日は一年に一度のクリスマスイブだよ。泣いてたらサンタさんもかなしむよ」


「だって、ぼく、友だちと・・・」


「そう、それなら今日の夜はクリスマスパーティでしょう。そこでお友だちと話したら」


 おばあちゃんのお話にぼくのかおは、ぱあっとなった。


「そうか、そうだね」



しん・・・しん・・・しん・・・しん。

しん・・・しん・・・しん・・・しん。

しん・・・しん・・・しん・・・しん。


夜にかけて雪はふりつもります。



クリスマスパーティはせいだいにおこなわれます。

いっぱいのごちそうと、すてきなイルミネーション。

大きなもみの木にかざられたデコレーション。


ぼくはゆうきをだします。

友だちにせいいっぱいわらいかけました。


「あそぼう」


 友だちは少しだけきょとんとしたかおをしましてが、わらいかえしました。


「うん、さっきはごめんね」


「いいよ。いいよ」


 二人はパーティの中を走り回ります。




しん・・・しん・・・しん・・・しん。

しん・・・しん・・・しん・・・しん。

しん・・・しん・・・しん・・・しん。


りん・・・りん・・・りん・・・りん。

りん・・・りん・・・りん・・・りん。

りん・・・りん・・・りん・・・りん。




 今日は楽しいクリスマス。


 ♪ドラゲナイ♪~。

 書いてて、ちょっぴり切なくなりました。

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― 新着の感想 ―
[一言] 心をえぐる一言ですね。 すごく切なくなります。 でも、仲直りしてよかったです。
[良い点] これは素晴らしい文ですね ( ゜Д゜) そのなかなか言えない一声が皆が出来たら、この世界は一直線となるのでしょう。 クリスマスだから? 子供だから? いえ違います。 信じることが出来たから…
[一言] クリスマスが近づいてきましたね。 今年はいつもと違うクリスマス、マスクなしで過ごせた去年のクリスマスが懐かしく思えます。 かわいらしいお話、ほっこりしました。
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