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S2−21


「すっかり仲良しね。」



ニヤニヤしながら言ってくる沙綾に、夏芽は

顔を真っ赤にさせて言葉を返す。



「来た時、本人の前でママが

 変なこと言うから気まずかったっ!」


「あら。何も変なこと言ってないわよ?

 なっちゃんが、とーーーーっても

 嬉しそうだったなって思い出して、

 見たまま言っただけ。今さっきだって。」


「そういうの、今度から言わないで!」


「うふふ。はいはい。ごめんなさい。」



ただ簡単に繋げたくないというか。

楽友っていう、特別な関係を

大事にしたいというか。


とにかく普通に、決めつけられたくない。



押し黙って頬を膨らませていると、

噴き出して笑われた。



「ごめんね。あまりにも可愛くて、つい。

 その王様ブロッコリーマン、はるくんに

 届けにいきましょっか。」



頭なでなでされて、背中を押される。



ママは、ずるい。その必殺技で、

どんなに怒ってても

自分を落ち着かせてしまう。


そして、立ち直らせてくれるから。

どうでもよくなっちゃうんだ。



「自分たちは、楽友なの。」


「楽友、ね。とても素敵だわ。」


「特別なんだから。」


「特別ね。うふふ。はい。分かりました。」





リビングに戻ると、大翔は窓際に立って

景色を見つめていた。


沙綾と目を合わせ、頷くと

夏芽は、ゆっくり近づいて声を掛けた。



「大翔。」



これまでは、呼んでも

振り向いてくれなかった。


でも、今は。



「遊びに来てくれたよ。」




大きなブロッコリーマンのぬいぐるみを、

大翔の目の前に差し出した。



手に持っていたキーホルダーは、

離すだろうと思っていた。


しかし、それを持ったままで

彼の両手が、それに触れる。



ぬいぐるみと大翔の背丈は、

あまり変わらない。

重さも、それなりにある。


全てを預けていいのか

夏芽は迷ったが、そっと手を離した。



しっかりと、大翔は両腕に掴む。


その姿が、ハグしているように見えて

微笑ましく思えた。



「良かったわね、はるくん。」



思わず沙綾は、ぬいぐるみごと

彼を抱き締める。



「これから、一緒にいてくれるよ。はる。」



夏芽は笑みを浮かべて

彼の目を覗き込み、頭を撫でた。



自分を映す、大きな瞳。



その中に揺らぐような光が見えた気がして、

目を凝らした。


しかし、しばらく窺っていたが、

何も起こらない。



気のせいかな。

でも、確かに見えた。



今は、何も浮かばない。


まだ、何も。



でも、いつか。


自分たちに、きっと。



笑顔を浮かべてくれる日が、

来るはずだから。












Sinfonia2終わりです。

ここまで呼んでくださり

本当にありがとうございますm(_ _)m。・゜・゜・。∞

反応いただけてとても嬉しいです(*^^*)♪

これからもお時間の許す限り

よろしくお願いします。


少しお休みして

再び朔耶くんの所へ行きます☆☆☆。・゜・・゜・。

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