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飛龍のゲーム大会4

 しばらくして飛龍がなんだか残念そうにリュウとタニの元へと戻ってきた。

 観客であった従業員達はオーナーの怒りを買わないようにそそくさと波が引くように去ったようだ。今は誰もいない。


 「あーあー、つまんねぇの。」

 「飛龍、お前、オーナーに呼び出し食らってたが大丈夫だったのかよ?」

 リュウは不安げに飛龍を心配していた。


 「え?ああ、別に。……『お前は女の子なんだから男相手に無理な事はするな、ケガして傷になったらどうするつもりだ。』だってさ。あたしは指で数えられるくらいしか負けてねぇのに。」


 「ああ?心配されてんじゃねぇか!なんで残念そうなんだよ。お前。」

 リュウは呆れた顔を飛龍に向けた。


 「だってさ、あたしは厳罰を期待して行ったのに……。」

 「相変わらず頭がブッ飛んでんだな。お前。」

 リュウが再びため息をついた時、飛龍が大きく伸びをした。


 「ったく、オーナーは優しすぎんだよ。ま、いいや。あたしはこれからこのフロアの整備に入るからお前ら、もう用済みだわ。」


 「さんざん暴れといて用済みとか言うなよ……。これから殺されそうじゃねぇか俺様達……。」

 リュウは脱力しその場に膝をついた。


 飛龍はリュウとタニに手を振るとルンルンと歩き出した。


 「飛龍さんの頬、真っ赤でしたね。これは恋です!」

 「あ?なんだよ、いきなり。急に元気になりやがって。」

 タニは興奮気味にリュウにささやいた。


 「飛龍さん、きっとオーナーに心配されてとてもきゅんときたんですよ!きっと!間違いないです!恋です!これは恋なんです!」


 「あー……女ってこういう話題好きだよな。直接どうなのか聞いて来いよ。おら。」

 リュウは頭を抱えながらタニの背中を押した。


 「え?い、いや……いいですよ!もうトラウマだらけですから……。」

 タニは慌ててリュウの影に隠れた。


 「ん……ああ、なんか悪かったな。色々と。」

 リュウはとりあえずあやまってからタニの頭をポンポンと叩いた。


 こうしてタニはまたもトラウマを植え付けられる事となった。

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