決勝戦開幕!
競技場の熱気は最高潮に達していた。
観客席は 数万の人々で埋め尽くされ、歓声が空へと響き渡る。
そして、ついに──
決勝戦の舞台に立つ三チームが入場する!
アナウンスが響く
「皆様、お待たせしました!
ついに この大会の最強を決める決勝戦 の幕が上がります!!」
観客の歓声が 一段と大きくなる 。
ランドレウス代表 入場
「まず最初に入場するのは──
開催国ランドレウス代表! ロイ率いる最強の幼なじみチーム!」
ロイを先頭に、カイン、サーシャ、エマ、ゼインが堂々とした足取りでステージへと歩みを進める。
「ランドレウス代表! 強豪揃いのこの大会で、 その実力を見せつけてきました!
彼らの結束力と戦術の巧みさは、決勝戦でどのように発揮されるのか!?」
ロイが剣を軽く掲げると、ランドレウスの応援団から 大きな歓声が上がる 。
カインも拳を握りしめながら 戦意を漲らせていた 。
ゼインは腕を組みながら、観客の声を聞いていた。
「さあ、続いては──」
ボルタジア代表 入場
「黒雷の申し子が率いる超攻撃型チーム!
ボルタジア代表、カイゼル率いる最強の猛者たち!!」
カイゼルを筆頭に、仲間たちがステージへと歩みを進める。
「ボルタジア代表! その圧倒的な攻撃力は 初戦から誰もが驚愕するほどの破壊力 を見せつけてきました!
今大会のダークホースとも言える 戦闘特化型のチーム!」
カイゼルが 黒雷を手に纏わせながら、不敵に微笑む。
仲間たちもすでに 戦闘態勢を整えている 。
「そして、最後のチーム!」
フレスガドル代表 入場
「フレスガドル代表!
たった二人で決勝まで勝ち上がった、
アルノア & アリシアの最強コンビ、ここに入場!!」
アルノアとアリシアがステージへと足を踏み入れると、観客席のボルテージが 一気に跳ね上がる 。
「強者が集うこの大会で、わずか二人で勝ち上がった驚異のコンビ!
その 圧倒的な個の力 を見せつけ、ここまでたどり着いた!
フレスガドルの誇りを背負い、今ここに最強を証明しに来た!!」
アリシアが 優雅に髪をかき上げながら 観客席へと視線を向ける。
アルノアは 無言のまま大鎌を肩に担ぎ、冷静に前を見据えていた。
「これで決勝戦に進出する 3チーム全てが揃いました!!」
その時、競技場の中央に設けられた 王族専用の観覧席 から、厳かな声が響いた。
「──これより、決勝戦を始める。
この戦いを見届けるために、私もここへ来た」
ランドレウス王が 立ち上がり、競技場全体を見渡す 。
「この大会は 世界に名を馳せる者を決める戦い だ。
各国の代表が誇りをかけて戦う姿に、私は 深い敬意を抱いている 。
そして、ここに立つ者たちよ。
お前たちの全力を、余とこの世界に示せ!!」
王の言葉に呼応するように、 会場全体が地鳴りのような歓声に包まれる 。
「それでは、決勝戦──開始!!」
王の合図とともに決勝戦の幕が開けた。
──だが、誰も動かない。
3チームが同時に戦う混戦。
無闇に動けば、その瞬間に他のチームから狙われる危険がある。
「……なるほどな」
ボルタジアのカイゼルが 口元を歪ませながら黒雷を纏わせる 。
「なら、俺が先に仕掛けるか」
黒雷撃──!
轟音とともに、黒い雷が フレスガドルとランドレウスの両チームへと走る!
瞬間、 各チームの魔法火力職たちが動いた。
「撃ち合い開始だ!」
「風刃乱舞!」
ランドレウスのエマが 無数の風の刃を飛ばす 。
「氷晶弾!」
ボルタジアの一人が 氷の弾丸を連射する 。
「紅蓮弾!」
ゼインが 炎の魔弾を撃ち込む 。
「流星雷閃!」
カイゼルが 雷を纏った弾丸を空中へ撃ち上げた。
すると雷弾は拡散しながら、まるで流星のように降り注ぐ。
会場は一瞬にして魔法の嵐に包まれた。
遠距離魔法で状況が動くのを誰もが待っている。
前衛職は後衛の詠唱を守るために迎撃していた。
「これくらい、捌けるわよね?」
アリシアは 鉱物魔法で生み出した剣を振るい、次々と魔法を弾いていく。
アルノアも大鎌に優位属性を纏い魔法を刈りとる。
「……ちょっと多いな、剣はあんまりなんだけど。」
ロイも 剣を高速で振るい、炎と雷の魔法を切り裂く 。
「カイン!」
「わかってる!」
カインは 雷の障壁を展開 し、イグナスの紅蓮弾を受け流した。
ランドレウスの前衛たちが 迅速に動きながら攻撃を防ぐ 。
「ちっ、やっぱりどこも簡単には崩れねぇな」
ボルタジアのチームが舌打ちする。
「なら、どうする?」
「決まってる、もっと仕掛けるまでだ!」
魔法の嵐は、さらに激しさを増していく──!
ボルタジアの奇襲──重力の檻
激しい魔法の応酬が続く中、ボルタジアの ヴァイス が前に出た。
「そろそろまとめて動きを止めさせてもらうぜ」
ゴゴゴゴ……!
周囲の空間が歪む。
「っ!? 重い……!」
突如として フレスガドル、ランドレウス両チームの足が沈み込む 。
「……これは重力魔法か!」
アルノアが 瞬時に状況を理解する 。
ヴァイスの 重力魔法──グラビティ・ケージ(重力の檻)
狭い範囲に重力を集中させ、一定範囲の者すべてを拘束する技だ。
各チームともに前衛・後衛問わず一斉に捕らえられた。
「まずい! このままじゃ……!」
ヴァイスが 不敵に笑う 。
「まとめて動きを止めたところで──」
「セラフィナ!」
ヴァイスが声をかけると、ボルタジアの セラフィナ が 弓を構えていた。
「逃げ場のない敵を撃つのは簡単ね」
セラフィナの 光の矢が次々と放たれる!
「光槍乱舞」
無数の 光の矢が、重力の檻に囚われた敵へと殺到する。
「くっ……!」
アリシアが剣を振るうが、 体が重く動きが鈍い。
「っ……まずいぞ……!」
ランドレウスのカインやロイたちも、 全力で防御の構えを取るが、圧倒的な数の矢が降り注ぐ。
「このままじゃ、一方的にやられる……!」
緊迫する会場。
しかし、 その時だった。
「なぁ、こっちが動けないからって油断しすぎじゃない?」
ヴァイスが ハッと顔を上げる。
アルノアの 白銀の魔力が、ゆっくりと広がっていく──!




