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第七十八話

さて、戦闘だが

周囲にいるのは気配及び俺の各感覚器官で

分かっているのだが、場所が特定できない。


そういう能力だ。


影のダークは文字通り影を利用した技だらけだ。

アモンサイクロペディアでも絶対にダークの

居る影に引きずり込まれるな、と書いてあった。


ダーク対策は簡単だ。

浮いていればいいのだ。


体が影に接触していなければ

ダークは攻撃の為には

手近な影から飛び出すしかない。


また、影から影の移動に関しても

重なっていない影に移るにも

一度、影から出なければならない。


気になったのは夜の場合どうなるのかだ

まぁ今、丁度その夜なわけだが

幸い影が出来る程、月明かりが明るい

今もってなお攻撃を仕掛けてこない事からも

ほぼ昼と同様と考えて間違いない。


 相手も隙を伺っているのだろう

まだ仕掛けてこない。

影の中に居られるタイムリミットは無いので

向こうも焦る必要は無いのだ。


 このまま警戒を続ければ先に集中が

切れるのはこちらだ。

それを待っているのだ。


「試してみるか・・・。」


失敗してもデメリットは恥ずかしい事位なので

誘い出す作戦をやってみる事にした。


「この中にひとーり!!」


多分、赤面してる俺は大声を張り上げる。


「忍者がいるぅううう!!」


「拙者は違うでござる!」


「そこだああああああ」


俺は返事のあった影に悪魔光線を放った。

光線は影に突き刺さり、その瞬間

光線の光のせいで影は消えるが

軽い爆発と共に人影が飛び出す。


もんどりうって転がる、その物体は

人型サイズだ。

身長は低い、160cm位じゃないか

服を着ている。

本当に忍者みたいな恰好だ。

日本刀を背負っていた。

竹輪好きの忍犬とペアのアイツを

そのまま悪魔化したような奴だった。


 俺は超加速して、飛び出した悪魔に

襲い掛かる。

接近中に殴りやすい様にサイズも変える。

 そして拳の連打、相手は悪魔だ。

手加減無用でいい

今までの手加減でストレスが溜まっている。

ここで発散させてもらおう

デビルアイで相手の状態を見ながら

魔核を壊さない様に注意しながら

動けなくなるまで殴る。


 体を構成している金属粒子に

相手の力が通わなくなり始めた。

動けなくなって来ている。

これなら影も操れまい

フヒヒ

 

俺はダークの胸ぐらを掴み上げると

お約束を実行する。


「これは俺の分!!」


観客に見える様にオーバーアクション気味で

右ストレートを叩き込む。


「へぶぅ」


10m位水平飛行すると着地し

そのままゴロゴロ転がる。

俺は間髪入れず追いつき

また胸ぐらを掴み上げると


「これは俺の分!!」


今度は左フック。


「ぷぎゃ」


走ってる最中に外れた車輪のように

キレイに回転し、大きな円を描くように

ダークは転がった。

新体操の演技の様に

俺は先回りしてキャッチすると

また胸ぐらを掴み上げ


「そしてぇこれはぁ!」


お前が護衛だったと思えばこそ

守るのはハンスだけでイイと

思ったんだぞ。


ババァルが酷い目に遭っちまったじゃねぇか


「俺の分だぁあ!」


右フック。

多分モーションは素人感バリバリだが

威力は問題無い。

ダークは目の前で縦回転して滞空している。


もう戦闘不能だろう。

これでコイツに奥の手を使わなくて済んだ。

俺は勝ったといった感じで隙だらけの状態になる。


「兄貴ィーー後ろだーー!!」


ヨハンが叫んだ。

流石だ。

よく気が付いた。


勝利を確信した瞬間の無防備な状態

これが絶好の必殺の機だ。

この瞬間に絶対来ると思っていた。


影に引きずり込まれるな、この事は

影に他人が入れるという事でもある。

自分より強い奴と戦いにいくなら

入れるだけ仲間を入れていく


「貰ったぞ!アモンッ!!」


そう叫び、高速で突っ込んでくる人影。

俺は振り返り、しまったという演技を

しながら相手を確認する。


女性だな。

なんか宇宙海賊みたいな恰好だ。

手にしているのもサーベルだ。

やべ

こいつは多分

本当なら一位争いを出来る位の実力だが

本人が「7」という数字に拘っていて

7位に喜んで甘んじている

魔神13将・序列7位「貫のナナイ」だ。


・・・・名前のせいじゃねぇの


ナナイのサーベルは見事に俺が

一か所に集めておいた魔核を貫く。

細い刀身には、やはり刻み文字があって

漢字だと思って無理やり読むと

「冠婚葬祭」と読めた。


「しまったあーーーー!!」


大袈裟に叫ぶ俺。


「兄貴ぃーーーーーー!!」


本気で絶叫するヨハン。

彼はこのカラクリを知らないか


 横眼でベルコニーを見てみると

叫ぶヨハンの横でも

悲鳴を上げるプラプリやら

放心状態のチャッキーやら

・・・死ぬなよ頼むから

そうか

みんな知らないよな


「フッ。油断するクセは相変わらずだな」


サーベールを根元まで差し込むナナイは

したり顔だ。

だそうですシンアモンさん。

今回も油断でヨハンにやられたんだよね

そう言えば


「やっ・・・やられたぁあああ!」


「あ兄貴ィー・・・。」


「フッ。先に魔界へ帰っていろ」


ベネット戦での反省

武道の心得の無い俺が

まともな戦闘しても

いいようにやられるだけ

悪魔は必ず魔核を狙ってくる


「くっそおおお何て事だぁあああ」


「・・・・兄貴?」


「フッ。勝負は私の勝ちだハハハハ」


段々頭に来る俺。

少しは不審がれよ

魔核破壊されて、こんな元気なワケないだろ。

ヨハンの方が勘付いてるじゃねぇか


「ぬわぁあああ悔しいなぁああ」


「何か飲むか、チャッキー」


「フッ。これで一位とはお笑いだ」


俺は両手でゆっくりとナナイを抱きしめる。

そして、その腕の速度は変えない。

ヨハン達は引っ込んでしまった。


「俺は負け犬だぁああ」


「フぐぅ・・・ちょアモン?」


ミシミシ音を立てて俺の腕は

ナナイに食い込んでいく。


「ふっ じゃねー何故魔核を破壊されて

生きてるって驚くトコだろがああああ」


「痛たたたたたたやめやめやめて」


どんだけ実力があろうが

この状態だと「力」以外は

何の役にも立たない。


「得意気にネタバラシする楽しみ

奪いやがって、だからバカ女はやなんだ」


「ギャーー死ぬ死ぬ死んじゃう」


歌詞などで、たまに見受けられる

壊れる程抱きしめて

実際に行うとグロい。

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