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第九十一話

「スゴイねーゲカイちゃんはー

何でも解除出来ちゃうのかい」


この解除の能力については

是非詳しく知っておきたい。


「兄貴、頼むから普通の話し方に戻ってくれ」


これが普通なんだが


そう返す俺だったがヨハン以外も同意だった。


「キモいっすよ」

「だな」

「でござる」

「ですわ」


そうかな・・・。


「アモン様、私は子供ではありません」


 ゲカイちゃんの説明によると

解除能力の有効活用の為に受肉を選択

更に解除の有効射程が短い為

対象に接近しなければならない

なので、大人よりは警戒の薄くなる子供を

選択したという事だ。


 確かにこんなカワイイ女の子が

接近してきて身の危険を感じる奴は

いないだろう。


「・・・接近自体に気が付かなかったけど」


俺は広場での邂逅を思い出して、そう尋ねた。


「あれは自分の存在の認識を解除しました。」


ならばどんな背格好年齢でもいいのではないかと

思ったのだ。

 そして色々、解除能力について質問した。

ゲカイは全て分かりやすく答えてくれた。


 同時に複数解除は出来ない。

存在の認識(存在は解除出来ない)を

解除すれば敵の索敵から外れるが

存在を示す能動的行為をしようとすれば

解除が解除されてしまう。

 あの時は、俺達の会話の中に

アモンというキーワードを聞き取った

彼女が発声したため、そこで解除が切れ

俺達にしてみれば突然目の前に

現れた格好になったのだ。


複数の解除が出来ない為に

相手を油断させる外見が必要になってくるワケだ。


 解除の対象は基本何でも

これはかなりズルい

魔法はもちろん、物理現象も

全て無しにできる。


 ただし発生直後と自分の周囲に限る。

これが少しややこしい

太陽そのものを消す事はできないが

降り注ぐ太陽光は常に新しい光を

発し続けているので自分の周りだけ

解除可能だが、それまでに浴びた

日焼けはどうにもならない。


 公園での出来事になぞらえるなら

俺は消せないが自分に飛んできた

俺の光線を消すことは可能。

解除前に命中してしまったらOUT


 試しに俺が蒸着で作った

チャッキーのナックルを解除して

もらったが効果は無かった。

 作成から時間が経過しているため

存在が時空に固定されているからだそうだ。

作成直後なら元の金属粒子に戻せるそうだ。


「なんで俺ので試すんすか」


俺があげたモンだろうが


 その時空に固定される時間が

何秒なのかはモノにもよるそうだ。


チャッキーの尻に当てた金属弾に関しては

変わった結果になった。

作ってすぐ射出した弾丸はチリになったが

予め作成しておいた弾丸は運動エネルギーだけが

解除され、ポトリと彼女の足元に落ちたのだ。 


 俺の高〇クリニックで解除した皮は

どうなるのだろう

俺のお宝は大人として時空に固定されている

のだろうか気になった。


早速お願いしてみよう。


 俺はズボンを降ろそうとしたが

またもやチャッキーに全力で阻止された。


 説明と実演を経て

デビルアイで解析した結果

ゲカイの解除は一種の時空系能力だ

部分的なタイムスリップだ。

「オールラウンド今の無し」だ。

上手く使えば無敵の能力になる。


「そんなワケでゲカイに協力を

頼んでみようかと思うんだが」


「イイんじゃねぇか、兄貴の命令なら

喜んでやってくれそうだぜ」


 受肉の為、空腹を訴えたゲカイ。

実験の為、あれこれ能力を使わせ過ぎたかも知れない


 丁度、チャッキーとヨハンも夕飯を欲していた為

買い出しに行き、今ヨハンと隠れ家のキッチンで

料理しながら俺とヨハンはそう話していた。


 チャッキーもゲカイも料理は出来ないそうだ。

二人とも単独行動の時にはどうしていたのだろう。


 ババァルとお供二人は転移で魔都に

戻っていった。

「また、お会いしましょう。」

と、言っていたので

また、いつ現れるか分からない状態だ。


 魔王の能力を行使は出来ないが

知識として役に立った。

ゲカイの能力の解析も

魔王の技を伝授してもらったお陰だ。

転移も時空系の能力なのだ。


 メシを作りながら今後の方針をヨハンと話した。

ゲカイの解除で悪魔を炙り出し

チャッキーの名の下に鉄槌を下していく

場所や重要度はヨハンに任せた。

と、いうか彼以上の適任はいないだろう

かって知ったる自分の所属していた組織なのだ。


「そういえばベレン滞在中のハンスから

聞いたんだが」


俺はベレンに居る9大司教の「流のパウル」

あのババァル処刑未遂の際

最後に言い残す事はと聞いていた神父

についてヨハンに聞いた。


「あぁ、あいつかぁ・・・。」


 反応はあまり良く無い

当然知らない仲では無いだろうが

良い関係では無かった様だ。


「武が軍事なら流ってなんだ、何やってんだ」


 ヨハンの説明によると

人・物・情報の管理が「流」の役割だそうだ

成程、ベレンに居るのも当然だ。

川を使った物流と各地方の人の行き来が

最も盛んな都市だ。


ていうか元の世界で言えば

「流」ってCIAみたいなモノじゃないか

滅茶苦茶重要だぞ。


領主よりも重要な人物かも知れない。


「先に押さえておくか・・・。」


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