これも由緒あるサブカル知識!
(お食事中の方、読むのは控えてくださいませ)
火薬の大量生産のため、信長へ最初に要求したのは、町奉行並という役職だった。
町奉行は前世で言うところの、市の行政に携わる部署。
よくもまあこんな急激な改革をするもんだな、と思ったが、なにせ信長だよ。
強引に作っちまった。
そして始めたのはごみの回収作業……ではなく。
いや、ごみ出ないからさ、令和の時代と違って。
燃やすか埋めちまう。
では何をしたか?
公衆便所作りました~~
『町人はここで用を足すべし』
とのお触れ。
この当時は1m×2m位の楕円形の穴に、アレを溜めてワラと混ぜ、腐らせてから肥料にしていた。使えるまで3年はかかるんだよな~。そしてそれ使って土壌作るのにも5年以上。ラノベのようにそう簡単には石高あがらにゃい。
そういう事だから大事な資源だ。普通はそれを売ることになる。そんな資源をタダで公衆便所でポットンするはずはない。
だけどな~。あれ『クサい』んだよ。自分の家にあると。
それをちょっと離れた場所でしてもらう。
ついでに手洗い水を補充するサービス付きだ。この当時、トイレットペーパーの代わりにワラを使っていた。
お蔭で痔持ちの人が多い。
なので消毒消炎作用のあるヨモギの葉っぱをサービスする。そして使い終わったヨモギの葉っぱは、別の穴にポイしてもらう。
こっちの穴は小便用だ。
問題はこっちの小便用の穴。
これが重要!
ヨモギの葉+人尿で、なんと硝酸カリウム=硝石が出来る! 江戸時代もやってたんだよね。前田藩が。
これって令和の時代になって初めて分かった事実。それまでは「こうなんじゃないかなぁ」的な想像だったけど、これが凄いんだそうだ。
信長の美濃尾張時代は、まだ大陸の硝石を輸入していたからバカ高い。でもそんな硝石を大量に消費して戦い続けられる筈もなく。関ヶ原なんかバンバン撃っていたからな。
この火薬=硝石は何処から来たのか?
それは『最初からある程度日本で製造していた~』これがわかりましたとさ。で、段々と増産されて輸入しなくてもよくなりました。
え?
なぜそんなアカデミックなことを知っているって?
失礼な!
これも全部、由緒ある立派な『サブカル知識』だ!
「小説家になっちゃえ」というWeb小説サイトでね、『首取る物語』という凝った戦国物があったので読んでいたら書いてあったんだ。
その作者は某国営放送のブラタ〇リという番組が好きで、その中で紹介された白川郷での火薬製造を知り、それを調べたんだとさ。なんか科学技術研究補助費で研究された紀要に出ていたとか。
https://kaken.nii.ac.jp/ja/file/KAKENHI-PROJECT-22650213/22650213seika.pdf
俺はそれで知ったんだよ!
嘘だと思うならお前も読んでみな。
https://ncode.syosetu.com/n4919hf/
「お奉行様。本当にこの下肥(人糞)。頂いてしまっても?」
「おう。持って行きな。あと3年は腐らせ熟成させないと使えないがな。代わりにヨモギを集めてくれ」
こう言う仕組みだよ。
下肥は商品になる。だからそれの対価としてヨモギを集めさせて、そのカリウムと人尿のアンモニアを3年ほど寝かせると硝石となる。
3年はかかるが、今は1560年。
1563年からは訓練を盛大に行える。
順調に行けば1568年位には相当な数の鉄砲を運用できるさ。
あとは雨対策とか、色々ある。
それ全部献策して勲功稼ぐのだぁ~。
「光秀殿。これは凄い仕組みですなぁ。この厠もそうでござるが、このヨモギ採集と人尿を集める仕組み。
かぁ~~~っ。
こんなことは誰にも思いつきませんなぁ!
それがし、今猛烈に感動しております!」
一緒に公衆便所初号機を視察に来ていた木下藤吉郎が、いささか、いや物凄いオーバーリアクションで驚き、俺を褒めたたえる。
これがこの男の出世技なのか。
まるでWeb小説のテンプレ技みたいだね。あの主人公をおだてる周りのキャラ連中。
だが、これをやられて怒る人はいないだろう。
その場は怒るかもしれないけど、『人懐っこい奴』と感じる者が多いはず。
出会ってから最初の2~6秒で、人のイメージは決まるというからね。ATフィールドを浸食してくる人懐っこさ。
この猿顔は超強力な武器だろうな~。
人をにこやかにさせる。
相当、武ばった者を除いてだけど。
たとえば柴田勝家とか佐々成政。織田家のガチ勢には受けが悪いというのもなんとなくわかるよ。
笑ってばかりいて剽軽。それでいて戦場の勲功もないのに皆に一目置かれる。
こいつの良い面は真似して、さらに戦場の勲功も一応立てる。
それで柴田勝家達とも仲良く!
光秀生き残り作戦はこれで行こう。
「うおっ!」
俺が生き残り仲良し戦略を、脳内で完璧にシミュレートしていると、後ろで叫び声。
なにがあった??
お読みくださり感謝です!
「この光秀。笑える」
「ヲタクの世界だw」
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