42話 一久の電話
九郎が、朝起きると玉枝はすでに起きていて、テーブルに料理を並べている、
フレンチトーストとオムレツである。
九郎は「いただきます」をして食べ始める。
「玉枝さん、おいしいよ。」「よかった。私も食べてくださいね。」
玉枝は、いつものように九郎を誘惑する。九郎は玉枝の余分な一言で感謝の気持ちが減る。
九郎は朝食を食べると服を着替える。玉枝もネグリジェから服を変える。
白いシャツにベージュのパンツで、ネックレスをしている。
玉枝は九郎に聞く。
「どうかしら。」「きれいですよ。」
九郎の答えに玉枝は嬉しそうにする。しばらくするとインターフォンが鳴り九郎がドアを開ける。あやめが立っていて挨拶する。
「おはよう。九郎、玉枝さん。」「おはよう。あやめ。」「おはよう。あやめちゃん。」
あやめは九郎に借りていた本を返して続きの本を借りる。3人はアパートを出る。
通りに出ると玉枝は気配を小さくして見えなくなる。あやめは九郎に言う。
「お父さんから電話あるかもしれないわよ。」「なにか、あったの。」
「昨夜、お祓いの話が来ていたわ。」「うん、わかったよ。」
2人が大学に入るとつよしと美琴が声をかけてくる。九郎はつよしに聞く
「今日は、2人でどうしたんだ。」「一緒に大学に来ることにしたんだ。」
「迎えに行くことになったの。」「いいや、待ち合わせしている。」
「そうか、まだお父さんは知らないんだ。」「まだね。」
美琴の父親は、美琴を溺愛しているため、つよしはまだ美琴の父親に会っていない。4人は教室に入り午前中の講義を受ける。
昼時間になると学食で昼を食べる。九郎とあやめは弁当でつよしと美琴は学食のランチである。
食べ終わるころ九郎のスマホが鳴る。一久からの電話である。
「翼です。」「今、時間いいかな。」
「はい。」「今日、帰りに家に寄ってくれないかな夕食を出すよ。」
「話があるのですね。」「お祓いの話なんだが。詳しくは家で話すよ。」
「分かりました。」「お願いするよ。」
電話が切れる。あやめが九郎に言う。
「父からの電話ね。」「そうだよ。今日、あやめの家に寄ることになったよ。」
つよしが九郎に言う。
「九郎はいいな。親父さんに気に入られて。」「うん、つよしも紹介してもらったら。」
「難しいよなー」「お父さん、きっと怒るわよ。」
美琴が言う。午後の講義が終わると九郎とあやめは一緒に帰る。九郎はあやめに言う。
「今回のお祓いは難しいの。」「私にはわからないわ。」
「私がついているから大丈夫よ。」
玉枝が言う。あやめの家に着くとあやめは「ただいまー」と引き戸を開ける。待っていたかのように一久が出てくる。
「九郎君待っていたよ。」「こんにちは。」
3人は居間に行く。ソファに座ると一久が話し始める。
「お祓いを引き受けたんだが、死人が出ているんだ。」「死人ですか。」
「4人で廃屋に肝だめしに行ったそうだが、そこで声を聞いたそうだ。」「どんな声ですか。」
「男の声で殺すと聞こえたらしい。そして、4人のうちの1人が死んでいる。」「偶然では。」
「当人たちは怯えているんだ。霊が憑いているのか見て欲しい。」「お祓いはいつやるんですか。」
「今夜だ。」「急ですね。」
「依頼者が怯えているから、急いでお祓いをすることになった。」「分かりました。依頼者を見ればいいのですね。」
「お願いするよ。」「はい。」
「これは、気を付けたほうがいいわよ。」
玉枝が言う。九郎は夕食をごちそうになる。
夜9時になると依頼者3人が拝殿に来る。九郎は3人を見て驚く。3人の顔は歪んでいた。




