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06話 ルミーの眼光が鋭すぎますわ!!

ララの中、つまり俺を指しているわけだが、その俺に向ける眼光の鋭さに、思わず目を背けてしまう。


「何を言ってるのかしら?」


俺の、ララの表情が見えないようにルミーに背を向けそう返す。

この時の俺は、28年間の浅い脳みそでこの状況の打開策を考えていた。

しかしルミーはそれらを全て破壊する口撃を仕掛けてくる。

一度息を吐いた…。


「とぼけても無駄ですよ。私が誰だか分かっているんですか?」


言葉を返そうにも返せない…とてつもないヒリついた緊張感を感じる。


「私はこの屋敷で唯一!ララ様のそのあられもないお姿を!誰よりも近く堪能できる専属メイドです。貴方がどこの誰だか知りませんが…貴方がララ様の事で私に勝てるとお思いですか?」


……。

やっぱダメだ!!勝てない!!

そりゃそうだよいきなり今日コイツの身体に入ったヤツが専属メイドに太刀打ちできるわけないって!!

ってか言い方のせいでララに対する下心があるように感じたのは気のせいか…?


「旦那様や奥様、執事長は騙せても、私のこの鋭い自慢の眼から逃れる事は出来ませんよ」


妙に鋭いと思ったがやっぱ自信あったのかー…。

はあ…万事休すか…。


こうなれば仕方ない。

負け戦にこれ以上無駄な動きをしても死体蹴りされる未来が見える。

大きくため息を吐き、ルミーの方を向く。


「分かった、全部話すよ」


その口調は、ララ・フォンティーレ・エレクトラとはとてもかけ離れたものだった。




_____というわけだ…」


俺はルミーに全てを話した。

俺が元々この世界の住民では無い事、一度死んでこの世界に転生した事、そして何故か翌日にはララ・フォンティーレ・エレクトラの中に入ってしまっていたこと。

とても下手な説明だったと思う。

だけどルミーはその鋭さと頭の回転の良さからなのか、瞬時に理解したように、

「ふむ、異世界転生…ですか」


「知ってるのか…?」

「ええ、聞いた事はあります」


眼を閉じ、考えながら話す彼女を思わず見つめてしまう。

改めてみるととても綺麗な人だ。

真顔だけど凛としていて、誰よりも頼もしく感じてしまう。

ララから見てるからそう見えるだけかもしれないけど、今日初めて会ったはずなのに…。


「この世界にそういう別世界から来た人間がいる、という噂ですよ」


噂…もしかしたら俺以外にもそういう人がいるのか…?

まあこの世界の神様曰く〈運のいい人〉は転生できるらしいし、いる可能性の方が高いか。


「どうです?貴方の住んでいた世界から見て、この世界というのは」

「そうだな、一日ちょっとしか居ないけど…とてもいい所だと思うぜ。多分貴族だからってのもあると思うが、あんな美味い飯は初めて食べたぜ…!!」


やっぱアレが毎日毎食食えるってのは最高だと思うんだ。

これに関しては"長身イケメン"じゃ無理だったし、ララに再転生したのもある意味正解だったのかな?


「あー、あれに関してはフォンティーレ・エレクトラ家だから、ですね」


歴史書にもあった通り元フォンティーレ国っていう国の王族だったらしいしな。

そんな色々な国が合併っていうの?…統合か!

今の王族はさぞかし良き食べ物を食べているんでしょうねぇ…。


「というか、なんで私相手に誤魔化せると思ってたんですか」

「うぐっ!!?」


こ…これに関しては出会った場所が悪いとしか言いようがないだろ!!

ララの自室で会うならともかく、図書館で、他に誰かいるかもしれない環境じゃ無理があるって!

中身男だから余計に言えないし…。


「ば…場所が悪かった…」

「それはそうですけど」


そんな可哀想な目で見るのはヤメテ!!

お嬢様の演技そんなヘタクソだったかな…?


「そっんな似てなかった?俺」

「いや、喋り方とか一緒でしたけど…」


けど…?

けどなんだよ、何が違うんだよ。

しっかり参考にするから教えてくれよ。


「そもそもララ様は髪をセットした程度でお礼なんかしませんよ」

「……。それは教育の問題では??」


それ俺悪くなくない?

貴族のお嬢様だからこそ礼儀を重んじるというか…むしろ社会人にもなるとそれは当たり前だから癖というか…。


「ひ…否定できない…」


いつの間にか冷や汗ダラダラになって目線を外し始めるルミーさん。

やっぱアンタにも非があるんじゃねーか!!

…ていうか、今はそんな事よりも他に聞きたい事があるはずだ、お互い。


「それより、聞きたい事があるんだが」

「なんですか」


俺が転生者だと分かったからか、ララを演じてた時よりも真面目に俺の話を聞いてる気がする。


「俺は言ってしまえば何も知らない状態でこの世界に落とされたわけだ。この世界の事、図書館で調べる時間があれば知る事は出来るが…ステータスの事、これに関して今すぐ教えてもらいたい」


俺の予想でしかないが、ルミーは頭がいいし記憶力もいいはず…!

ステータス関連の事は本で調べるより誰かに聞いた方が分かりやすいのではと思ったまでだ。


「ええ、いいですよ。ちょうど私も同じ事思ってましたから」


この世界の"基盤"であると思われるステータス値、本を見て時間を掛ければ覚えれるかもしれない。

だが学園に入るまで1ヶ月しかない事、ララが色々後回しにしたせいで自由時間がほとんどない事。

本を読む時間をスキップできるならそのほうがいい。

あと気になった事だが…転生者にしか見えない本の事もルミーに話せばなにかわかるかもしれないな。

あの本にはララの未来の事が書かれてあった。

多少なりともルミーの知識は未来のララの自殺を止める手立てのヒントになるかもしれない。


「それで、ステータス値の事ですね。確かに貴方の思う通り、本で読むよりは私に聞いた方が時間の短縮になります。それとより深く考え覚える事が出来るでしょう」

「本だと分かりにくいって事か?」

「まあ、目の前にバンッって出てくる"概念みたいなヤツ"を文字で長々説明されてもすぐ理解できます?」

「……」


出来ないわ。多分軽く一週間使うわ。


「ではまずステータス表出してもらえます?」


こうして、夕飯まで残り30分ちょいの時間。

ルミーによるステータス表に関しての知識を教わる事になった。

忙しくて更新ペースががが...

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