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S3−7


「そうなるように、勉強しとるんよ。」


「えーっ!いいやーんっ!

 二人の関係カッコいーっ!」


「何だよ。すげーやんか。

 よっしゃ分かった。俺ら、応援するけん。」


「うんうん!全力で応援するっ!」


「やけん、もう避けるとかすんなよ?

 俺と重田は、お前らの

 ファン1号やけんな。分かったか?」


「······」


「うんって言っとけ、唱磨。

 ファンがいるのといないの、

 全然違うって。しかも俺ら、

 幼なじみやん。心強いけん?」


「······

 お前ってホント、ゴリ押しやな。」


「ははっ。それそれ。やっと分かったか。

 そうやって笑っとけばよか。」



······良かった。

一気に、空気が柔らかくなった。


不思議なんだよね。

唱磨くんが笑うと、そうなっちゃう。



「勉強で思い出したっちゃけど、

 来週期末やけん部活ないっちゃが。

 遊ぶなら今の内やけんな?」


「いや、勉強しろ。」


「そうやった!期末やん!忘れてたぁっ!」


「······お前らなぁ。」



そのやり取りに、ちょっと笑えた。


夏芽が頬を緩ませていると、

三人の目が向いて笑顔になる。



「小野田って、勉強もできるけんな。

 すごいと思わん?お前ら見習え。」



ちょっ。さっきから唱磨くん、

自分の評価上げまくってない?



「確かに夏芽、頭よかもんね!」


「い、いや、そ、そんなこと······」


「おー。そういうお前は、どうなんよ?」


「まだまだやけど、俺も同時進行で

 勉強しとる。」


「ねぇねぇ!今度の土曜日に

 みんなで勉強会せん?町立図書館で。」



えっ?勉強会??



「おーっ!いいやん!」


「はぁ?別に、みんなでやらんでも······」


「教えてほしいっちゃんね!ほら、うちら

 勉強ダメダメやから!」


「そーそー。教えちゃってん。コツとか。」


「······コツって······」


「教えてください、夏芽さま!」


「ゆ、悠乃······」


「みんなで成績アゲアゲ作戦しよーや!」



思わず夏芽と唱磨は、顔を見合わせた。



勉強会と言っておきながら、悠乃と怜央は

遊ぶ気満々だという、暗黙の了解。


ダメだと言っても引かないだろうと。



「······勉強会、やけんな?」


「はい!」


「頑張りまーす!」


「勉強教えるとか、したことないけど······」


「分かるまでよろです!」


「俺も真面目に頑張りまーす!」


「······分かった。いいよ。」


「······自分も。」


「うわぁいっ!」


「よっしゃーっ!」


「でも基本、自主勉強やけんな?」


「もちです!」


「図書館は静かに!分かってまーす!」



押し切られた感があるけど。

ちょっと、楽しそうかも。



「的野くん、スマホ持っとる?」


「うん。最近、持たせてもらった。」



えっ、そうなんだ······あれっ?

“今のところ必要ない”って、言ってたのに。




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