お互いに思った事
『もー!ロアンったら本当に変態だわ!』
オリーブオイルを私に掛けるわ、どさくさに紛れて胸も触られましたし、本当にロアンは変態で困りますわ。
私は機嫌が悪いまま滝がある場所に向かいました。
目的地に到着すると衣類を全て脱いで湖の中に入り、持ってきたシャンプーでオリーブオイルがついた髪を洗い、ついでに石鹸で身体を洗い、滝壺に入って一気に洗い流しました。
『ふー・・・癒させますわー・・・』
うん、気持ちがリフレッシュしました。
やっぱり水浴びは最高ですね。ふふっ。
そんな時にふと思いました。
そういえば、一人で水浴びをするのは久し振りかも知れませんわね。
ルナリアが産まれた頃には娘と二人で水浴びをしていましたからね。なんだか懐かしいわ。
確かあの時はロアンがまだ子供だった時に良く覗かれたりしましたっけ・・・その時は当然殴ったり風魔法で飛ばしたりしてました。
あ・・・思い出したらムカついて来ましたわ。でも、あれも良い思い出よね。
あんな馬鹿でも一緒に暮らしていたら好きになって、子供が欲しいとお願いしてルナリアが産まれ、ロアンがフェルを拾ってくれたお陰で娘が増えてより楽しい生活がありますからね。
今もロアンは昔と変わらなく馬鹿で変態ですが、私はそんなロアンの事を心から愛しています。
私・・・何を考えているのかしら?そろそろ水浴びを辞めて上がりましょうか。
◯
俺はルーナの事が心配で滝がある場所に向かっている途中だ。
何処かで倒れてないか心配だ・・・と、言うのもあるけど本音はルーナの水浴びを覗きたいから来た。
だって、考えてみ?今はルーナが一人で水浴びをしているんだぜ?普段なら娘達がいる中で覗いたら父親として駄目だが、嫁ならいくら覗いても良いだろう。だって夫婦だしうん。
そう思いながら森の中にある道を進み、
滝壺に近付いた所で草木に隠れ、そのまま滝壺がある場所に移動した。
『さて、あいつはまだ水浴びしているかなー?』
草木の間から隠れて滝壺に視線を向けると、
滝壺に入って身体を洗い流しているルーナの姿があった。
おー昔と変わらず綺麗な身体をしている。
230歳以上の年齢とは思えない程スタイルが良かった。胸の大きさも健在だ。
肌も白くて長い黄色の髪も神秘的で美しい。
まるで絵画を観ているような美しい光景だった。
『さて、満足したしそろそろ戻るか・・・』
帰宅しようとすると、背後から誰かに声を掛けられた。
『満足したってどういう意味かしら?』
『はい?』
振り向こうとすると、頭を思いっきり掴んでくるルーナがいた。
『ロアン・・・あんた覗いてたわよね?』
いつもより声が低くなっていて、頭が潰れそうになる程力を入れてきたからめっちゃ怒っている様子だった。
『いたいいたいいたい!!! まじでいたい!! さっきまで水浴びをしていたのになんで後ろにいるんだよ!?』
『瞬間移動の魔法を使ったわ』
そうだったー!ルーナは瞬間移動の魔法を使えるんだったー!!
俺はなんとか振り切ろうとする為に暴れ、ルーナの手が離れた所で言ってやった。
『娘達がいないんだし、別にいーじゃねーか。お前が子供欲しいって言った時なんて毎晩のように裸を見たから水浴びくらい見られても大丈夫だろ?』
そう言ってやると、ルーナは恥ずかしそうに両手で前を隠していたが、あの時を事を思い出したのか更に顔が赤く染まっていた。
『あ、あの時とこれは別よ!! ロアンの馬鹿ーーー!!!!』
ルーナが風魔法を唱え、俺は滝壺まで吹っ飛ばされた。最後にはルーナに捨て台詞を言われた。
『この変態!! もう知らない!!』
服がベショベショに濡れて重く、何とか滝から自力で上がって一息ついて空を見上げた。
『はー・・・昔もこんな事があったなー』
子供の時は水浴びを良く覗いてはルーナに吹っ飛ばされたっけ・・・。
昔の事をふと思い出して笑いそうになった。