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いろいろ

とある青春映画のクレジット

作者: 檸檬 絵郎

※ この物語はフィクションです。作中に登場する映画および人物はすべて架空のものです。


 フライヤーの文言にかれて、私はとある青春映画を見た。


 期待したほどでもない、平凡な青春映画だった。

 どこにでもいるような主人公と、ちょっと生意気なヒロイン。歯が浮くような青くさいセリフの連続。変わったことといえば、ヒロインの母親がサスペンスドラマ好きだという謎設定がことあるごとに強調されるってことくらい。で、主人公とヒロインは一緒の大学に行くか行かないかで揉めたりする。……そんなこんなでようやく終盤。そのころにはお供に買ったチップスとジンジャーエールも底をつき、私は窮屈な座席に腰を下ろしたまま、ぴかぴかする目の前のスクリーンを眺めながら暇を持てあましていた。


 やがて、主人公とヒロインとが一緒の大学に受かり、ストーリーが終了。爽やかなエンディング曲とともにクレジットが流れ、それも終盤に近づいたところで ―― ようやく喜劇は起きた。






 ***





 この映画はフィクションです。実在の人物・出来事を扱ったものではありません。




 未成年の飲酒・喫煙は法律で禁止されています。また本作の製作において未成年の飲酒・喫煙は実際におこなっているものではありません。




 公道での自転車の二人乗り走行は法律で禁止されています。また本作の製作にあたって、二人乗りシーンの撮影では公道を使用しておりません。




 本作の舞台は東京都となっており、実際の撮影も都内でおこなわれておりますが、作中の町名・学校名・団体名などはすべて架空のものです。




 作中人物の名前には日本国内に実在する姓氏および名を使用しておりますが、すべて架空の人物です。同一の姓氏または名を有する個人を意識したものではありません。




 作中、「田中」という不良生徒が登場しますが、全国の田中氏を貶める意図はありません。他の人物についても同様に、特定の姓氏および名を貶める意図はありません。




 作中、ヒロインの母親が視聴していたサスペンスドラマは、本作製作にあたって製作チームが一から製作したものであり、盗作ではありません。また、オッカサンテレビは架空のテレビ局であり、実在するものではありません。




 殺人行為は法律で禁止されています。作中サスペンスドラマ内における殺人シーンの製作にあたって、実際の殺人はおこなっておりません。出血などの表現は撮影用の特殊メイクを使用しており、人体に影響はありません。




 作中の入学試験において、設定上主人公とヒロインは不正はおこなっておりません。正々堂々と勝負してのハッピーエンドであり、ご心配にはおよびません。





 ***






 そして、製作会社名が表示され、エンドマーク。


 私はなんだって、こんな映画を見る気になったのだ。

 映画館を出た私は、カバンからフライヤーを取りだし、そのあおり文句を見る。


 ―― 衝撃のラスト! 圧巻の伏線回収劇!





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― 新着の感想 ―
[良い点] なかなかのブラックジョーク。 なるほど。確かに衝撃のラスト……? [一言] エンディングなんて流し見で、内容見てない……。 こんな注意書きだったら見るかもw
[良い点] なんというブラックジョーク! …ジョークですよね? ジョークにならない方向へ、世の中が歩んでいっているような気がしてしまうのですが。 風刺かガツンと効いた作品でした。
[一言] 間違いなく衝撃のラストかもしれない。 でも、こんなクレジットが流れてきたら嫌です。これこそ「映画泥棒」ではないでしょうか⁉︎
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