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白き戦神の冒険譚 ~改訂版を新しく書いているのでそちらを是非!  作者: ルキノア
ランドレウスでの学園代表戦編
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アリシア対ランドレウス~アルノアの加勢

「——灼刃裂破しゃくじんれっぱ!!」


ロイの拳が紅蓮の魔力を纏い、空気を裂く。

彼の持つ炎は、武術の極みによってさらに研ぎ澄まされ、純粋な破壊の力へと昇華していた。


対するアリシアは、煌岩創造オルディナリウムの力を解放し、背後の二本の岩の腕を動かしながら戦う。


「来なさい、ロイ!」


ロイは、アリシアの強さを理解していた。

一瞬でも気を抜けば、その鋭い剣技と宝石の魔法によって圧倒されるだろう。


だが——


「負けるわけにはいかない!!」


ロイの拳が炸裂する。

その攻撃は、まるで炎を纏った流星のごとく一点に全力を込めた突進。


しかし——


「ダイヤモンド・ガーディアン!」


アリシアが右の岩の腕をダイヤモンドの結晶化させ、ロイの拳を正面から受け止める。

まるで巨大な盾のような硬度を持つダイヤのガードが、ロイの猛攻を寸分違わず受け流す。


「……っ!」


ロイの目が鋭く光る。


剣と拳の応酬。

炎と宝石の魔法の激突。


壮絶な攻防が、戦場の中心で展開される。


「エマ!サーシャ!」


ロイの声と同時に、エマの風魔法が吹き荒れる。

その風がロイの身体を押し上げ、一瞬でアリシアの頭上へと誘う。


アリシアの反応は早い。


背後の岩の腕がルビーの力を発動し、爆発的な火力を持つカウンター攻撃を繰り出す。


だが——


ロイは、炎の拳をさらに強化していた。


紅蓮滅衝撃ぐれんめつしょうげき!!!」


燃え盛る炎の拳が、ルビーのカウンターを力で押し潰す。


その瞬間、アリシアの防御が一瞬崩れた。


すぐさま宝石の力を切り替え——


「弾けろ!トパーズ!!」


黄金色の雷が、ロイの拳が届く寸前で炸裂する。

ロイの身体が痺れ、一瞬動きが鈍る。


だが——


「癒しの雨!」


サーシャの澄んだ声と共に、ロイの体に聖なる水の光が降り注ぐ。

その瞬間、トパーズの雷の痺れが完全に消え去る。


「させないですよ、アリシアさん!」


サーシャの杖が輝き、水の魔法陣がアリシアの足元に展開される。


「渦潮」


大量の水が渦を巻き、アリシアを包み込む。

その勢いは強く、まるで水の檻に閉じ込めるかのようだった。


「——っ!」


アリシアはすぐに地面を踏みしめ、力を解放。

大きな岩がせり出し、水流の檻が次第に薄れていく。


サーシャの水魔法はただの牽制ではない。

身体能力を削り、動きを封じ、さらには水圧でスタミナを奪う戦法だった。


ロイは回復した体で再び拳を握りしめ、戦闘態勢に入る。


「助かったよ、サーシャ!」


サーシャは微笑みながら、さらに支援の構えをとる。


「まだまだ勝負はこれからよ!」


 《サーシャ、前線へ——新たな戦局》


「もう援護だけじゃ足りないわね……!」


サーシャは深く息を吸い込み、魔力を解放する。

聖なる水が彼女の足元から溢れ、身体を包むように流れ始める。


ロイはそんな彼女を見て、無言で頷いた。

この戦い、もう2人で決めるしかない——


「行くぞ、サーシャ!」


「ええ、ロイ!」


2人の呼吸が合った瞬間、戦場に疾風の如く踏み込む。


「来なさい!」


アリシアは戦闘態勢を崩さず、迎え撃つ。


ロイは炎を纏った拳を振り下ろし、サーシャは水の刃を生成してアリシアを挟み撃ちにする!


「灼刃裂破!!」

「アクア・エッジ!」


火と水の斬撃がアリシアへと迫る!


しかし——


アリシアの岩の手が素早く動き、魔力を放ちながら防御態勢をとる。

岩の手で力で衝撃を吸収し、ロイとサーシャの猛攻を凌ぐ。


「——くっ!」


ロイの拳が岩の手に阻まれ、サーシャの水刃が弾かれる。


しかし、2人は怯まない。

すぐさま攻撃の角度を変え、絶え間なく連携攻撃を続ける!


アリシアの岩の手が次々と動き、ロイとサーシャの攻撃を捌いていくが——


(このままでは防戦一方……!)


アリシアは気づく。


ロイとサーシャは、攻撃のペースを緩めるどころか、加速させていた。


「このまま押し切る!」


ランドレウスの猛攻が、アリシアを追い詰めていく——!


(捌くことはできる……けど、攻撃に手を回せないわね)


アリシアは素早く状況を分析する。

ロイとサーシャの連携は凄まじく、どの宝石の力を使っても、隙を生む可能性がある。


さらに、ボルタジアのメンバーが虎視眈々と機会を狙っているのも感じていた。


(今、防御をやめると……ボルタジアに狙われる……!)


「押し切るぞ、サーシャ!」


ロイが一歩踏み込み、拳を固める。

サーシャもその隙を見て、水の槍を形成し、アリシアの動きを封じる準備をしていた。


アリシアは息を整え、決断する。


(攻めに転じられないなら——守りを極めるまで!)


大地が震え、巨大な鉱石の壁がアリシアを包み込む。

魔力が衝撃を蓄積し、次の攻撃に転用できる防御壁を形成する。


「防御に徹する気か……!」


「なら、もっと攻めるだけ!」


ロイとサーシャの猛攻が続く——


しかし、アリシアは冷静に待っていた。


次の動きを決める瞬間を——


激戦が続く中、会場は一触即発の緊張感に包まれていた。すでにカイゼルとの激突に勝利し、血潮が滴る戦場から、アルノアは静かに立ち上がっていた。彼の瞳は、戦いの余韻と共に白銀の光を放ち、まるで次なる一撃の予兆を感じさせるかのようだった。


ロイは鋭い剣技と燃え盛る炎で、アリシアに対して猛攻を仕掛けるが、アリシアは巧みにその攻撃を受け流し、煌岩創造の技で自身の防御を固めていた。

サーシャもエマにサポートを任せ攻撃していた。


しかし、アリシアは一向に退かず、攻守のバランスを巧みに操りながら、決して譲らない戦いを続けていた。

「アリシアさん……君の防御は完璧。でも、こっちも負けてたまるか!」

ロイは叫び、剣を振るうが、アリシアの華麗なカウンターが何度もその攻勢を跳ね返す。


アルノアは大鎌を肩に担ぎ、軽やかな足取りで前線へと飛び出す。

その姿は、まるで静かなる嵐が吹き抜けるかのように、戦場に新たな風を巻き起こした。


「アリシアさんお待たせしました。ここで一気に流れを変える!」

アルノアは、白銀の魔力を纏いながら、素早い動きでアリシアのカバーへ向かう。


会場の歓声とともに、実況席も興奮の声を上げる。


アルノアが戦場に加勢した瞬間、ロイとサーシャの猛攻に対応していたアリシアは、一瞬だけ安堵の表情を浮かべた。だが、その気の緩みを見逃すボルタジアの面々ではない。


「援軍が来たか……だが、ここで倒れるわけにはいかねぇ!」

ボルタジアのヴァイスが鋭く言い放ち、重力魔法を発動させる。


「重圧の檻 (グラビティ・ケージ)!」


突如として、アルノアの足元が沈み込み、周囲の空間が異様に重くなる。まるで身体そのものが押し潰されるかのような感覚――ヴァイスの重力魔法は、すでに限界に達しているアルノアの身体を苛んだ。


しかし、アルノアの白銀の魔力は、そんな拘束すら振り払うかのように輝きを増していく。


「悪いが……俺はまだ倒れるわけにはいかない」


アルノアの足元から広がる白銀の光が、重力の束縛をかき消す。彼は大鎌を一閃し、ヴァイスの周囲に展開された魔力を断ち切る。


「アルノア……!」アリシアが呼ぶ。


「ロイとサーシャに集中しろ。ボルタジアは俺が相手をする!」


アルノアはそう言い残し、ボルタジアの前に立ちはだかった。


「お前は強いが、アリシアほど強いわけねぇ。俺たちも本気で相手をしてやる!」


ヴァイスが再び重力を操り、セラフィナが光の矢を放つ。イグナスの炎が爆発を巻き起こし、ガルツが鋼鉄の拳を振りかざす。


ボルタジアの4人が、アルノアを集中攻撃する形になった。


「さて、こっちはこっちでやるしかねぇな」


アルノアは大鎌を回転させ、すべての攻撃をいなしながら、静かに構える。その背後でアリシアがロイとサーシャに対応し、ランドレウスとフレスガドルの戦いが続いていた。


決勝戦の舞台は、さらなる混沌へと突き進んでいく――


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