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05話 再転生初日からハード過ぎますわ!

部屋に戻ってすぐドレスに着替える。

いや、普通に暑いんだが!?

踊ったら涼しくなるか…?

でもレッスンだから余計暑くなりそうなんだが…?

そういえばこの国の今の気候ってどうなんだろうか。

普通にパジャマで出歩いても寒くはなかったし、暑くも無かった。

屋敷内だからそう感じるのか、それとも何かしらのスキルが影響しているのか。

来月行われる、えーっと?ルミーが言ってた…。

『メインステイ学園の懇親パーティ』か。

その時はこのドレスが丁度いい気候になってるかもしれない。

てか、そう信じよう。


こう考えている間、ルミーはララの髪型をセッティングしている。

俺自身は何も言わなかったが、素早い手付きでララの髪をアイロンで巻いている。

なんだ、縦ロールだったのか、ララの好みって。

俺女の子の髪型とかあんま詳しく知らないけどさ。

前から思ってた…髪にアイロン使うのって髪痛まないのか?

まあ…ララなんでそんな事言わないけどさ…。


「はい、出来ましたよ」

「ええ、ありがとう」

「…」


一瞬ルミーの動きが止まったように感じた。

ついでにちょっとした視線も感じたような…。

なんか変なことしたかな俺。


「それじゃあ、ダンスレッスンの部屋まで行きますよ。ちゃんと"ララ様の事考えて"近くの部屋にしときましたから」


"ララ様の事考えて"ってそんな強調して言わなくてもいいじゃないっすか?

なんかそれの手配がまるで大変だったみたいな…。

ごめんなさいねなんかね…頼んでないけどね。


ルミーの後をついて行き、さっきとは逆方向へ向かう。

ダンスレッスンの部屋は自分の部屋から二つ隣で、確かに近い…。

ルミーが部屋のドアをノックし、扉を開ける。


中はとても広い。

ララの部屋と間取りは一緒だが私物が何もなくとても簡素となっている。

ダンスの講師の方、あー…なんかいかにも厳しそうなオバサンですね…。

これからビシバシ鍛えられるんだろうなぁ…。

まあこれもララ自身が招いた事だし、俺自身もララだけど私悪くないですよ感出しておけば気が楽になるな。

さーて、2時間頑張るかー。



2時間後・・・



- ララの部屋にて -


「お疲れ様です……大丈夫ですか?」


くっそ…ありえん疲れたー!!!

これが大丈夫に見えるか!?

今俺はララの自室のベッドでうつ伏せになっている。

正直起き上がれん…。


「不思議ですね、返事がありません。もしもーし、生きてますかー?」


ちょっと!ベッドごと揺らさないで!

いや…割とマジで動けん…!!


「その格好だと布団がララ様の汗で大変な事になりますよ?」

「それを早く言いなさいよ!!」


思わず飛び上がった。

そう言えばそうだったわ!?

この格好めちゃくちゃ暑いんだった!!


「なんだ、想像以上に元気じゃないですか。心配しましたよこちとら」


そんなほっそーい目で見なくてもいいじゃないですか、ルミーさん?

ダンスはまあ懇親会のダンスという事で、俺が想像しているような社交ダンスだった。

ララ自身の運動神経がいいのかどうか分からなかったが、多分なんとかなったと思う。

それよりも俺はとんでもない事に気付いてしまった…。


ララの体力、無さすぎる!!!


こいつ普段から走り回ってんじゃないのか?

それにしてはたった2時間で電池切れ間近って、流石におかしくないか??

てか体力ってステータス表のどれだよ!!

体力ゲージとか一切無いからどこをどう目安にしていいか全くわかんないんだが!!?


「それじゃあ、着替え用意しといたんで」


いや、着替え方分かんないっすよ?

今ララが着てるこの服着せたのあんたでしょ?


そんな視線をルミーに向けると、大層めんどくさそうな顔をして


「はいはい、分かりましたよー」


ははは、めっちゃ棒読みだな…。

着替えている間、ピョコンッ!という効果音と共に『レベルが上がりましたわ!』という音声が聞こえてきた。

さっきのダンスレッスンの報酬かな?

少し落ち着いたから今その通知が来た感じかな?


ダンスレッスン報酬 器用 01ポイント獲得成功

器用ポイント 05 → 06


1回のレッスンで獲得できたんならこれ1ヶ月続くから結構貰えるのでは?

それに礼儀・作法のレッスンなら礼儀ポイントが貰える可能性あるな…。

考えているうちに、別のドレスに着替えられていた。

礼儀・作法だし、メインステイ学園生活での服装だろうしな…。

え、てことはこの服装で学園行くの??

えー普通に暑いんですけどこの服…。

さすがに夏服があると信じたい。


「この1時間、しっかり休憩してくださいね」


言われなくてもしますよっと。

ベッドの足元付近に座り、そのまま手を広げ仰向けに倒れこんだ。

あーベッドふかふかー。


「…時間になったら起こして」


しっかり寝て休憩しよう…。


「……」



約40分後・・・


「ララ様、時間ですよ」

「ん、あー、はいはい」


うん、まあ多分回復したかな?

少なくとも細町悠馬、社会人時代の睡眠よりはよく休めたよ。


「移動しますよ。ダンスレッスンの部屋と同じ場所ですから、良かったですね"近くて"」


だからその"近い"ってのを強調しなくても…。

さて、俺が知ってるような礼儀・作法だと助かるんだが。



1時間後・・・



よし、何とか終わったぞ…。

やっぱりララ様体力無いわ!!

たかが礼儀・作法の為にお辞儀だとかスカートの持ち上げ方とかしかやらないのに普通に疲れてんだが?

あれかな、ララがやりたくない事だから体力減りやすいのかな?

そうだとしたら困るんだが…。


「よかったですよ、普通に」


それでも普通。

まあまあ、これからですよこれから…。


「では今から…えー、運動の時間なんで。どうぞお好きにして頂いて」


そんな事言われても困る。

そういえば礼儀・作法の成長ポイントは無しか…。

やっぱ絶対にポイント獲得できるわけじゃないんだな。


「やる事が思いつかないならいつも通り走ってみては?」


そうするかー、確かに思いついてないし。


「屋敷内だったらどこを走ってもいいですから」


家から出なきゃ大丈夫って事ね。

まあでもなるべく他の人に迷惑かけないようにしないとな。


「よーい…どんっ!」


自分で小さく掛け声をかけて走り出した。

やっぱりステータス値の【素早さ】が高いのもあって速く感じる。

しかもララの視線が低いから余計に速く感じた。

車高の低い車乗ってるみたいな感覚だ。

ただ…ララ様体力無いからそこが心配なんですが!?


気が付いたら目の前に階段が出てきたから大ジャンプで飛び降りる。

着地の事はあまり考えてなかったが、ララがこれをよくやるのか無意識にかっこよく着地を決め、また難なく走り出せる。

普段から走り回っているって何度も聞いてたから身体能力自体は高いんだな、多分。


ふと後ろを振り返ると…なんとそこにはルミーが追っかけて来ているのが見えた。

え、真顔で追っかけて来るの怖すぎでは!!?

よーし…こうなったら勝負だ!!

こっちは何としてでもルミーから逃げ切ってやるぞ!

今は一階を走っている…お、あそこに庭へ出る場所が。

庭へ出てみると四方にはこの屋敷が囲うようにせり立っている。

このまま反対側の建物の入口へ飛び込もう。

飛び込んだから次は右だ!

一周してそのまま自分の部屋まで戻ろう。


思考を巡らせ、反対側の建物の入口を右に曲がった直後、急激に膝がガクッと落ちたのがわかった。

まさか体力切れか!?

ちょっと…あまりにも……早すぎませんか……!!?


ドサッ!




「あーあー…体力切れですかー」


ルミーが見つめる先には、床に突っ伏して動かないララ・フォンティーレ・エレクトラの姿があった。


「えー、時刻は16時23分、対象者の体力切れを確認。直ちにお部屋まで連行します」


な…何してんのルミーさん…??

もう…マジで動けん…洒落にならん……。

大量の汗が顔を、手を、服の中を滴り、流れるなか、重い頭を少しずつ動かしてルミーの方を見る…。

……!!?

そこには、手を合わせているルミーの姿があった。


「惜しい主を亡くしてしまった…」

「いや死んでないわ!!」


思わずそうツッコまざるを得なかったわ!


「なんだ、生きてるじゃないですか」

「あたり…まえ…じゃ……」


ない…って言おうとしたところで俺の意識は途切れた。




なんだ…このふわふわもふもふの感覚は…。

目を開けると真っ暗だった。

目の前にあるものを触ると…もふもふしている…。

どかしてみると…


「うわわわわわ!!?」


とてつもなく近い位置にルミーの顔があってビビり散らしてしまった。

いやいや何してんのこの真顔メイド!!?

真顔でその距離はいかんでしょ…。


「よく眠れましたか?おはようございます」

「ち…近いんですけど…」

「これは失礼。どうやって驚かそうか迷っていた所、セオリーの顔面ドアップでララ様がビビり散らしてくれるかなーっと」


その通りですビビり散らしました!!

…というか今思ったがこのメイドおもろいな。

ララの印象通り真顔だけど表情筋死んでるわけじゃないから普通に感情豊かだしな。

ただちょっと露骨なところあるけど…。


「時間はただいま18時12分です。あと50分ほどで夕ご飯の時間です」


運動の時間終わってるし…。

19時に夕飯って解釈で合ってるかな?

ならさっき図書館から持って帰ったステータス関係の本を読む時間があるな。

ベッドから身体を起こし、そのまま身体を伸ばした。


「ん~!!」


ベッドから足を下ろそうとした時、ルミーの口が開いた。


「そろそろ教えていただけますか?ララ様」


何の事か分からずそのまま本を取ろうとした時、


「いいえ貴方は、誰ですか??」


思わず俺の動きが止まってしまう。

反射的にルミーの顔を覗くと、彼女は真顔だったが、その眼光は今日一番に鋭かった。


ポイント獲得報酬があるたびにステータス値書き直してたら面倒だったのでまとめてやる事にしました。(例えば1日の上昇値でまとめるとか、一つの章の終わりでまとめるとかします)

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