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プロローグ

平成も30年が経過、

それでも色褪せない

昭和のギャグや文化を

色々残しておきたいと


それは正に地獄絵図だ。


まぁ地獄を見たことは無いが言葉にするなら

それが最適と言える光景だ。


魑魅魍魎って言うの?


蝙蝠の様な翼を背に生やし、

山羊の角、茶色とも紫とも

表現できそうな肌の色に猿の下半身と尾。


もーね、モロ悪魔


そんなのが何人いんのコレw

すんごい大勢いる。


そいつらの足元には死体だらけ


騎士だね、ウン知ってる。


西洋の甲冑を着込んだのが

ゴロゴロ転がってる。

手や足があり得ない方向向いてるのやら

そもそも取れちゃって無いのも転がってる。

どいつもこいつもピクリとも動かない。


はい残念。負け戦ですね。


俺は見渡す。


巨大な洞窟・・・だよな。


 丁度、体育館ぐらいの広さと高さ、

全部岩で囲まれ

その岩がほんのり光ってるのが見て取れる。


天然の照明になってる感じ、松明とか炎を

使ってないから酸欠の心配はしなくて済みそうだ。


その洞窟部屋の中央に

簡素な神殿っぽいのがある。


つか悪魔だらけで良く見えねえ


ギリシャの神殿に使われている様な

柱が見えるので神殿っぽいって思った。


悪魔どもは皆、中央に向いて絶叫中だ。


勝どきっぽいな、

なんかコンサート会場と錯覚しそう。


大盛り上がりのなか中央に

ひと際体格の大きい悪魔が右手に

何かを掴んだまま天にかざし吠えると

取り囲む悪魔軍団は興奮最高潮に

更に盛り上がる。


うるせえよ。


あまりにうるさいので俺は

集団から離れ、壁際に移動する

経緯が分からんので着いていけん。


離れて向かう壁に騎士とは風貌の

異なる人間がいるのが見えた。


司教っぽい服を来たそいつは壁に背をあずけ

力なく足を伸ばし座り、

すこーし斜めっている。


そいつの少し上の壁面は熟れたトマトでも

投げつけたような跡が見て取れる。


うん、そこに叩きつけられたのね。


ただ、そいつは死んではいなかった。


震える手で懐からビンを取り出し、

フタを開けようとしているようだが


死ぬ寸前だな、


開ける事かなわずビンは手からこぼれ落ち

転がってくる。

丁度、壁に向かって歩いている俺の足元にだ。


特に考えは無かった


誰だってそうするだろ


俺はビンを拾い上げると

歩きながら開け方を確認する。


ガラスの容器に同じ材質のフタ。

接合部にゴムで圧着してあるだけのタイプ


悩むまでもなく、フタのつまみに

手をかけ引っ張って開ける。


そいつの前でしゃがみ込み差し出してやった。


その司教は驚愕の表情を浮かべる。


驚くなよ

天使なんだからお前の味方だろ。


まぁ天使の俺を悪魔軍団が

放置してるのも変だし

この演出はどうかと思う。


後で太郎には意見してやろう。


「どうかお・・・お助けを」


なんだ飲ませろってか、

自分で飲めよと思いつつも俺は

手にしたビンを司教の

口元までゆっくりと動かすが

司教はそれに構わず

右手を伸ばし指さす。

震える腕、

最後の力を振り絞ってる感じだ。


「あのお方こそ・・我ら人類の・・希望」


司教が指さす方向は悪魔の群れの中心。


あっ助けろってそっちか


つかアレ人なの?

中央の悪魔たしかにデカイけど

掲げているものは

ラグビーボールぐらいだよ。

受け取れクソ猿とか言いながら

今にも投げそうだよ。


中央の悪魔は掲げている物を

胸元まで下ろすと

布をほどき始める。

布で巻かれた本体は


赤ん坊だった。


食らうつもりだよね。

僅かに残った布の端を鋭い爪の生えた指で

摘まみ上げ悪魔は大口を開ける。


俺は咄嗟に背の翼を広げて飛翔する。


その際に落ちていたロングソード

転がってる騎士の誰かしらのであろう

ロングソードを拾いあげ

一気に中央まで飛ぶ。


悪魔は今、まさに指を離そうとする

ギリギリ直前で、その腕をぶった切りつつ

赤ん坊をキャッチ。


カッコイイーといきたかったが


そうならなかった。


「あっちぃ!!熱いナニこれ」


思わず絶叫する俺。

だってハンパない熱い


思わず剣を投げ捨て、

赤子をお手玉状態にする。


ごめんね。

だって熱くて持てないんだもん。


足はなんともないハズなのに

お手玉のリズムと一緒にステップを踏む。

かろうじて巻き付いていた

布越しなら熱くない。


両手でその布ごしに赤子をキープする。


焦ったわ。


俺の腕、皮膚と皮膚の接触した箇所から

ブスブスと音を立てて煙が登っている。


赤子の方は何とも無いようだ、

ただお手玉したせいで激しく泣き出した。


ごめんて・・しかし大丈夫か俺の皮膚。


あらためて自分の腕を観察する。


茶色とも紫とも表現できそうな肌、

触れた箇所は赤く焼けただれた状態だ。


「え?なにコノ皮膚の色・・・これじゃあまるで・・・。」


切断された腕を抱え込みうずくまっていた

大柄の悪魔は信じられないといった表情で

俺を見上げ叫んだ。


「裏切るのか?!アモン!!」


足、腹を見て、片手で頭部の角を触る

俺は自分が取り囲む悪魔軍団と

誰が見ても同種の姿をしている事に

やっと気が付く。


問われた件についての返答は


幼い頃からクラス替えの度に言っていた

「お決まり」の返事


それが無意識に口をついて出た。


「宮本ですけどアモンではありません」









出展


    アモン:デビルマンの本名

   宮本亜門:演出家、ネスカフェが好き

受け取れクソ猿:アメフトマンガ アイシールド21のセリフ

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