14話 ラブホに行った
九郎と玉枝は下宿に帰る。九郎は風呂に入ったら早めに寝ることにする。これまで人付き合いをしてこなかった彼には、初めてのことが多すぎたので疲れている。
九郎が風呂に入ると玉枝もいつものように入って来る。玉枝は九郎の体を丁寧に洗う。
玉枝は九郎に言う
「九郎ちゃん、このままだと社本家のますおさんになるわよ。」「僕が婿入りするというの。」
「両親はその気があると思うわ。」「社本さんはどうかな。」
「まだ友達と言うところかしら。」「そうだよね。僕、社本さんのことほとんど知らないもの。」
「九郎ちゃん、女を理解するつもり。」「何かまずいかな。」
「男に女のこと理解するのは無理よ。」「そうなんだ。そういえば玉枝さん、お祓い大丈夫なの。」
「平気よ、私をどうにかできる霊能者なんて現代にいないわ。」「昔はいたの。」「油断しただけよ。」
玉枝は黙り込んでしまう。九郎が布団に入ると玉枝はネグリジェ姿で添い寝をする。
その夜、九郎は玉枝の夢を見る。夢で何か重要なことを見た気がするが起きると忘れてしまっていた。
朝起きると玉枝はすでに起きていて、朝食を作っている。たけのこご飯のおにぎりにみそ汁と奈良漬である。
大学へ行くため、九郎が着替えると玉枝は白色のニットに淡い水色のベストに同じ色のスリムパンツに変わる。
九郎は、いつも器用だなと思う。玉枝のコーディネートはさわやか系なのだろうが玉枝のスタイルだとお色気が漂ってくる。
九郎が大学に入るとどこから来たのかつよしが声をかけてくる。
「おはよう、九郎。」「おはよう、つよし。」
「昨日、どこ行っていたんだ。お前の部屋に行ったんだぞ。」
「昨日は社本さんの家に行っていた。お父さんの手伝いをしたんだ。」
「お父さんてもうそんな仲なのか。」「友達だよ。」
「そうか、俺はみことの関係を深めているぜ。」「深みにはまらないように気を付けろよ。」
九郎とつよしが席に着くとあやめと美琴が教室に入ってきて、それぞれ九郎とつよしの隣に座る。
あやめは昨日買った桜色のニットにデニムのベストとスカートを着こなしている。
「翼君、おはよう。」「社本さん、おはよう。服似合っているね。」「ありがとう。」
あやめは赤くなり上目遣いで九郎を見る。「うぁ、かわいい」九郎はダメージを受ける。
その時、美琴のつぶやきが聞こえる。
「つよし、赤ちゃんできたらどうしよう。」
九郎とあやめはぎょっとして思わず言う
「つよし、何しているんだ。」「木村君、何しているの。」
つよしと美琴はうつむいている。
つよしがぼそぼそと言う
「ラブホに行った。」
九郎とあやめは赤くなる。あやめは美琴を連れて教室を出ていく。九郎は聞き間違えじゃないかと再確認する。
「本当に言ったのか。」「いったよ。」
「避妊しなかったの。」「俺初めてで・・・」
「もしもの時はどうするの。」「責任取るよ。」
しばらくするとあやめと美琴が帰ってくる。
あやめがつよしに言う
「ちゃんと責任取りなさいよ。」「分かっている。」
4人に重い雰囲気が漂う。
玉枝は、つよしと美琴の悩みなど関係ないように言う
「若者はいいわよねー」
九郎は玉枝なら解決策があるように思う。彼はトイレに行くと言って席を離れる。
そして、人気のないところで玉枝に聞く
「今の話し聞いていた?」「赤ちゃんができるかもと言うこと。」
「それ、何か解決方法ないかな。」「赤ちゃんは神様の贈り物よ。大切にしなさい。」
玉枝は怨霊とは思えない回答をする。




