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第四十七話

 確保した俺の分のドラやきもどきを

あっという間に平らげるとババァルは

我に返った。


「あら、いやですわ私ったら・・・。」


恥ずかしがっている。かわいい

いいんですよ

女子はみんなそんなもんです。


「ところで、ババァルはこれからどうするんだ」


「神との決戦に向けて精進いたしますわ」


「じゃなくて、今日これからだ」


「今日から頑張りますわ」


ええいポンコツ。


「いや・・・この街に泊まるのか

それとも仲間の悪魔が誰か迎えに来るのか」


「あら、それでしたらご心配無く

転移で身内の所まで移動いたしますわ」


ああ、そうだ転移使えるんだったけ


「それ、どこでも行けるの」


「教会とか、神の結界が強いところは無理ですわ」


 さて帰るか。

まてよ・・・影の中の奴。


 ババァルに気づかれること無く影の中に

侵入出来た奴だ。

 さすがにデビルアイの持ち主相手には

警戒もしている今、俺の影に移動は出来ないだろう

 しかし、相手がただの人間ならどうだろう。


「よしハンス君、帰りはいつも通り・・・。」


「・・・はい。」


 俺が何を言い出す気か察する事が出来ないハンス君。


「肩車で帰ろうか。さぁ乗ってくれ」


 ベネットの影に入る可能性も考慮したので

素早く背中に装備する。

 その際、影の中を走査して何もいないのを

確認しハンスの足元でしゃがんだ。


「えっ?」


「えっ?」


「まぁ良かったですわねハンスくん」

 

 真ん中の「え」はベネットだ。

油断ならん、やっぱり影に何かさせる気だったに

違いない。


「さぁ早くハンス君」


「あ・・・・はい」


俺の真剣な眼差しにただならぬ気配を感じ取った

ハンスは訳の分からないまま言う通りに

してくれた。


「じゃ、またね」


「はい、御機嫌よう」


 店内の客はもちろん従業員にもすごい注目を浴びる。

恥ずかしいが耐えろ

せめて店をでるまではこうした方が安全だ。

 こういう時は恥ずかしがったら負けなので

俺は出来る限りの怖い顔で回りを威嚇しながら歩いた。

 上のハンスはどんな顔しているのか分からないが

多分この羞恥プレイにきっと新たな自分を

発見してくれているに違いない。

 そう思うことにしよう。


 勘定は先程と同様の俺製金貨で支払った。

銀貨も作れなくは無いのだが、銀の方は

金と違って武器としての用途が多いので

そちらに回したかったのだ。

 大量のお釣りが来た。

俺製金貨でひたすら両替だけしていれば

銀の入手なら、その方が効率が良いのかも

しれないが、どっかの国の奴が

昔500円硬貨に近い自国の安硬貨で

販売機荒らしを行った、せこい事件を

思い出して止める事にした。


 あんな連中の様にはなりたくない。


「あの・・・アモンさんいつまで」


忘れていた


「おぅスマンもう大丈夫だろう」


俺はハンスを肩車したまま街を往来していた。

半人化状態での体力は人間のそれとは比較に

ならない程大きい。


 俺はハンスを下ろすと

なんでこんな事をしたのか説明した。


「そうですか・・・危ないトコロだったのですね」


俺がハンスを辱めるのが目的で無い事を

理解してくれたようでなによりだ。


 ベネットに「残念だったな」と声を掛けるが


「何のことでしょうか」と、とぼけられた。


 折角なので、帰りがてら女子達の喜びそうな

物をお土産に見繕っていく。


 ベレンの町を出る時も、簡単な検査だけで

直ぐに出る事が出来た。

 もう夜も更けて来たというのに

まだ、入って来る人が大勢いるのに驚いた。

 本当に眠らない町なのか。


 例によって人気の無い所まで

移動すると悪魔化してバロードの村に

向かった。


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