魔法使い羊!(生け贄じゃないよ!)
なんかいつもより長くなった。
よっし!
『ふひひ』
緑色に光るふよふよした球体、ホタルみたいでキレイだ。ただ、明るいところでみるホタルって虫!って感じであんまり好きになれないんだよね。
「メェー」(こんにちは、どちら様ですか?)
『考えを言葉にしなくても伝わっているよ、私はあなたの心に直接語りかけているからね。ちなみにホタルじゃないよ』
あ、便利!メェーメェーいうの結構疲れるんだよね。んで、改めて聞くけどどちら様?
『私は風の精霊!名前はないけどよろしく!』
俺の名前は、、、名前、、なんだっけ?とりあえずよろしく!
ところでなにかよう?
『いや、なにかあって話しかけた訳じゃないんだけどー、子羊ならともかくさぁ大人の羊が群れから外れるなんて珍しいなぁーって目がいって、そしたら岩に頭突きをかますんだもん!驚いちゃったよ!その上刺さってるし!』
群れるのが当たり前な羊にはあり得ない行動だよね、はたからみると。
にしても、、、、恥ずかしいところ見られちゃった
『見ちゃったよ♪角がとれなくてジタバタ暴れてるところから角へし折るところまでじっくりと、ふひひ!
そんで、なんで頭突きなんてしてたの?』
いや、角がどれだけ硬いかとかどれだけ自分が強いかを試したくて、、、つい
『つい♪つい、かー♪ふひひ!面白いね、そんな酔狂な君に頼みがあるんだけど!聞いてくれるかな?聞いてくれるよね!』
よっし!バッチコイ!って言いたいとこは山々なんだけど、まだ自分自身で試してないこととか試したいこともあるんだけど、、、
『魔法使ってみたくない?』
よっし!バッチコイ!
『ふひひ!いいねぇ君!ノリがよくて助かるよ!ノリは大事だからね。
君にやってもらいたいことはね。
よっと、この大岩、壊してほしいんだ』
そういって風の精霊がぐるりと大岩の周りを回って見せた。それは見上げるほど高く、横は俺を二人並べたくらい、奥行きもそれくらいありそうな大岩だった。
この大きさの岩、壊せるわけがないよね?ムリムリ!
『実はこの岩に私たちの大好きな蜜を出す花が潰されちゃってね、種はまだ下で生きてるんだけど岩が邪魔で生えてこれないだよ。ある程度砕いて上げれば自分で這い出てこれると思うんだけど』
いやぁ、そういわれても無理なものは無理だよ?
(出来なくはなさそうだけど、、突進と併用して角で深く数十ヶ所に穴をあければいつかは壊せる。ただ、その数十回、角へし折らなきゃいけなくなる、だからいわないでおこう。)
『いや、心の声風にしても聞こえてるからね?心配ごむよー!そのための手伝いはするよ、さっきいったでしょ!魔法使ってみたくない?って』
角折らなくていいの?それならまあなんとか
それより、魔法について詳しく!
『おっけーおっけー!魔法っていっても難しいことはないよ。君のイメージを僕に伝えて!そしたら僕はそのイメージをもとに魔法を作る、簡単だろ?』
イメージを伝える?たとえば『風よ切り裂け!ウインドカッター』とか?
『うんうん、そんな感じ!なるべくかっこいいのがいいな!あと長ければもっと具体的なイメージができるよ。
ちなみに参考までにいうと、さっきのじゃ牧草くらいしか切れないからね!
僕らはイメージと一緒に精神力ももらってるんだ、人間の魔法使いは魔力っていったりするけど、いわば心から溢れるエネルギーのこと。
怒りでも喜びでもなんでも構わないさ!』
かっこよく、正確に、テンションが上がるように詠唱すればいいのか
意味とか重要だったりする?
『あんまり関係ないよ、最悪僕らが魔法を作るだけの情報とそれを作るエネルギーさえあれば『吹き飛ばせ』って一言でもいいし、とにかく実践あるのみ!さっさとやろうよ!』
そうだね、角がまた挟まらないように角の回りに風の刃を回転させるよう纏わせれば岩がえぐれて抜きやすいだろう。あとは助走をつけるために追い風をつくって見るとか、、、
と、その前に≪一本角生成≫!
新しい角を生やそうとアビリティを発動させると折れて中途半端に残った古い角がポロリととれて新しい角が生えてきた。
俺の角折る覚悟はなんだったのか、急に疲労感と空腹感が、、、角なんて急に生やしたらお腹もすくよね?草食べよ
『おーい、牧草食べ始めてるけどイメージは固まった?』
イメージは固まったけどこれ以上不用意に行動して落ち込みたくないから、、、、一旦今使えるアビリティだけでも確認させて
『ええー!仕方ないなぁ、すぐ済ませてよぉ』
それから何度かアビリティを発動してみたり、軽く魔法を使わせてもらったり実験を重ねてみた。
わかったことが、
≪突進≫は目標に直進するアビリティであること、目標が動けばある程度曲がるけど自分の意識じゃ曲がれない。
≪突飛ばし≫は一歩分頭を前に出して突き飛ばすアビリティ。その場で発動できて突進と併用すると結構な威力の頭突きができた。
角を生成するアビリティは「角とれろー」って思ってたら割りと簡単にとれた、俺の覚悟、、、
そうそう≪二本角生成≫のアビリティは頭の横に太くて渦を巻くような角を一本づつ生やすアビリティだった。てっきりトリケラトプスみたく三角になると思ったんだけど羊らしい角だった。まあ、これはこれで≪薙ぎ払い≫を使ったときに頭を鈍器みたく叩きつけられるようになったからありだけど
あと、アビリティを使うとお腹がすく。生成したりするのは特に分かりやすくお腹がすく、餓死しないよう気を付けよう。そこらじゅうにご飯は生えてるけど食べれないくらい消耗したらまずいからね。
それで最後は≪属性付与≫、これは精霊さんに教えてもらったんだけど、これを使うと魔法を角から出すことができるようになるらしい。
最初は理解できなかったんだけど魔法を使ううちに理解できた。
普通に魔法を使うと俺から精霊にイメージを伝える、精霊が魔法を作ってすぐさま発動って流れで空中から魔法が出ていた。だけど≪属性付与≫を使うことで角に作ってもらった魔法を収納、俺のタイミングで魔法を発動することができるのだ!
何がすごいの?って思うけど精霊さんとタイミングを合わせるのが意外に難しい。ゲームで 移動と攻撃を別々の人が担当してるようなものだし、タイミングも「今!」とかじゃなく詠唱に組み込まなきゃ行けない。指定しないと適当に発動される。
魔法を使う精神力、エネルギーは使いすぎて鬱になったり気分が落ち込んだりはしないけど、心にあった熱がスッと冷める感じがある。たまにエネルギーが足りないと魔法が作れないと精霊から文句がくる。
今のところはこんな感じかな?パッシブアビリティについてはON・OFFがわからないから比較の使用がないしね。
『確認作業も終わった?それじゃあさっそく岩崩しといこう!さー、一発目だから気合い入れて詠唱たのむよ!』
よし!イメージもしっかりできたし詠唱も考えた!わが渾身の一撃をあの大岩にぶつけてくれよう!(あとテンションも高く維持できてる)
まず、≪一本角生成≫!次に詠唱!
『風よ、走る我が背に追い風を!≪ウインドブースター≫』
『我が角に纏いし荒ぶる風よ、砂塵を飲み込み穿つ敵を削りとれ!≪スクリューブラスト≫』
『我が角よ、我が身から離れし時、大気を吸い上げる核となれ、限界までその身に空気を宿せ!≪エアポケット≫』
詠唱完了!≪突進≫発動!走り出した俺に≪ウインドブースター≫を使って加速!岩に当たる瞬間≪突飛ばし≫と≪スクリューブラスト≫発動!
よし、根元まで刺さったし、ヒビも結構はいった!≪一本角生成≫を解除して分離、急いで離れる!
≪エアポケット≫は精霊さんに発動してもらう。角がはずれた時点で発動するように詠唱したから多分伝わってるはず!
シューと空気が吸われる音が止んだかと思うと
パンっ!
紙袋が破裂するような音が響く。
角が刺さった時点でピシピシと音を立ててヒビを走らせていた岩にさらにヒビがはいりついにヒビが全体まで達するとガラガラとあっけなく岩は崩れてしまった。
『やったぁ!割れたぁ!』
渾身の一撃とはいえ、まさか一発で壊せるとは
恐るべし『俺!』
『いやいや!僕の魔法もすごかったでしょ!』
俺の想像力あってだろ!すごいのは否定しないけど!
『だろ!?ふひひ!君の注文も分かりやすかったよ!
これでまた花が咲いて蜜が飲めるよ、ありがとう。そのときは一緒に飲もうね!』
おう!一緒にお花見しよう!
そうだ!また、たまにでいいから魔法を使って遊びたいんだ。普段どこにいるか教えて!
『心のなかで僕を呼びながら詠唱してよ!そしたらどこにだって現れるさ、そこに風か吹いてるならね!』
よ!さすが風の精霊!
『ふひひ!誉めても魔法しかでないよ!また遊ぼう!また岩が降ってきたときも助けてね』
、、、、、、、ん?いま岩が降るっていった?
『うん、性悪なドラゴンが花畑に岩を落としたんだ!自分が食べられないものを美味しそうに食べてるからって嫌がらせするんだ!ほんっとやんなっちゃうよねぇ』
ドラゴン!!!!!
≪ミッション達成≫
ミッション・精霊との交流をクリアしました。
ミッション・魔法を使ってみようをクリアしました。
ミッション・竜の大岩を砕けをクリアしました。
ビルドポイントが5加算されます。
現在のビルドポイントは7ポイントです。
精霊は魔法生産工場です。注文は正確に!
前にいってたほのぼのルート、もうそろそろ分岐させる予定です。サブタイに『番外編』と入れます。
友人にアクセス解析のことを教えてもらいまして『感想もブックマークもつかないし読んでる人なんていないだろう!ハハハ、好きに書こう!』って思ってたんですけど案外見てくれてる人いたんですね。
ビックリしました。
ビックリついでにルビとかつけるために編集しました。
ついでにアビリティ≪触媒化≫を≪属性付与≫に分かりやすく変えました。
読んでくれてるとわかると案外嬉しいもので、頑張ろうと思います。