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63話 夜這い?

 夕食後、男子部員は九郎の部屋に集まる。彼らはすでにやることが決まっているように話す。

 「誰から行く。」「勇者は誰がいい。」「くじで決めるか。」「それがいいかもしれないな。」

彼らは、あみだくじを作り始める。みんな順番に名前を書いていく。最後に九郎とつよしの番が回ってくる。九郎は聞く。

 「これは何のくじだ。」「分からないのか。」

 「まったくわからん。」「鈍感だな。夜這いの順番に決まっているだろ。」

 「夜這い!僕はやらないぞ!」「静かにしろ、目標は隣の部屋なんだぞ。」

つよしが観念したように九郎の肩をたたいて言う。

 「これも経験だ。」「何が経験だ。あやめがいるんだぞ。」

 「大丈夫、こいつらの目的は玉枝さんだ。」「それでも嫌だぞ。」

 「独占欲が強いな。」「普通だ。」

 「翼、とにかく名前を書け。」「仕方ないな。」

九郎とつよしはあみだくじに名前を書く。

 この会話は、あやめの部屋に筒抜けである。あやめが怒ったように言う。

 「九郎、なんで止めないのよ。」「つよしは私がもらうね。」

美琴が言う。玉枝は

 「腕が鳴るわ。」

と物騒なことを言う。

 くじの結果は、一番手が九郎に決まり、つよしは二番手になる。

 玉枝があやめに聞く。

 「九郎ちゃん来るけど相手してあげる?」「夜這いの相手はしません。」「なら、帰ってもらうわね。」

夜が更けると男子部員の夜這い作戦が始まる。みんなが九郎に言う。

 「がんばれよ。勇者。」「行くだけだぞ。」

九郎は忍び足で廊下を進み、あやめたちの部屋の扉を開け中に入る。九郎はいきなり抱きしめられる。九郎は抱きしめられた感じで玉枝だと気づく。

 「玉枝さん?」「女の所による忍には、まず歌を詠んで気持ちを伝えるのよ。」

 「僕、歌なんて読めないよ。」「はい、失格。」

九郎は玉枝に部屋の外に出される。九郎は自分の部屋に戻る。男子部員が九郎に様子を聞く。

 「どうだった。」「玉枝さんに追い返された。」

 「次はつよしだったな。頑張れよ。」「任せておけ。」

つよしが部屋を出ていく。九郎はすでにばれているので夜這いにはならないと考えるが、男子部員は続けるつもりだ。

 つよしは、あかねたちの部屋に入ると美琴に抱き着かれる。

 「夜這いの現行犯で逮捕します。」「みこにつかまっちゃったよ。」

 「布団の中で事情聴取するわよ。」「甘い言葉でお願いします。」

つよしと美琴は布団に潜り込む。あやめが言う。

 「あんたたち何やっているのよ。」

返事はない。男子部員が待つがつよしは帰って来ない。次の部員が行くことになる。

 彼が部屋に入ると玉枝が腕を固めて動きを封じて外に追い出す。

 玉枝は部屋に来た部員をすべて捕えて追い出す。男子部員は言う。

 「成功したのはつよしだけか。」「うらやましい。」「でも、玉枝さんに触ってもらえたぞ。」「そうだ、良かったな。」

男子部員はそれなりに満足している。つよしは明け方、部屋に帰ってくる。つよしの顔は悟りを開いたように穏やかだった。


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