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地球滅亡まであと

作者: ハリジャン
掲載日:2019/06/27

「博士、そういえばこの前まで地球滅亡まであと少しみたいな話題で盛り上がったじゃないですか」


「そんなこともあったか。それがどうかしたのか?」


「あと少しってどれくらいかとかって気になりません?」


「気にならないといえば嘘になるが、どうやって調べるつもりなんだ」


「そりゃAIとタイムマシンを組み合わせてですねぇ」


「重罪じゃないか。死刑どころじゃ済まないぞ」


「あっはっは。ばれなきゃもーまんたいってやつですよ。それに政治家連中は太陽系外にバカンス中でしょ?」


「バカンスって……一応あんなのでも国のリーダー達の会合なんだが」


「本音漏れてますけど?」


「まぁそれはいい。で?ばれないにしてもAIを使うんだから後で足が付く可能性もあるだろ」


「うーん、それは否定できないですねぇ」


「最近の汎用型AIの前で冗談でも犯罪に近い事を言ったら、即通報されるとかいう噂もあるぐらいだからな」


「そーなんですよ、最近の汎用型AIなら確かにその通りなんです。じゃあ博士、これならどうです?」


「それ、は……一世代前のAIか。しかもこれを作ったのは」


「そう、博士ですよ。ここから汎用型AIって概念が広まったぐらいなんですから」


「それは言い過ぎだろう。だが、確かにこれなら通報されたり足が付くことはなさそうだな」


「でしょ?」


「ああ。これに後は市販のタイムマシンを接続するのか?」


「それも考えたんですけど、市販の奴って大概移動限界って割と短めじゃないですか」


「まぁ一応家庭でも買える値段にデチューンしてるからな。仕方がないだろう」


「一般ピーポーならそこで諦めるんでしょうけど、実は自分優秀な博士の助手なんですよねぇ」


「ほう、その博士はさぞかし優秀なんだろうが助手の行動に四苦八苦してるんじゃなかろうか?」


「大概ノリノリで話し合わせてくれるんで、特にそんなことはなさそうですね!」


「そうか……それで、タイムマシンはどうするつもりだ?」


「あー、単純に市販のものを分解してエンジン部分を拡張しようと思うんですけどどうですかね?」


「助手君、それでは赤点だな。及第点が欲しければ少し考えてみたまえ」


「…………出力を上げるだけだと意味がないってことは他に何かいるんですかね?」


「おいおい、勉強不足にも程があるぞ。タイムマシンの基礎構造ぐらいは暗記して当然だろう」


「あの、自分これでも主席だったんですけど……」


「過去の実績に何の意味があるんだ?」


「いや、そーじゃないんですけど……まぁ勉強しときます。それであとはどうすればいいんですかね」


「まず、出力を上げるという点については正しい。しかしそれでは時空間制御装置が認識できる間隔は変わらないから、時間移動距離自体は変わらんだろう」


「えっと、時空間制御装置が昔の映画でいう所のフィルムで大丈夫です?」


「ああ、秒間60コマと秒間120コマでは認識出来る精度が違うだろう?その精度を120から60に落とす事で移動可能距離が拡張される訳だ」


「じゃあ市販のものだと時間移動距離自体を伸ばすには精度を落とすしかないってことですか?」


「その通りだ。だが、ここは研究所であり助手君が言う所の優秀な教授とやらは時空間を専門に研究しているそうだぞ」


「ってことは……時空間制御装置あるんですか!」


「これが噂の便利アイテムだ。高いから壊すなよ」


「おお、じゃあこれを組み込めば地球滅亡までの時間が分かるんですね!」


「理論上このコマ数を市販のものと同数まで落とせば1000年ぐらいは移動可能なはずだ。無論遠くなればなるほどノイズも増すがな」


「じゃあとりあえずやってみますか」


「うむ……そうだな、そこに取り付ければ問題ないだろう」


「よし、準備完了しましたね」


「ああ、じゃあやってみてくれ」


「博士がやらなくていいんですか?」


「言いだしっぺは君だろう?責任は君一人でかぶってくれ」


「うわぁ、そんなこと言っちゃうんですねぇ」


「誰だって自分の身の安全が一番だからな」


「……それじゃあ自分がやりますけど」


「ああ、頼む」


「AI起動」


『起動しました―――ユーザー認証―――完了―――ご質問はなんでしょうか』


「地球が滅亡するまであとどれぐらいか教えてくれ」


『地球が滅亡するまで―――あと―――時間移動距離によって正確な日数に誤差が生まれます―――』


「続行してくれ」




『観測完了』




『地球が滅亡するまでの時間をお伝えします』







『地球は―――あと15秒で―――滅亡します』






「えっ」


「えっ」


「「えっ?」」














「しかし、我々が最後の人類になるとは……本当にこれでよかったのですかな?」


「致仕方あるまい。今回のノアの方舟には定員があったのだから」




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