始まる対抗戦、動き出す歯車
今日は学校対抗戦の日。場所は街の隣にある建物で行われる。屋根が無く吹き抜けになっていて周りには沢山の観客席で囲われていた。ドーム見たいな形だ。俺はそこの観客席で見る。
参加者は合わせて20人だ。団体戦と個人戦がある。団体戦は武器を使わず相手から1人自分達のチームが1人と一体一で戦い、先に3勝した方が勝ち。個人戦はチーム関係無く行われる。個人戦では武器の使用は大丈夫とされている。これが今から行われる。
俺は結構楽しみだ。各学校の代表って事は強いって事。見てみたいと思った。
試合は2日間行われる。1日目は個人戦、2日目は団体戦だ。個人戦はトーナメント戦だから負けたらそこでおしまいになる。それに見てみると最初の試合は優斗が出る事になってる。相手は東の学校の【アームズ】意味は武器。その名の通り武器に特化した学園だ。主にここは武器の専門的知識を魔力より重視している。その為武器の扱いは他の学校よりも断然上手い。優斗は確かに魔力は多いいが魔力が多くても武器の扱い方が悪かったら魔力が少ない相手でも負けてしまう。それだけ人間にとって武器は大切だ。
優斗が出て来た。今から始まる。ドーン!!鐘が鳴った。
相手が先に武器を取り出した。
「ランス!」
髪に付けていたピンが真っ赤な槍になった。1メートル以上の長さに鋭い刃。攻撃型だ。
「ソード!」
そう言うと身に付けていたキーホルダーが剣になった。剣も攻撃型だが槍の方が長さが長いため近づくのは大変だ。
「「エンチャント!!」」
2人、同時に魔力を武器に込めた。
先に向かって来たのは相手からだ。振り下ろされた長い槍を優斗は寸前で止めた。さっき相手は武器を振り下ろす直前で魔力強化していた。その為振り下ろす力と魔力強化により与える衝撃が増した。やっぱり武器の使い方が上手い。圧倒的に相手が有利だ。優斗も剣の刃に魔力を注ぎこんだ。多分そうしないと何回も槍を受け止められないし刃を合わせるのもきついと思ったんだろう。
ゾクッ!
何だ...。今のは...。
前に味わった事がある。
でも、辺りを見渡しても何にもない。
他の人達は築いていない様子で試合を見ていた。
この魔力、魔族...。
まさかこの対抗戦を見計らって来たのか。
でも、この建物一体は強い結界が貼られているし外では騎士が守っている。入るのは不可能と言っても過言でもない。
クソッ、人が多すぎて魔力感知かが出来ない。
狙いはきっと勇者にちがいない。
急いで優斗と康太の元に行った。
でも、何故魔族は勇者を攫おうとしているんだ。
狙うのは分かる。いづれ倒されるかも知れないから。でも攫う必要はあるのか...連れて行かなくてもその場で始末した方が早いはず...。
そう思いながら走った。
まずは試合を中止にさせないといつ何が起こるか分からないし…。
いきなり大きく足元が揺れた。
地面が揺れている。これは地震じゃない...。
急いで2人の元に行った。
◇◇◇◇
いきなり地面が揺れ大きな音が聞こえた。
「何だ...いったい」
試合を実行する状態じゃなかった。
現れたのは前に俺達を襲ったノアが言っていた魔族だった。黒いローブに着ていた。
2人が現れると観客席の方が大騒ぎになった。
「あはっ!こんどは早く見つかった♪」
「今回は場所が絞れたからな」
「お前ら何なんだよ!!何で俺達を襲うんだ!!」
キョトンとした顔をした。
「何言ってるの。最初から狙ってたのは勇者2人だけだよ♪」
俺達だけ...。
「何のようなんだ」
「お前らは俺達を殺すのか…でも、殺すなら前の時でも今でもすぐに出来たはずだ」
「大丈夫♪君達を殺す気なんてないから~魔王様が生きたまま連れて来いって言ってたしね♪」
「魔王...。」
「まぁ、話はこの変にしといて悪いけど無理矢理連れて行くからね♪」
そう言うと一気に魔力が放出された。
体がピリピリする。麻痺したように動けない。
誰か!!
そう思っているもいつまで経っても痛みが来ないと思って目を開けたらノアがいた。
「大丈夫か!!優斗!」
「ノア...。助けに来てくれたのか」
「まぁな、異変は感じていたから」
「また君か…邪魔しないでくれるかな?君に用がある訳じゃ無いんだけど」
「残念。俺は用があるんだけどな」
「優斗!康太を連れて逃げろ!!この近くに国王様の城があるそこまで走れ!」
優斗は何か言いたそうだったけど何も言わず走って行った。
「また、逃げられちゃうよ。君何?ナイト気取り?」
「そうかもな。だからこそここを通す訳には行かないだよ」
「まぁ、どれだけ頑張っても人間が俺ら魔族には勝てないけどね♪」
「それはやって見ないとわからないだろ」
俺は強く武器を握った。その瞬間、魔力が一気に流れて来た。
「お前本当に何者...こんなに一気に魔力、普通上がるか?」
「どう思う?レオン」
「確かに普通人間にしてはおかしいな。魔力も俺ら並出しな」
俺は一瞬で2人の背後に回った。
武器に魔力を込めそのまま振りかぶった。
グワァンッ!!
「うわっ!凄い速さだ」
やっぱり、避けられるか。
「ねぇ、レオンどうする?分かれる?」
「ああ、俺は勇者を追いかける」
「りょうかい!!」
やばい。それじゃ追いつかれ...ドクンッ!
何だ...いきなり意識が朦朧とする。
胸が痛い。ドクンッ、ドクンッ…
何かに乗っ取られるような...。
「おい」
「んっ、何?今君と話してないんだけ...」
ブシャー!!
血が一気に吹き出した。
ノアは手についた血を舐めた。
「アハハッ!やっぱり血は最高...」




