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レイア軍曹は美しい
レイア軍曹は美しい紅い髪の若い女性だった。
10代後半程度の幼い顔立ちで、鼻筋がスッと通っており、陶磁のような美しい肌をした女性だ。
現代日本に生まれていたら、間違いなくアイドルになれただろう。
悟が密かにレイア軍曹を見惚れていると、レイア軍曹はスマートな動作で、こちらへやって来た。
「客室へご案内致しますので、わたしに付いて来ていただけますか?」
礼を言って、付いて行こうとすると、先ほどの男が声をかけてきた。
「失礼、お名前を伺っても宜しいかな」
「五条悟と申します」
「ゴジョウサトルか。わたしはオルレアン艦長のキース大佐だ。現在この艦はオーバ軍の追っ手に狙われている。君のために出来ることはほとんど我々にない。地球へ到着するまで、客室で大人しくしていてもらう」
なんだと? この艦が追われている? まさか戦争中なのか。
悟の返答を待たずに、キース大佐は船員に指示を出しながら、去っていった。
「ゴジョウさんこちらへどうぞ」
命の危機を感じ、不安に体が冷や汗をかいている中で、レイア軍曹の美しい顔だけが、唯一の救いだった。




