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飛龍のゲーム大会2

 スイカを食べたタニとリュウは足取り重く、竜宮のバーチャルアトラクションが固まっている広い建物内に向かった。このバーチャルアトラクションの建物はかなり近未来的に作られており、ガラス張りの六角形のビルだった。そのビルから渡り廊下で宴会席と宿泊施設へと行ける。


 タニとリュウはビル内へと入りロビーを抜けて二階へのエスカレーターに乗った。


 「あ、あの……本当に私じゃ死んじゃうんですか?」

 タニがリュウのげっそりとした顔を眺めながら恐る恐る尋ねた。


 「間違いなく死ぬな。ま、俺様も一緒に死んでやるから竜宮の伝説になろうぜ!」

 「そ、そんなのいやですよ!」

 タニが涙目で叫んだ時、エスカレーターのドアがバッと開いた。


 「……っ!」

 エスカレーターの向こう側はコロッセウムのような闘技場だった。


 「よう!待ってたぜ!難易度は最上級にしといた!ははっ!デモプレイだ!楽しもうぜぃ!」

 闘技場の真ん中に狂気的に笑っている飛龍が立っていた。


 「何がデモプレイだよ……。本当だったらお前のアトラクションなんてツアーに絶対に入れねぇんだがなぜか人気なんだよな……。」

 リュウが死んだ顔で頭を抱える。飛龍は楽しそうに指を鳴らした。


 刹那、タニ達の頭に緑色のバーがバーチャルで浮かんだ。


 「はーい、ゲームの説明するぜぃ!この緑のバーはヒットポイント!HPだ!これがなくなったら終わりな。よし!じゃあ始めるぜ!」

 「はやっ!」

 飛龍があっという間にゲームの説明を終わらせたのでタニは思わず声を上げてしまった。


 「ぼさっとしている場合じゃないぜ。」

 飛龍はもうその場におらず、タニのすぐ後ろから声をかけてきた。


 「え……っ!」

 タニが振り返ろうとした刹那、リュウがタニの手を引き、空高く飛んだ。


 「きゃあっ!」

 リュウがタニを抱きかかえつつ、闘技場の真ん中あたりに着地した。


 「な、何?なんですか?」

 「お前、戦闘の経験は?」

 リュウがタニを下ろし、早口で聞いてきた。


 「え?戦闘?」

 「戦闘の経験はあるかって聞いてんだ!あるのか?ねぇのか?早く言え!」

 「な、ないですっ!」

 「まじかよ……。」

 リュウが舌打ちしながら再びタニを引っ張る。タニは乱暴にリュウに引っ張られた。


 「な、何ですか?さっきから!」

 「お前、何にも見えてねぇのか。」


 風だけがタニの横をかすめて行った。休む暇もなく、今度はタニの下から風が吹いた。今度ははっきりと風が見えた。飛龍が狂気的な笑みを浮かべながら拳を突き上げてきていた。


 「……っ!」


 「ボケっとしてんじゃねぇよ!」

 リュウがタニを引っ張り飛龍の攻撃をかわす。


 飛龍はまたその場から消えた。するとすぐに辺りに沢山の竜巻が発生した。


 「え……?なんですか?これ竜巻?」

 「あいつが起こした竜巻だ。あいつ、風の神でもあるからな!」

 リュウが叫んだ刹那、タニが竜巻にさらわれて飛ばされた。


 「きゃあああ!」

 「ゲッ……タニ!」

 タニが空高く舞う。空中で動きが取れないタニに飛龍がバレーボールのスパイクのように叩きつけようとしていた。


 「……!」

 咄嗟にリュウが空を飛んでタニを庇う。飛龍の手はリュウの背中に当たり、リュウは勢いよく地面にたたきつけられた。


 「ぐあっ……!」

 リュウは痛みに顔をしかめながら立ち上がり、落ちてくるタニを受け止めようとしたがバレーボールのトスをしてしまった。


 「げっ……やべっ……反射でバレーボールやっちまった……。あいつボールみてぇだから……。」


 「いやあっ!」

 タニは再び空へと舞った。飛龍はリュウから上がったトスに笑いながらスパイクの構えを取った。


 「私はボールじゃありません~……。」

 「あー……もう……。」


 リュウは頭を抱えながら再び飛び上がった。飛龍の掌打を手に持った柄杓で弾く。しかし、飛龍はそのままリュウの腹に回し蹴りを食らわせた。


 「がっ……!」

 リュウは勢いよく飛ばされ、闘技場の壁に思い切り激突した。闘技場の壁が壊れるほどの衝撃だった。

 タニはそのままダイレクトに地面に落ち、怯えた表情で空を浮いている飛龍を仰いだ。


 「す、すごい衝撃……リュウ先輩が死んじゃった!」

 「勝手に殺すんじゃねぇ!」

 リュウはボロボロの体でタニのそばまで寄りタニの手を掴み飛龍から離れた。


 「リュウ先輩……なんで生きているんですか!」


 「お前は俺様を殺したいのかよ……。これくらいじゃあ死なねぇが……そこそこのダメージだぜ……。あのアマ……なかなか本気だな。」


 「私なら死にます!絶対死にます!」

 「偉そうに言うんじゃねぇー!」

 なぜか自信満々なタニにリュウは必死な顔で叫んだ。

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