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59話 ペンションの2階

 マイクロバスがペンションに着くと一同はバスから降りる。九郎は、ペンションを見て固まる。あやめは、九郎の変化に気づいて聞く。

 「何かあったの。」「いるんだ。2階の窓に血まみれの男が見下ろしているよ。」

 「玉枝さんに頼みましょ。」「そうだね。」

九郎は、玉枝に声をかけようとするが部長と男子部員に囲まれて近づけない。みんなはペンションに入って行く。

 あやめが九郎に言う。

 「どうする。玉枝さん行っちゃったよ。」「玉枝さん、気づいているはずだよ。いざとなったら僕が守るから。」

 「無理しないでね。」「分かっている。」

九郎とあやめもペンションに入る。中に入ると中年の夫婦が出迎える。ペンションのオーナーである。

 2階には3部屋あり、3部屋ともハイキング部で借りている。男子が2部屋に女子が1部屋である。

 九郎は真ん中の部屋になる。つよしと一緒だ。しかし、彼はそれどころではない。

 部屋に入ると、中は飛び散った血で赤く染まり、壁際に血まみれの男が立っている。

 九郎は、これはダメなやつだと思い。すぐに玉枝の所に行く。彼は女子の部屋をいきなり開ける。

 着替えを始めようとしていた美琴が怒る。

 「何開けているのよ。変態。」「ごめん、謝るよ。玉枝さんに来て欲しい。」

 「九郎ちゃん、のぞきに来たんじゃないの。」「玉枝さん、気づいていないの。隣の部屋に来て欲しいんだ。」

 「血まみれの男がいるのね。」「そうだよ。」

美琴が何のことかわからずに聞く。

 「何言っているの。」「このペンションには血まみれの男の霊がいるのよ。」

 「怖いわよ。本当?」「嘘は言っていないわ。」

あやめが美琴に説明する。

 九郎とあやめ、玉枝、美琴は隣の部屋に行く。あやめと美琴には見えない。くつろぎ始めたつよしと男子部員は、女子が押し掛けたことに驚き、固まる者やなぜか正座するものが出る。

 玉枝は、部屋が血で赤く染まり、壁際に血まみれの男が立っているのを見て、九郎に言う。

 「九郎ちゃん、焦り過ぎよ。女の子に嫌われるわよ。」「これって大丈夫なの。やばいと思ったんだけど。」

 「危ないわよ。」「なら僕の判断は正しいよね。」

 「女の子の部屋に入る時にはノックしなさい。」「これから気を付けるよ。」

血まみれの男は、玉枝に気づき、壁の中に入ってゆく。しかし、男は逃れられない。燐火に包まれもがきながら壁から出てくる。

 部屋にいた者は、青い炎が踊っているように見える。炎はだんだん小さくなり消えていく。

 九郎は、血まみれの男が消えると部屋に飛び散った血も消えるのを見る。

 つよしが玉枝に聞く。

 「今、除霊をしたんですか。」「そうよ。地縛霊がいたのよ。」

さらにつよしは九郎に言う。

 「霊が見えていたのか。さすが玉枝さんの弟だな。」「たまたま見えただけだよ。」

美琴が青くなって言う。

 「もう大丈夫なんでしょうね。」「みこ、怖いの。玉枝さんがいるから大丈夫よ。」

あやめが美琴を抱きしめて言う。


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