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104話 つよし、落ち込む

 夏休みが終わる。九郎が目を覚ますと玉枝が朝食を作っている。彼女はテーブルに料理を並べる。

 フレンチトーストにシーザーサラダ、かぼちゃのスープである。

 九郎は「いただきます」をして食べ始める。玉枝が味を聞く。

 「おいしい。」「おいしいよ。」

 「おかわりは私だから遠慮しないでね。」「結構です。」

九郎の玉枝に対する感謝の気持ちがすり減って行く。食事が終わると九郎は着替える。

 玉枝もネグリジェ姿から服を変える。紺色の袖がふわっとしたブラウスにベージュのゆったりとしたパンツである。

 しばらくするとインターフォンが鳴る。あやめが迎えに来たのである。

 九郎とあやめは一緒に大学へ歩いていく。玉枝はアパートを出ると気配を小さくして見えなくなる。

 2人が大学に入るとつよしがいる。九郎が声をかける。

 「つよし、久しぶり。」「ああ、九郎か。」

 「どうした。元気が無いぞ。」「ちょっな。」

2人はこんなにテンションの低いつよしを見たことが無い。あやめが聞く。

 「みこは一緒じゃないの。」「ああ、別に来ると思うよ。」

 「みこと喧嘩したの?」「していないよ。」

 「様子が変よ。」「みこの父親に会ったんだ。」

九郎とあやめはつよしの様子がおかしいのは美琴の父親のせいだと考える。九郎がつよしに聞く。

 「親父さんは何か言ったのか。」「付き合いを許さないといわれた。」

あやめがつよしに言う。

 「言われて手を引いたの。」「そんなわけないよ。でも取り付く島もないんだ。」

 「それでみことはどうなの。」「父親が警戒しているから会えなくなっている。」

美琴の父親はかなり手強そうである。3人はそのまま教室に入る。しばらくして美琴が教室に入って来る。

 美琴はつよしの隣に座ると彼に言う。

 「私は諦めないからね。」「俺もあきらめたくないよ。」

あやめが美琴に言う。

 「みこのお父さんどうなの。」「お父さん、怒っちゃって夏休みの半分くらい出かけられなかったわ。」

 「手強そうね。」「まだ私が子供だと思っているのよ。」

 「何か力になれない。」「難しいかな。」

九郎とあやめは、どうにかしたいと思うがいい案が出てこない。


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