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異能力者の歯磨き粉  作者: 不細工なイケメン
第一章 異能力者
6/8

6.合格

 飛びかかってきた少年を、躱す。

 まともに相手したらいじめてるとか思われそうだし。

 あと単純に怒ってる理由がわからない。もし僕が悪いことをしていた場合、あの少年がかわいそうだ。

 なのでひたすらかわして体力切れを待つ。


「避けてんじゃねぇぇぇぇぇ!」


 というかうるさいな、周りに迷惑だ。


「静かにしなさい!」


 少年の口に手を当て、口内に歯磨き粉を生成する。調整としては激辛にした。あと粘度を結構高めてある。


「ゲホッ、ゴホッ、がら、辛い!あああ、吐ぎ出しずれぇ!」


 勝利。解散。


「までやゴラァ!にがざねぇぞ!」


 喉をやってしまったらしい。僕は悪くない、少年が突っ込んできたんだから不慮の事故だ。完全無罪を主張する。


「ま゛でっつってん゛だろぉ゛が!」


「はぁ。これ以上無理に声を出すと喉を壊すことになる。今日は大人しくしてな」


「あ゛ぁ゛!?」


 話を聞かないな。じゃあ、今度はこうだ。

 拘束するよう歯磨き粉を生成し、伸縮性を限界まで高める。続いて強度も高めにし、水分量なんかを調節してしばらくしたら崩れるようにしておいた。これ、けっこうつかえるかも。


「お゛れ゛ざま゛どじょ゛ゔぶじろ゛や゛あ゛!に゛げん゛じゃ゛・・・・・・ガフッ」


 あーあ、だから言ったのに。


「ぐら゛い゛や゛がれ゛・・・・■■」


 少年が謎の言語で何かを言った。

 少年の周りには二つの武器が浮いていた。形状としては銛と斧だ。異能力だろうか?


「い゛げ!」


 言葉に合わせてこちらへ飛んでくる。

 僕は両手を合わせ、その間に粘度、粘着性、伸縮性と強度をマックスまで上げたものを作り出し、受けた。

 粘着性を上げておいて良かった。これをこのまま地面にくっつけ、上から同じものを被せる。しっかりくっついたのを確認したら伸縮性をなくし、酸性を強くする。溶けた。


「あれ、これやっとけばもっと早く済んだんじゃ?」


「ぢっ!△◆◆」


 今度はとんでもない量の武器が出てきた。剣、斧、槍、外国のよくわからないやつ、針、、、、?鞭?弓?

 とにかく色々。百個くらいあるんじゃないか?


「ぐ、ゔゔ」


 少年が苦しそうだ。生命力を削って出してるとか?気絶させたら消えるかな?いや、午後の試験までに起きるかわからない。職員を呼ぶとか?いやそれしかないな。


「職員さーん!」


「はい、ってなんですかこの状況!?」


 説明が面倒だなー


「お、オレ見てたぞ!そこの少年がこっちのにいちゃんに飛びかかって、拘束されたんだ。」


「なんかオレと戦え的なこと言ってたぞ、この子!」


「なるほど。あなた、今のは本当ですか?」


「ま゛ぢがっでばね゛ぇな゛」


「声、どうしたんですか?」


「僕がやりました。大人しくして欲しかったので」


「なるほど。とりあえず二人ともきてください」





 ☆☆☆



「うわー、痛そー。はい、『回復促進』」


「あ゛、あ、あ゛ー、、ぢょっとばまじにな゛っだか」


「あんま大きい声出さないでね?少なくとも今日一日は」


 回復促進。治癒の下位互換のようだ。ただ代謝を上げて治るのを早める原理らしく、自己治癒力に任せるので治癒より良い面もあるんだそう。治癒と似たような能力も何人かいるが、あまり使いすぎると体がそれに慣れて免疫が弱るらしい。ちなみに紬は小さい怪我なら能力は使わない。つまりそういうこと、拍手。ありがとう、ありがとう。


「あ、そろそろ二次試験だね。」


「じゃあ行ってきます」












『只今より、異能力テストを始めます』



 ついに始まった。体力テストは突破したけど、ここで引っかかる可能性がある。本気で行かないと。





 ☆☆☆






『1384番、Bルームへ』


 僕の番だ。というかA~Gの距離離れすぎじゃない?Bもそこそこ遠いし。走ろ




「1384番、佐藤健吾であっているね?」


「間違いありません」


「では、能力を見せてもらおう」



 まずは口頭で説明、次に披露。試験官の異能力を組み合わせた動くマネキンのようなものに対してどのようなことができるのかを片っ端から見せる。拘束や牽制、サポートなどをメインに見せた。そして最後に酸性を引き上げてマネキンにぶつける。マネキンはぐずぐずに溶けた。あまり人には使わないでおこうと、心に決めた。


「ありがとう、結果は後日SNSで発表する。」


 時代だなぁ。

 あとはもう受かることを祈るしかない。


 受かりますように受かりますように受かりますように受かりますように受かりますように受かりますように受かりますように受かりますように受かりますように受かりますように・・・・・・




 ☆☆☆




 《合格・・・・1267、・・・・・1347、1384、・・・・・》


「あった!紬、受かった!」


「良かったね!でも、もう無茶しないでよ?」


 善処します


 ──ピロン


 おや?メールがきた。知らないアドレスだな。


『宛先:佐藤健吾

 差出人:異能力対策部隊

 件名:1384番


 1384番 合格

 所属:第一部隊C班


 寮で暮らす場合は申請必須

 http: /xxxx.yy.zzz』


 短い。多分今回受かった人は全員第一部隊だろう。

 そして寮で暮らすかどうか。紬は寮暮らしなので、僕も行く。家にいるといざという時守れないかもしれない。

 申請を送って、賃貸だし軽く掃除してから行こう。


「あ、もしもし大家さん?引っ越すことになりました。明日には出て行きます。」


 まずは荷物をまとめて、、、



 よし、荷物は車に積んだ。掃除も終わり。僕はルミネとチュン吉を助手席に乗せて出発した。

■ 1 ◆10 △100 ▽500

となっています

△◆◆は120です

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