押し入れを開けたら、美少女幽霊がいた
「はぁ、やっと家財道具は運び終えたな…」
俺の名前は真人。今年の春から大学生になり、とあるアパートに一人暮らしすることになった
ようやく親から離れて一人暮らし出来た…これからは誰からも干渉されずに暮らせるんだ!!
ヒーハー!!
……………
……………
なんかむなしくなってきた…
「衣服を押し入れにいれるか…」
ガラッ
「あ」
「あ…」
押し入れを開けるとなんか白装束の女の子が
「あ、こんにちは」
「ど、どうも…」
「お茶飲みます?」
「え、はい」
こぽぽぽ…
「どうぞ。粗茶ですが」
「お構いなく」
「…………………………」ズズズ…
「…………………………」ズズズ…
「ちょっと待ってください!?」
「え?どうかしましたか?」
「わ、私がいることに疑問は感じないんですか!?」
「『あぁ、いるなぁ』と思ったけども」
「それだけ!?」
「えーとじゃあ誰ですか?」
「私は幽霊です!!」
「へぇ…」
「反応薄っ!!幽霊ですよ。怖くないんですか?」
「怖いです」
「あまりそうは見えないんですが」
「押し入れ開けたら、知らない人がいるというのは恐怖以外の何者ではないですよ」
「そっちの意味でですか」
「ところで幽霊さん。なんであんなところに?」
「なんでって…私はここに住んでいるんですよ」
「それは困った。今日から俺が住むのに」
「私は地縛霊だから、ここから離れられないんですよ」
「じゃあ一緒に住めばいいか。幽霊さん可愛いから」
「か、可愛いだなんて…///」
照れてる幽霊さん可愛いなぁ
「ところでお兄さんの名前は何というのですか?」
「俺は真人。幽霊さんは?」
「私は霊子と言います」
「ずいぶん安直な名前ですね」
「……………」プクー
「あぁ、霊子さんが頬を膨らませてる」
「真人さん、私をいじめないでください。呪いますよ」
「それは困るなぁ」
「ダメです呪います。ひゅーどろどろ」
「ひゅーどろどろ言うの可愛いな」
「あぅ…///」
「でも、自分で言ってるところはバカみたい」
「さっきの乙女の恥じらいを返せ」
~~~~~~~~~~~
「幽霊ってことはなんでもすり抜けちゃうんですか?」
「はい。物は普通に、でも触れるものは触れます」
「じゃあ霊子さん自体は触れるんですか?」
「どうでしょう…ちょっと触ってもいいですよ」
「どれどれ」
ドスッ!
「あ」
「っ……………!!」
ドサッ…
~~~~~~~~~~~
「すいませんでしたあああああぁぁぁぁぁ!!」
俺は全力の土下座をした
「うぅ、まさかみぞおちを殴ってくるなんて…ヒドいです」
「どうせすり抜けると思ったから、試しに殴るふりをしていたのにまさか入るとは」
「普通に触るとかしてください…」
「じゃあ普通に触ります」
むにっ
「はぅ///」
「おぉ、柔らかいほっぺだ」
「は、はふはひぃれふ…///」
なにこの幽霊可愛い
「ちなみにオッパイ&お尻タッチ許されるだろうか?」
「したら呪いますよ」
~~~~~~~~~~~
「霊子さんの着ている服は白装束なんですね」
「はい、これが幽霊のステータスですから」
「でも地味だなぁ…」
「仕方ないです。死んでる人にファッションとか意味ないですから」
「よし、せっかくだし霊子さんの服でも買いに行くか!」
「え?いいですよ。別にこのままでも(汗)」
「だってこれから同居するってのに同居霊の服ぐらい買わないでどうするんですか」
「えぇ…でもお金とかは…」
「そんなの気にしないでください。ちょうど家具とかいろいろ買いに行くのでそのついでで。それに…」
「それに?」
「霊子さん可愛いから、その服じゃ可愛さが台無しですから」
「か、かわっ…///」
「あと、夜中に起きたらそばに白装束いたら怖いですから」
「そっちの方が理由が大きい気がするんですが」
「いえいえそんなことはww」
テクテク…
「わぁ、外に出るのは久しぶりですよ」
「霊子さんは外に出たことないんすか」
「外に出ても誰も相手してくれないので、死んでから一度も外に出たことないです」
「なるほどそれでニートしてたと」
「ニート言うな!!」
ファッションセンターし●むら
「それじゃあここで霊子さんの服買いますか」
「わぁ…着てみたい服がいっぱいです」
「ではお好きなのをお好きなように買ってください」
「ダメです。真人さんの財布に合わせた服を買ってきます。」
「律儀すぎる霊子さん可愛い」
シャッ
「おぉ…」
試着室から霊子さんが出てきた
「ど、どうですかね?」
ヤバい、素直に可愛い。彼女にしたいくらい可愛い
「まぁ、いいんじゃないんですかね///」
「あれ?どうして後ろ向いているんですか?」
「お兄さんの息子さんが伸びの運動をしておりますゆえ」
「真人さんは息子さんがいるんですか?」
「全国の男は愚息を持ってるものなんです」
「すごく楽しかったです!!」
「それはよかった。買っといたかいがあったもんですよ」
「えへへ…似合いますか?///」
霊子さんはその場で一回転
「ヤバい、可愛い」
「はぅ…可愛いですか…?///」
「やっぱり霊子さんは白装束より、女の子らしい格好が似合いますよ」
「えへ、ありがとうございます♪」
「これで夜も安心ですね」
「やっぱりそっちの理由ですか!」
「ちくしょうバレたか」
「わ、私ってそんなに怖いですか…?」
う、上目遣いとか反則だぞ!!///
~~~~~~~~~~~
「さて、家に帰ったところで夕食と風呂の用意をしなければならない」
「それじゃあ今日は私が夕食を作ります」
「え、マジすか?」
「私、料理には腕がありますので任せてください」
「あ、霊子さん」
「なんですか?」
ガッ
「あ」
「~~~~~!!」
霊子さんはおもっきしふすまの角に小指をぶつけた
「俺も手伝おうか?と言おうと思ったら、タイミングが悪かった」
~~~~~~~~~~~
「はい、出来ました」
「おぉ!!これは美味しそうだ」
霊子さんが作ったのはご飯と肉じゃが、そしてワカメの味噌汁
「真人さんの好みに合うか分からないですけど…」
「いやいや、肉じゃがとか好きですから、それじゃあいただきます」
パクッ
「美味い!!」
「ほ、本当ですか?」
「いや美味いっす。これならいくらでもいけます」
「あ、ありがとうございます///」
「あ、そういえば霊子さんはどうやってご飯食べるんですか?」
「皆さんと普通に同じですよ。こんな感じに」
スウゥ…
「ぎゃあ!!肉じゃがが幽体離脱した!」
「幽霊差し置いて、怖がらないでください」
「でも、なんでこんな事が出来るんですか?」
「お供え物と同じでこうすると食べられるんですよ」
「なるほど、わからん」
「えぇと…つまり墓の前にお供え物置くのと同じなものです」
「あぁ、なるほどね。それにしても不思議ですね」
「何がです?」
「俺はなんで霊子さんに触れるんだろ?」
「真人さんは霊感が強いんですよ、きっと」
「いらんスキルを持ってたんだな俺」
「でもそれがなければ、私が見えなかったんですよ?」
「そうかもしれないなぁ」
むにむに
「だかひゃ、ほほはつかまにゃいでくらはい…///」
~~~~~~~~~~~
ガラガラ
「お風呂ありがとうございました」
目の前にはパジャマ姿の霊子さんが
「おぉ、パジャマ姿も似合うな」
「あ、ありがとうございます///」
「ところで霊子さんはどこで寝るんですか?」
「いつもは押し入れの中に…」
「それじゃあ俺のベッドで寝てください」
「え?でも真人さんはどこで…」
「俺はドラ●もんみたく押し入れに寝ます!!」
「い、いいですよ!真人さんが可哀想です(汗)」
「女の子を押し入れに閉じこめる方が可哀想ですから」
「でも…じゃあこ、これはどうですか?///」
「?」
「い、一緒に寝る………なんてどうですか?/////」
「Oh…」
~~~~~~~~~~~
モゾモゾ…
「さ、寒くないですか?///」
「大丈夫だと思わざると得ないとも思わなくもないです」
「言ってることがめちゃくちゃですよ?」
「大丈夫です」
だ、大丈夫じゃねぇ!!こんな可愛い女の子(死んでるのだが)と寝るなんて息子が起き上がりそうだ
『こんばんは』
起きてくんな!!
「………なんでですか?」
「え?いやっ、これはこの息子が勝手に…(汗)」
「なんで私に優しくしてくれるんですか?」
「え…?」
「私みたいな幽霊は嫌われて当然なのに、真人さんはどうしてそんなに優しくしてくれるんですか?」
「う~ん、だって幽霊でも元は人間ですから。嫌う理由なんて俺にはありませんよ」
「でも…怖くないんですか?」
「怖くないですよ、むしろ可愛いです霊子さんは」
「あうぅ…///」
「だから、俺はそんな霊子さんが女として好きですよ」
「!!それって…」
「はい…俺と一緒にいてくれませんか?」
「で、でも…私は幽霊で…」
「それでも好きなんです、霊子さんが」
「~~~~~!!/////」
「そ、それじゃあ…よろしくお願いします///」
「はい」
「でも後悔しないでくださいよ?」
「どっちが。取り憑いたのは霊子さんですからね」
「ふふ、そうですね。でも浮気なんかしたら呪い殺しますからね」
「どんとこい!」
「真人さん」
「ん?」
「死ぬまでずっと一緒ですからね♪」
なんとなく書いたやっつけ作品でしたww
短編なので展開が早すぎるのは目をつぶっててください
ところでどことなく霊子さんの設定が分かりにくいので、ここで書いておきます。
○地縛霊なのに外に出られる
○幽霊なのに主人公は触れられる
○なぜか痛覚がある