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第五十六話

 ベネットは今回の魔王はババァルだと言っていた。

そう呼ばれた魔王も否定する様子は無く

キョトンとしていた。


そうキョトンとしていた。


もしかして今回の魔王はカルエルの言うヴァサーで

ベネットは俺達をハメる為にババァルと偽った可能性も

確かに残る。

 

 あの巨乳美女は本体ではなく

俺と同じ人化した姿だ。

俺がその気になれば他人の姿にだってなれる様に

人化した姿からは中身の特定は出来ない。


しかし、何の為に偽るんだ。

可能性としては

実はもっと上があるが、コレを最高と戦力を見誤せる

一種のブラフとしてくらいしか思い浮かばない。


ただ魔王は戦力0だ。

階位を見誤らせるメリットがあるのか

その戦力0もベネットの話だけだ

全部うまく乗せられているかも知れない。


ちょっと捨てた事を後悔するが

同時に捨てて良かったとも考えた。

相手は技のベネットだ。

戦いなら俺が強いが、化かし合いとなると

多分、勝負にならない。

現にこうして今も振り回されている。


「まっ待つのじゃ。今回の魔王はババァルと

聞いたが、まさか二人も来たのか」


 ヴィータも焦りを隠せない。

一番強い暗黒魔王ババァルだけでも

相性最悪なのに、更にもう一人

・・・・・。

何番目に強いんだっけ

確かプリプラが言っていたが

適当に聞き流していたので

全く覚えていない。


とにかく、もう一人となると

絶望的状況とヴィータはそう考えたのだ。

もう一人とは俺は思っていなかったが

その可能性もあるのか。


「えーとですね。年の頃は」


ハンスが魔王の外見の特徴を説明し始めた。

だからソレ意味無いって

って変化出来ない人間には無理な発想か

何者かを特定する手がかりだと

普通は思うわな。


「もの凄く豊かな胸をお持ちでした」


ばかぁああああ

それは言うたらアカン


ヴィータの瞳が急速に冷めていく。


「あ、それならババァルですね。私の

予定・・・想定とは違うようです。」


 ここでチラりと俺を見るカルエル。

この意味はプレイヤーバランスを取る為

事前に設定した運営側では魔王ヴァサーを

出現させる設定になっていた。

 カルエルは魔王を「彼」と表現していた。

つまり男性、男性型魔王。

真の姿はともかく、通常の状態では男の外見

それ以外のアバターは用意されていなかった。

 だから巨乳の若い女性。

この証言に当てはまる魔王。

それにババァルのアバターが合致しての

セリフという事だ。


 ババァルのデビルアイは俺より上位だった。

なので手下に偽装させたという可能性はほぼ無い。

魔神13将:1位より上位なのだから

魔王なのは間違い無い。


 これは

単純に太郎の記憶違いか

太郎がログインした後、

何らかの理由で運営が予定を変更したかの

どりらかであろう。


 そして、これはもうはや俺の祈りの様なモノだが

太郎の話、想定が根本から間違っている。

ここは現実の異世界で

ゲームは限りなく酷似しているという可能性だ。


「・・・アモンよ」


ヴィータが何やら深刻な様子だ。


「我の所に戻ってきたのは、やはり聖刻のせいか

魔王の元に帰りたいか。」


なんで魔王が巨乳だと、俺がそうなるんだ。

・・・・。

なるのか。

いや

認めたら負けだ。


「なんでそうなるんだ。」


俺は努めて冷静に言った。

冷静に見えているはずだあ。

俺は冷静だぁ。


「胸がデカい方が良いのじゃろう」


そうです。

いや違う。

俺は冷静なまま答えた。


「関係無い」


ヴィータはいつもの顔に戻ると

勝った様に言った。


「言うたな。胸なぞ関係無いと」


あれ?


「安心したぞや。」


もしかして

おれは、おっぱいを封じられたのか

おっぱい封じって何だ。

それ封じられるとどうなるんだ。

あれ?


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