エルフの世界
プロローグ
世界は精霊に満ち溢れていた。
神は戯れに姿を現し、少しずつ世の中の理を考えて、精霊達に考え知識を与えた。
次第に精霊は交わり、個性を持つ者が現れ始めた。
生まれ持った資質なのか、定められた宿命なのか、わからない。
喧嘩する者、独りで思想に耽る者、神の教えに従順な者、無邪気に刻を忘れ飛び回る者、たくさんの精霊がいる。
ある時、遊び好きの精霊が白い小さな若葉を見つけた。
神がちょうど近くで、精霊に教えを授けていたが、好奇心が勝り、間髪入れずに尋ねた。
「神様!これ!これ何のお花が咲くの!」
神は目を細め
「これは、これは珍しい。私も初めて見た!」
神は知っていたが、黙ってこの若葉を注意深く恩恵を与えた。
そして、精霊に言った。
「お前は生命を司る妖精の様だ、どうかの? お前のとっておきのあの場所で、育てて、私に花を見せてくれんか。」
精霊は輝かせ、
「嬉しい!いいの、あの場所を使って!きっとお花も喜ぶわ!」
神は、微笑み。
「枯らすんじゃないぞ」と釘を刺した。
もっとも、枯れるはずはないのは知っていたが。
「神様ありがとう!、早速行ってきます!」
と、慎重に若葉の苗を掘り起こし、両手に抱えて飛んで言った。
これが、世界の始まり。