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第四十八話

 バロードの村外れに着くと俺は

ハンスを下ろし荷物を預けた。


「アモンさん・・・。」


「ちょっとコイツを捨ててくる。まぁ朝までには

戻るからみんなによろしく」


俺は背中の創業祭を親指で指さし言葉を続けた。


「コレ持ち歩くのは危険だわ」


 蒸着で作成した疑似声帯は既に

外してある。コイツ特有の魔力の波動、

まぁラジオの周波数みたいなモノだ。

 それも俺の方でカットしているので

もうベネットの言葉を聞く事が出来ない。


 影の一件で俺はベネットを信用出来ないと

完全に判断した、それだけでなく危険と認知した。

 持って帰る気は無い。


 ここで、ぶっ壊しても一緒なのだが

ハンスの前では何故か気が引けた。

 

 俺は再び翼を起動させると

一気に上昇する。

 ハンスが何か言いたげだったが

聞かずに飛び立った。


 自分でも良く分からないが

凄い頭にきている。

力いっぱいで上昇すると

3秒程で、もう成層圏に来た。


 俺は外した疑似声帯を創業祭に

再び付けると、問いただす。


「テメぇ俺をハメる気だったな」


 自分でも驚く。

俺は怒っているがクールに話すつもりだった。

だが、いざ口を開くと出てきたのは

汚い罵声だ。


「お待ちを、言わなかったのには

理由があるのです」


俺はキレた。

第一声が謝罪だったならばまだしも

言い逃れとは許せん。


「言ってみ」


「そうですね。今の段階で

どこまで説明できるかとなると

うーん、アレですが決してあなたとって

悪い話では」


 最後まで聞く気は無かった。

俺は魔核を外すとありったけの力で

宇宙空間にぶん投げた。


「俺がどうしたいか知らないのに

いい話も悪い話を判断出来る訳ないだろうが」


 俺は、とっくに見えなくなったベネットに

そう吐き捨てた。


「考えるのを止めるまで漂ってろ」


第一声が謝罪だったなら

俺は許し・・・・

同じだったろうな

そんなに心が広くない。


 破壊しなかったのには仮説に基づいた

考えがあっての事だ。


 魔王のエネルギー供給が全悪魔の魔核に

行き届くならば、破壊された魔核にはどうだろう。

 電球で考えると光らないワケだから

電気は消費されない。

 ならば壊すより残した方が魔王の負荷になる。

さらに考えると壊した場合、残された悪魔への

供給量が増えて強化されるのではなかろうか。


 そこいら辺に壊さず捨てれば周囲の物質を

加工して再生してしまう。

 しかし、宇宙空間となると他の物質が無い

運よく隕石にでも当たらない限り

たまに水素原子がぶつかる程度だ。

 体を再生する為の材料が無いのだ。


 後は魔王からの力の供給が距離に関係するか

どうかだが、その辺は最悪でも壊した場合と

同じなので危険度は増さない。

 そう考えたのだ。


 せっかく栄えている街にいって

気分良くなるハズだったのに

不機嫌にしやがって


 出来る限りの遠投をするために加速したせいで

完全に宇宙空間に出てしまった。

 服や装備品が心配だったので半人化から

悪魔化して体内に収納する。

 これなら自由落下の際、大気との摩擦で

燃える事は無いだろう。


 甘かった。


熱い。やばい溶ける。


 慌てて翼を起動して制御しゆっくり降下する。

一度大気圏内に入ってしまえば後は

自由落下に任せる。


 アニメかするなら是非OPに

ってこれは前に言ったか。


 落ちながら以外につまらないと感じていた。

初めての時は面白かったが二回目はつまらない。

スカイダイビングが楽しいのは

人間が自力で飛べないからなのではないだろうか。


 ここで俺は完全膝カックン耐性に

反応がある事に気が付いた。

 何千メートルだか分からないが

こんな上空でだ。

 鳥が飛べる高さでは無い。

航空機があるはずも無い。


「・・・なんだ?」


同じ悪魔では無いかと推測し

デビルアイで接近する物体を捉えて

俺は驚愕する。


接近する物体は俺だ。

いや

俺が操作するハズだった天使のアバターだ。

じっくり作り込んで細部まで覚えている。

間違い無い

俺が作ったキャラだ。

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