目が覚めたら草原でした。
うん、まあ、短く済ませる。
長編とか途中でやめる未来しか見えないし、、、
書ききる努力をしようと思います。
あーーー、ポカポカして気持ちいー。
こんな風に日向ぼっこするなんて何年ぶりだろう。寝そうで寝てないこの感じ、、、きもちー、、、まぶたおもたーい。
暖かな陽気のなかで、草むらに寝転がる影がひとつ。目を細めピスピスと寝息をたてています。その姿は見ているだけで眠りに誘うように穏やかで時間をゆっくり進めてしまう。
ポカポカと温かい日差しにちょうどいいそよ風、風にあおられた草木がいい具合の雑音で、、、いつも使ってるα波とか快眠BGMとかとは比べ物にならないわ。ライブとか高級オーディオとかの違いはピンと来なかったけどこれならわかる、自然ってスゲー癒されるわー。
山向こうに見える太陽が頭の上を通りすぎて、3時の位置までやってきました。
さて、と、、、、そろそろ現実を直視するか。
サクサクと牧草を踏む小気味良い音とともに四本の足で大地にたちます。
はい、ここからもうおかしいね。なんで四本も足があるの?手ぇどこいった?
ゆさゆさと体を揺すってついた葉っぱを落とします。
よし、葉っぱ落ちたな。にしてももっこもこな体だな。白くてきれい。
キョロキョロと目を動かし自分の体についた葉っぱを落として少し満足したようです、きれい好きなんですね。
前見ながら体確認できるってすごいな、視野広いわ。これならおにごっこで死角から迫られることもないね。
前足を片方あげて足の確認、立派な蹄ですね。
白くて細めな足。二つに別れた蹄。
回りは草原、遠目に見える柵とその先に広がる森。さらにその先に山。
体ごとぐるりとゆっくり一回転して周りを見渡す。楕円に広がり草原と森を区切る柵とまばらに見える白い塊、山と反対方向に丸太を組み合わせたような木のお家。お家の側には森は広がってなかった。
察するにここは牧場なんだろう。そんで遠目に見える白い塊は家畜。
そして俺は草食動物特有の広い視野と蹄。白くてモコモコな体毛。
うん、俺羊だわ。
、、、、、、、人間だったよね?
そうです、彼は人間だったのです。そこら辺のお話は長くなってしまうので割愛しましょう。
はい、バッサリと!
俺の名前は、、、住んでた場所、家族、友達、会社、、、、ダメだ思い出せない。頭がぼやけてわからなくなってる。
これはもしかしてこれ、胡蝶の夢かな?
男が蝶々になる夢をみていた。蝶になる夢を見ているとき、蝶になっている自分は自分が人間であったことを忘れている。ふと目を覚ますと男は蝶になったことを忘れているのだ。つまり逆に考えると、人間である自分は実は蝶がみている夢なのではないか、というお話で。
つまり今覚えてる人間だった記憶は羊の俺がみてた夢?いやいや、なんで羊がオーディオやら漢文覚えてんのかって話で
はい、もう一回バッサリ♪
あー、考えるのが面倒くさくなってきた。ちょいと賢い羊でいいな、地球から謎の電波を受信して賢くなった羊。うん、そうしとこう。
うん、よく思えば羊だわ。じゃなきゃこんな軽快に四足歩行できないもん。完璧羊だわ。
そうそう!えらいえらい!ものわかりの早い子は私好きですよー。
おっほん。
さて、羊さんは一番近くに見える白い塊、お仲間の方に向かうようです。
情報収集のために一番近いモコモコに声をかけてみよう。こういうのは第一印象が大事だ、一人に悪印象を持たれればコミュニティ全体からも悪印象を持たれる。スマイルだスマイル。
あれ?羊のスマイルってなんだ?仕方ないから語尾高めでいこう!
「メェー」(こんにちはー)
「メェー」(こんにちは)
「メェ?」(ここはどこですか?)
「メェ?メェー?」(牧場ですよ?新入りさんですか?)
「メェーメェー」(そうなんだよ、ウトウトしてたらここにいたんだ)
「メェー?メェー!」(塀の外からきたんですか?それにしては見事な毛並みですね!)
「メェ?」(そう?)
「メェ、メェーー。メェー」(ええ、それだけ見事な毛ならたくさんご褒美がもらえるでしょう。汚さないうちに主さんに刈ってもらうといいですよ)
「メェー」(ありがとう、いってくる)
「メェー」(主さんは丘を下った先にある家にいると思いますよー)
「メェー」(ありがとうー)
ふう、印象は悪くなかったはずだ。だけど情報収集にはならなかったな。まあ、そんないきなり全部わかるほど都合よくいかないのもまた人生ってね!
とらあえず『主さん』ってのに会いに行くか、ごほうびも気になるし。
どうやらお友達ができたみたいですね。お友達の言葉にしたがって丘下のおうちに向かうようです。
おっと忘れるところでした。
≪ミッション達成≫
ミッション・羊と話そうをクリアしました。
ビルドポイントが1加算されました。
現在のビルドポイントは1ポイントです。
、、、、はい?