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第百十一話

「てな感じでカッコよく飛び出したんだが

どうしたらいいかアドバイスくれないか」


「何で私の所に来るですか」


バリエアを飛び出した俺は

どうしていいか分からず

この段階で唯一頼れる

ストレガを深夜まで掛かって

探し出し、縋り付いた。


ログインから今までを全て話し

ババァルのくだりでは

わざわざ完全人化し

わんわん泣いた。


「その、プリプリの木にいる

元の世界のお仲間に相談したほうが

良いアドバイスしてくれると

思いますです。」


プリプリ

誰それ


「それは出来ない」


「何故です」


「カッコ悪いから」


「今までも決してカッコよくは」


「だまれー」


それにしても

深夜の真っ暗な森の中

灯りも無い

俺もストレガも暗視スキルがあるので

二人なら要らないのだ。

そんな中

悪魔と死神っぽいのが座りながら

話している。


すっげー絵だ。


この世の終わりだよ。


もし

ここに冒険者が通りかかったら

ビックリするだろうな。


冒険者

これだ


俺は冒険者としてベレンに潜り込む事にした。


「顔バレしてるのではないですか」


「あーそうだな・・・・これでどうだ」


俺はカルエルの顔に

自分の顔を変形させる。


作り込んだ自慢のキャラだ。

もう各数値は完全に頭に入ってる。


「・・・・素敵。」


「分かってくれるかストレガ

お前いいやつだなー」


ローブの下でカツンカツン乾いた音を

立て始めるストレガ


自分の骨と骨がぶつかる音だ。

・・・・モジモジしてるのか。


「あのー、私も人間の外見とか

出来ないでしょうか」


カツンカツン鳴らしながら

ストレガは言ってきた。


「なんで」


「東に行けなくなってしまいました。

このまま審判の日がくれば

増々私の存在も危険に

晒されるんじゃないかなと」


東の魔都なら

神側の陣地の西より

まだ安全だと考えそうアドバイスしたっけな

しかし、魔都はもう無い。


「だな、お前に安息の地は無い」


俺より大変じゃないか。

可哀想に


「なので、人間の外見になれれば今後、便利かと」


俺は羊の皮を被った山羊と言われた男だが

人の皮を被ったスケルトンか


面白そうじゃないか


俺は早速

シリコンラバーをベースに

人の着ぐるみを作ってみた

被ってもらったが

余計怖かった

作り物感がハンパじゃない


遠目なら何とかなるが

会話とか出来る距離じゃ

相手がよっぽど目が悪い人でない限り

悲鳴を上げるだろう。


「ハァー私にもゼータみたいな

モノを自在に操作する力があれば・・・。」


「・・・やってみるか」


相手が望み、自分にその力がある。

条件的には問題無いが

スケルトンに魂ってあるのかなぁ


「え?何をですか」


「ヨハンの二の舞」


「私、人間じゃないんですけど

契約って出来るんでしょうか」


「だめ元だ。試して見ないか」


俺はストレガに

成りたい人の外見を

強くイメージする事を

伝える。


これが

中途半端だと

恐ろしい事に

中途半端なまま

落書きのような外見に

忠実にトレースする危険大なのだ。


「んんん待って待ってまだ」


「いいよーゆっくりで」


カツンカツン言わせながら

頭を抱え集中している。


「あああごめんなさい時間かかちゃって」


「いいよ、いいよ、納得するまで頑張って」


キャラメイクだけで一日終えたって

普通だよ。


「来たわ。今よ」


「いくぞー」


契約スタート。


身体の構成自体は俺のコピーでいい

クリア

問題の外見は完全に相手にお任せだ

クリア


終了


速っ

ヨハンの時とは違い

俺が細かく弄らないので

あっという間だった。


暗視だと荒い上に

色も白黒なので。


俺は灯りを着け

姿見の鏡を作成してやる。


恐る恐る鏡の前に立つストレガ

フードを後ろにやると

青紫のミドルロングストレートが

揺れた。


「これが・・・私。」


色白の肌。

左の瞳は赤

右の瞳は青のオッドアイ

尖った顎


年のころは15歳前後だろう

少女でありながら

怪しくも妖しい


萌え声も相まって


中二病初期によく発症するキャラになった。


良いじゃないか


「・・・ふつくしい。」


俺はそう言うとストレガの背後に立ち

一緒に鏡に映る。

カルエルも中二キャラなので

相性バッチリだ。

なんかストレガが吸血鬼で

俺がただ一人の眷属とか

そんな設定でいけそうなビジュアルだ。

痛いけど良いぞコレ


嫌いな人はドン引きだ。

だが好きな人は自家用車に

デカデカと描画してくれるだろう。


よし

早速出来の方を確認しよう。


まず飛行

いきなりつまずいた。


ストレガは翼を作成出来なかった。

悪魔の標準装備なので

悪魔でないストレガには発生しなかった。


宇宙線の制御は若干だが出来た。

翼が無い事も相まって能力としては低い

浮く程度、移動は歩く程度

地上の障害物を回避できるので

便利ではあるだろうが

超音速飛行は目指しても無駄な努力になりそうだ。


悪魔光線

再現不可能だった。

体内の圧力をそこまで上げられない。

更に言えば操作出来る金属も

融点の低い金属に限られた

鈴や亜鉛、アルミなどだ

辛うじて銀を使えたので

1000度くらいまでが

ストレガの限界の様だ。

ニッケルや鉄を扱えないのは痛い。

強力と呼べる武器防具の作成は無理だ。


デビルアイ

再現不可能。

これも悪魔の専用装備だ。

まぁ名前からしてそうだよな。


悪魔ボディに骨を埋め込んだ。

スキルはスケルトン由来に依存するようだ。


「・・・なんか、すいません」


がっくりと謝るストレガ。


「いや、こっちこそゴメン

改造の方向を誤ったとしか言えん」


「いえいえ、私の願いは叶いました」


姿見の前でポーズを取るストレガ。

まぁ現状の能力でも

ただのスケルトンより格段に強いからな。


「射出・・・そうだ」


鉛ならストレガでも操作出来る。

1000度まで加圧出来るなら

それなりに強力な中距離武器になる。


俺はコツを教える。

同じボディなので相手も理解が早い。


アルミを弾丸にしたときは殺傷力が低いが

飛距離は出た。

命中精度は要練習だな。


鉛を弾丸にしたときは

極端に飛距離が落ちたが

威力はスゴイ

太目の樹木でも折る。


状況によって使い分けてもらおう。


色々教えている内に

ストレガはすっかり弟子になってしまい

俺の事を師匠と呼び始めた。


ベレンに一緒に行って

俺の復讐に協力すると言い出した。


俺は考えた後

準備の手伝いまでお願いした。


決行の戦闘は俺一人でやる。


天使の戦闘力を考慮した場合

申し訳ないがストレガは戦力にならない

何よりもこの戦いは俺の戦いだ。


「だから、もし良かったら

戦うので無く、見届けて欲しい」


誰かに真実を知っておいて欲しい。


ストレガは必ず見届け

後世に伝えると約束してくれた。


伝えるのは遠慮したが

これは俺の願いでは無く

ストレガ自身の希望だと

強く拒否られた。


まぁそれはストレガの自由か。


朝が近くなって来たので

俺達は冒険者風の装備をそれぞれ作る。

俺は軽装の戦士風

創業祭は目立ちすぎるので

片手剣Ver「感謝祭」を作った。

小型のラウンドシールドも装備した

これはいつぞやのベレン宿の三人組の

一人を参照した格好だ。


 ストレガは思い切って

この世界初のメイジだ。

人間でない感じがしても

それは魔法のせいだよと

誤魔化す事にも使えるだろう。

カーボンローブもお気に入りの様子なので

そのまま装備続行だ。

この前あげたステイックは

サブウェポンとして腰に

メインウェポンは領主に献上した錫の

魔改造タイプにした。

基本デザインは共通だが真っ黒で

煌びやかさは無く、禍々しい感じになった。

クリスタルも魔力に最も反応する

とっておきを付けた。

どうせ俺にには無用の長物だ。

このまま俺と滅ぶより

主となりうる人に譲渡したほうが

クリスタルも嬉しいだろう。


鏡の前で色々なポーズを取って

確認しているストレガは

一つ提案をしてきた。


「師匠、二人で冒険者登録をするなら

兄妹設定の方が便利では無いでしょうか。」


「ふむ、一部屋で済む上、男女関係無しでも

それならおかしくないか」


カルエルの顔を四大天使が知っている

可能性もある。


折角、完成した顔だがしょうがない

微調整するか


俺は髪の色をストレガに合わせ

瞳は同色で左右を逆にした

少し男っぽさを強調する為

顎のラインを角ばった感じにし

目はキラキラした大き目から

若干タレ目の半開き状態にした。

うん

正義のヒーローから

場合によってはキタネェ手も使いそうな

チョイ悪顔だ。


「これでどうだ。」


立ち位置をズラし角度を変え俺を

チェックするストレガ。


「流石ですお兄様」


まさか

それが言いたかっだけ

とかじゃないよね


こうして俺達は昼にはベレン北に

赴き、冒険者登録をした。

出展


羊の皮を被った山羊 マンガ BE-BOP-HIGHSCHOOLで使われたギャグ


これが・・・私   ありとあらゆる少女マンガで主人公がおめかしした際に必ず言うセリフ


流石ですお兄様   魔法科高校の劣等生のとあるキャラのセリフ 95割このセリフだけしか言わないらしい


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