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73話 浴衣を買う

 朝起きると、あやめは母典子の朝食の手伝いをする。父義郎はのんびり新聞を読んでいる。九郎が義郎に聞く。

 「のんびりしているけど出勤時間大丈夫なの。」「ああ、1週間休みとったから大丈夫だよ。」

 「1週間も休んで大丈夫?」「何言っているんだ。息子が彼女連れて来ているんだ休んで当然だろ。」

 「いや、当然じゃないから。会社行った方がいいよ。」「九郎は父さんを仲間外れにするつもりなのか。」

 「そんなことないけど。仕事大丈夫なの。」「大丈夫さ、気にするな。」

九郎は不安になる。父の会社がどんなところか知らないが、いきなり1週間休んで大丈夫なのだろうか。

 「九郎ちゃんのお父さんも楽しい人ね。紹介してほしいわ。」

玉枝は義郎を気に入ったようだ。

 朝食を食べていると母があやめに言う。

 「社本さん、浴衣持って来ている。」「いえ、持って来ていません。」

 「今日は浴衣を買いに行きましょう。」「それは良いね。」

父が賛成する。あやめが母典子に言う。

 「ご迷惑ではありませんか。」「いいのよ。女の子がいなかったから買ってみたいのよ。」

 「ありがとうございます。」「九郎も欲しければ買ってやるぞ。」

 「僕は、あやめの浴衣姿を見れるだけでいいよ。」

九郎はあやめの浴衣姿を期待する。

 九郎たちは車で呉服屋へ行く。

 母はあやめのためにいろいろと浴衣を選ぶ。非常に楽しそうだ。

 父も楽しそうに口を出している。玉枝が九郎に言う。

 「ご両親楽しそうね。」「そうだね。」

 「これは結婚まで一直線ね。」「結婚出来たらうれしいけど。まだ家庭は持てないよ。」

 「また、九郎ちゃんの悪い癖が出た。」「本当のことだろ。」

 「結婚の約束ならいいでしょ。」「そうだけど。」

両親とあやめは浴衣を3つまで絞り込んでいる。

 あやめは結局、白に紺色のアヤメの柄の浴衣に決める。

 九郎は、あやめに似合っていると思う。


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