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地獄戦隊ヘルファイブ  作者: シア・ヨネク
7/12

2ー1 刑事ドラマに昼の再放送は当たり前

空は厚い雲で覆われていた。

今にでも雨が降って来そうな灰色の雲は風に乗せて東に向かって行く。

そんな空の真下は当たり一面がゴーストタウンと化していた。

右も左も廃墟が転がり、地面は瓦礫で散乱し、音は何一つ響かず静寂しきったまま。

生物のせの字すらいない全てが終わったようなこの世界で俺は空を見上げたまま佇んでいる。















というのは夢だった。

今個室のベッドで寝ていた俺は目覚めた。

目覚まし時計の代わりとなる小鳥たちのさえずりで布団を半分被せたままベッドから起き上がる。


(夢…か…………現実味のある夢だったな)


全てが崩壊した世界、リアルに映し出されたあの夢は本当に夢なのだろうか?あの景色が初めて見た気がしない。あの世界に心当たりがあるような気がしていたのだ。


昨日のイタリアの業魔を見た時と同じ何かを思い出そうとしていた。

もしあの風景が本当の記憶の一部だとしたら………


(…んなわけ無いか。大体そうだとしてもあの風景のどこに確証があるんだ。確証の無い物事を考える事なんざ無意味だ)


そう結論し、ベッドのすぐそばに置いてあるスリッパを履き、ベッドから立ち上がる。そして部屋全体を見渡しふと思う。


「今日からこの部屋で生活するんだな」


そう、ここは閻魔堂の近くのマンションの個室、即ち俺の帰るべき場所。

昨日、住む所が無かった俺に成子がこの部屋を用意してくれた。

成子曰く「都内で人気のあるマンション」で家賃は月一で約10万と高いが成子がその分保証してくれる。

なので今日から俺はこの部屋で生活する事になった。


「…確か朝飯として藜の差し入れがあったな……ああこれだ」


冷蔵庫を開け、置いてある食パンの袋を取り出す。

これは藜が新居祝いにとくれた物で彼女の行き付けのパン屋の中で一番美味しいとされる。

その食パン一枚を取りだし、小型のトースターに入れたと同時にテーブルにあるリモコンでテレビをつける。丁度ニュース番組の天気予報をやっていた。


『今日の天気は晴れ、気温は17度と昨日より暖かくなるでしょう』

「ここの季節は第一世界と変わらないんだな」


天気予報を伝える女性のお天気キャスターが映るテレビの前に俺は関心を抱く。

あの世と同一であることを除けば現実世界と同じような物か。


そんな事を考えていたら焼き上がりを知らせるトースターの鐘が鳴ったと同時にテーブルの角に置いてある紺が新居祝いにと買ってくれた最新機種のスマートフォンのベルが鳴る。

トースターから焼き上がったばかりのパンを取るのを後にしスマホを手に取る。

バイブし続けるそのスマホは通話出来る状態になっていてそ画面には『成子』という文字がありその左下の青いボタンを押してスマホを耳にあてる。


『もしもし、おはよー、気分はどう?』

「おはよう、普通だ、どうしたんだ急に?」

『先程業魔が現れたらしいから直ぐに閻魔堂に来て欲しいんだけど』

「またかよ!?昨日倒したばっかだぞ!?まあいいや出来る努力する」

『ごめん、まさか2日連続で来ると思って無かったから。詳細は閻魔室で』

「分かった」


そう電話を切った後俺はため息をつく。


「訳ありの人間が業魔になるとはいえ俺達を急がせるなんてどんだけ闇抱えてんだか……ま、急ごう」


のんびりと朝飯を食いながらテレビを見たかったが仕方ない。

そう思いながら直ぐにパンを手に取りかぶりつく。


朝飯を済んだ後、歯を磨き、私服に着替え、閻魔堂に行く為の準備を整えて玄関を出る。廊下から見える景色には雲が一つもない晴天の下で鳥は羽ばたき、電車が路線を走り、人が歩いていた。

そんな景色を眺め寝ぼけた心を入れ替える。


「さて、行くか!」


そう勢いつけて俺は清々しい朝を迎えたと感じながら遅刻で焦るサラリーマンのように閻魔堂へ駆けて行く。














こうしてマンションを出て3分、閻魔堂のセキュリティゲートに着くとポケットからカードを取りだし、差し込んでゲートを開く。

これは藜、紺に続いて成子が与えてくれた3つめの新居祝いの閻魔堂職員専用の認証カードで昨日藜が使った物と同一である。

ゲートをくぐり抜け閻魔堂に入館し、閻魔室に向かう中館内の職員達を様子を見てふと思う


(そういや成子が言うには死者の手続きやらなんやらで毎日が大変だと聞いていたが……そうは見えねえな)


あんまり忙しいような所が無かった事から浮かび上がった疑問を抱きながら廊下をとことこ歩く、気が付けば既に閻魔室に着いていた。その重たそうな両扉に向かって俺はノックする。

両扉から「どうぞ」と成子の声を聞き俺はその扉を開く。


「おはよう」

「おはようございます真無君」

「おはよー、ごめん急に呼び出しちゃって」


扉の先にあの3人はいる。

眠そうにあくびをする紺。

髪をかきあげる藜。

そして、入室した俺を両手合わせて謝る成子。

昨日と同じこの3人がこの部屋にいる。


「おはよう、謝らなくて良いって気にしてなんかないし、ん?」


成子にそう言った後である事に気づく。

この部屋の真っ黒いソファーに見知らぬ人が座っていた。


(来客か、うん?何だろう?見覚えがあるような気が)


来客に雰囲気からして前に会ったような気がしていた。

そんな来客が突然ソファーに座りながらこっちに振り向く。


「よう少年、いや真無君か、待っていたぞ」

「え!?土良…さん?」


毛薄い白髪交じりの頭に目元にシワ、そして見覚えのある真っ黒なスーツ。

来客は昨日の業魔の件で駆けつけたECLESIAの隊長 土良 吉光だった。


「…あれ?この世界って第一世界の住人は立ち入り禁止っていう名目じゃなかったっけ?」


そう第二世界に基づく全ての情報、業魔の存在を含むそれらは機密事項として原則第一世界には明かさないのが成子をはじめとする閻魔堂の上層部の決まりだった。

前にそう断言した成子は表情一つも変わらず俺の疑問に答える。


「土良さんは特別、彼はECLESIAの隊長でありながら国連の重要人物なので大丈夫」

「すげぇな、土良さんって」

「まあ業魔と戦う意味が無くなったらただの刑事だけどな。それに、もう隠す必要は無くなるかもしんねぇなぁ」


土良さんは成子に向かってそう言った。その瞬間一瞬だが成子が顔を小さく縦に振るのを俺は目撃した。笑顔ながらも真剣な彼女らしくないその素顔、土良さんの言う「隠す必要は無い」という事に何らかの意味があるのだろうか?


「成子様、そろそろ本題に入った方が良いのでは?」

「はっ!そうだったそうだった、うっかり忘れてた」

「あ、ああ俺もだ、この事の為に第二世界に来たんだ、さて成子さん本題に移るとしましょうか」

「そ、そうだね、あはははは」


2人とも別の話に夢中で藜が事を言うまで本題から脱線しそうな事に気がついてなかった。

うっかりとはいえこの2人大丈夫だろうか?今の2人に俺は少し心配だった。


「では本題に移ろう、昨日監視カメラにある物が映っていた。その時の映像がこれだ」


土良さんがスーツの内ポケットから写真を取り出した。監視カメラに取りついている電柱の電灯によるものなのか、その写真の路上を照らしていた。そしてこの写真の空間に写っていたのは


「業魔!?」

「そう、形からして植物系だな」


土良さんの言うとおりその業魔は植物と人間の間に生まれた宇宙人に見えた。

更に良く見ると胴体に棘のような物が生えており、頭部は赤紫の色をした薔薇の花弁をしていた。


「この業魔がカメラに映ったその数時間後、カメラの位置から近いアパートの個室で男性の変死体が発見した」


途中、説明中の土良さんに「変死体というと具体的には?」と紺は質問するが、それに対し土良さんは首を傾げて口を閉じたまま「うーん」と声を鳴らし悩んでいた。


「なんというか…その…ミイラ…なんだよな」

「み、ミイラ?」

「そうそう、エジプトのピラミッドのミイラみたいに全身干からびて死んでたんだ。まあ直接見た方が良さそうだな」

「では転送先を設定します」

「ああ頼む、あの死体片付いてないと良いんだが」


心配する土良さんをよそに紺は黙々とタブレットを操作する。どうやら現場に急行するようだ。


「真無君、行きましょう。情報収集の為に」

「…そうだな、これ以上被害者を出すわけにはいかないからな」


この事件は警察が解決出来る物じゃない、業魔は人を容易く殺せる、そんな怪物を倒せるのは地獄の戦士、今の所は俺一人しかいない。

だから俺は俺にしか出来ない事を、地獄の戦士として業魔の魔の手から人々を守らなくてはならない。そう思いながら俺は事件現場へ行くのだ。









紺、藜、土良さん、そして俺の4人は紺のタブレットのシステムによって事件現場のアパートに転送した。

銀行を襲った業魔を倒すべく転送したその昨日と同じように、優しい光が俺達を包みこんでは、数秒で消えていく。

消えた後には沢山の住宅が並ぶ町並みが俺達の周りに広がっていた。

その先には2階建てのアパートが建っていて、既に警察が立ち入っていた。腕を後ろに組む黒緑の丸眼鏡をかけた若い男の警備員がいる正面入り口には野次馬が群がり、中にマスコミや記者が混じっていた。


「うわー…うじゃうじゃいるなぁ」


俺が嫌な顔をして嫌みをいう最中、まだ群がる人混みを俺達は掻い潜り隙間無く間を埋める人々を払い除けて突き進む。そうして入り口付近にいる警備員の所に向かっていると警備員が人混みの中で突き進んでいく俺達に気づく。


「あ、土良さんお疲れ様です」

「おう、お前こそお疲れ、お二人さん連れて来たぞ」


土良さんを先頭に何とか脱出した俺達、無理にくぐり抜け為か髪の薄い土良さんを除き全員の髪はぐしゃぐしゃに乱れ、藜に至っては原型が留めて無いほどめちゃくちゃに。そんな髪型を手で直しながら彼女は胸ポケットから手帳のような物を取り出す。


「ついでに真無君を現場に入れたいんだけど」

「あの少年は?」

「2人目よ、地獄の戦士の」


藜が自分の後ろに立つ俺を紹介した時、警備員が「ああ」と何かを思い出した。


「今朝、土良さんが言ってた新しい地獄の戦士ですね。確か真無 現君だよね、僕は和井里わいざと 文雄ふみお、ECLESIAの隊員の一人だ、よろしく」

「あ、はいよろしくお願いします」


親切そうでおとなしめな彼に思わず丁寧に挨拶してしまった。とはいえ、俺が見るに和井里と名乗るその男は全く強そうには見えず、化け物と戦う特殊部隊の隊員とは思えない。


「では、行きましょう、僕が案内します」


和井里に連れられるまま俺達はアパートへ向かう。警察官、検察官、救急医療隊員がそれぞれの役割の下動き回る現場を通り、鉄製の階段を上る。二階の廊下には木製のドア、鉄格子のある窓が二つ一組で同じ高さ同じ位置にあるが一番右寄りの一組だけ青いシートに覆われたままで、その近くで初老の女性が警察の事情聴取を受けている


「こちらが例の現場です」


壁にかけられた青いシートをくぐり、くぐった所にある何も変哲の無いドアに向けて和井里はそう言うとそのドアを開け、彼を先頭に俺達は現場に入る。ドアの先に広がるのは1DK程の広さの部屋、掃除をちゃんとしているのか家具や壁がアパートの薄汚い外見とは比べられない程綺麗に見える。人が住むのに快適な部屋だと俺は一目見で見えた、だか今日までそうあり続けたこの部屋は一夜にして事故物件と化してしまった、今もまだ残る床にある死体の跡がそう物語っている。


「午前8時頃、集金の為大家がこの個室に来たが何度チャイムを押しても被害者は応答しない、何かおかしいと大家が思い玄関のドアノブを触れると既に鍵は開いていた、で開けたらそこには死体が…と言いたい所だがもう検視官に運ばれちまったか、こりゃあ」

「一応念のため既に撮ってあるのですが」

「あの死体をか?でかした和井里、俺の口じゃあ説明しにくかったからどうしても藜達に見せたかったんだ。見せてくれ」

「分かりました、少々お待ちを」


和井内は胸ポケットからスマホを取りだし彼の撮ったであろう写真を探しに操作する。数秒の間指を上下左右に素早く動かした後、例の写真を見つけたのかその指の動きがピタリと止まる。


「これだ、どうぞ見て下さい」

「………………ホントだ」


本当に被害者の死体はミイラのようだった。

眼球が丸ごと見えるかのように両目が真ん丸に開き、しわしわに乾いた唇に開いている口から歯茎が露になり、肉が無くなったかのようにガリガリに痩せすぎて体中の骨があちこちにくっきりと浮かび上がり腹と背中の皮がくっついてる。

一夜で殺されたとは思えない程被害者はあり得ない姿になって死んでいた。


「言った通りだろう、ミイラみたいだって。そもそもどうやったらこんな死に方をするんだろうか?」

「首に穴が開いていました、出血してもおかしく無いのに血痕がどこにも無かった事と皮膚の異常に乾いている事からおそらくストローのような物で体液全てを吸われ失血死に至ったのではないかと」

「……犯人が業魔じゃなけりゃこんな死に方しないよな」

「…そうね」

「それだけじゃない、この被害者には娘さんがいる。大家がこの部屋に来たときには既におらず行方が分からない。父親を襲った業魔からいまだに逃走しているかあるいは…」


と土良さんが何かを言おうとした時俺達の背後の所に女性の警備員が駆けつける。


「隊長、まもなく緊急発表が行われます」

「え?ああもうこんな時間が、藜君と真無君、一旦俺について来てくれないか?」

「いいけど、どうかしたのか?」

「見せたい物がある、今後の事についてだな」







という訳で藜と俺は土良さんと現場を後にした。階段を降りながら外をちらっと見る、まだそれなりに時間が経っていないのかアパートの入り口で群がっていた野次馬はまだ残っていてここに来たときよりその数を増やしていた。そんな光景から視線を変え階段を降りるその先に向ける。


そしてアパートの左側に空いてるスペースに着いた所で内ポケットからスマホを取り取り出した土良さんはそのスマホを操作する。


「ほいよ、君にとっちゃ重要な事かもしれねぇからちゃんと見るんだぞ」

「言われなくたってちゃんと見るよ………誰だこれ?」


土良さんの持つスマホに映っているのは会議室らしき空間で用意されたパイプ椅子に座るスーツ姿の参加者達の後ろ姿と演壇に向かう初老の男性。特にこの男性は小柄で顔の皮はしわくちゃでどんよりと頬がたるみ平たい大地のように毛の毛根すらない、まるでどこにでもいる情けなさそうな老人に見える。


日野ひの 一郎いちろう内閣総理大臣よ、というよりあなたこの人の事を知らないの?一般人でも分かる有名な人物なのに」

「分からん、何と言うか記憶喪失の影響と言うか………記憶を失ったとはいってもこの世界の歴史、伝説、英雄や偉人の成り立ちとかは覚えているけどそれ以外は覚えてなくてまるでこの世界に生まれたような気がしない……んだ…………」


一瞬気づいた。

俺はああ言ったがある意味正しいのかもしれない。

記憶を失う以前にこの世界に生きたような気がしない。そもそも俺はこの世界の生まれなのだろうか?

無意識にこの世界に馴染んでる気がしない、この世界に生まれたかもしれないのに最初から何もかも知り得ていない。

じゃあ俺は一体


『国民の皆様にお伝えしなくてはならない事があります』


スマホから普通の男性より少し低いがらがら声を聞き俺は我に帰る。

再びスマホを見ると既に総理が演壇に立ちシャッターを鳴らすカメラのライトに当てながら参加者に注目されていた。


『我々日本政府は国連の命に従い都市伝説として噂される業魔の存在を公表する事を宣言します』


総理の唐突な発言に参加者達はざわめき出す、一人一人が困惑する中総理は表情を変える事なく発表を続ける


『つきましては第二世界 国連連合黄泉代表 閻魔成子閻魔王がこの事実をご説明致します』


そう言って総理は一度お辞儀をし、演壇から離れる。同時に画面の橋から黒いスーツを着こなす女が現れる。

今まで素敵な笑顔を好印象に持っていた成子が真剣な顔を浮かべこの記者会見の場に現れた。

成子を注目し始めたカメラマン達がカメラのレンズフードを彼女に向けシャッターを切り続ける。シャッター音が響き無数のライトに照らされる成子は今から数十秒前までに総理が立ち続けたその演壇に入り参加者達の目の前でお辞儀をする。


『第二世界 国連連合黄泉代表にして閻魔王21代目当主閻魔成子です。先程日野一郎総理が述べたように都市伝説とされる怪物に化ける人間「業魔」はこの世界に実在します』


そう言うと成子は自身を右に向け、開いた右手を前に出す。その瞬間成子の右手の先に空間が捻れ穴が開く。開いた穴の内側には虹色の螺旋が渦巻きその先の光が小さく輝いている。


『詳細はこの先にある私達の世界で私から説明します』


成子が作り出した摩訶不思議な状況に参加者達は更にざわめつく。何もかも唐突過ぎて参加者達は困惑極まっている、一方で俺は違う意味で困惑していた。


「これは…一体?……」

「公表したのよ、第一世界全てに都市伝説として扱われた業魔、その実体を今公にした」

「……ちょっと待て、前に言って無かったか、混乱を避ける為に無差別殺人扱いしてあとは丸ごと隠蔽するって」

「言い方が悪いわよ、でも間違いじゃ無いのは確か。だた本当の事を言うと業魔の存在を隠し通すのに限界が来ていた、業魔が現れては私達の手で倒し、また新しい業魔が現れては倒しとその繰り返しが多発し各国の政府はあらゆる対処を講じるも次々に現れる業魔の暴走により徐々に隠し切れなくなっていった。

そして昨日の夜、閻魔様は決意した、「第一世界全体に業魔の存在を公にする」と。隠し通すにも限界が来ていた事には事実だし、第二世界の国連の上層部からは「そろそろ事実を明らかにしていい頃だ」と意見が一致した」

「……………俺がまだ刑事だった頃とある連続殺人が起きた」

「土良さん?」

「一家連続殺人だよ、一日に一家族というペースで家族が殺される事件が一週間続いた。刑事の俺を始め警察関係者達はこの事件を捜査したが殺人犯の物と思われる痕跡は何一つ見つから無かった。だが一週間後突然事件の犯人を発見、及び逮捕したとの報告が俺達に伝えられた、しかし犯人の詳細は伝えられず代わりに総官から官邸に来るよう俺に命じた。官邸に着くまで何度も考えたよ、「この俺に何の用があるんだ」と」


と語った所で土良さんはゆっくりと空を見上げそのまま話を続ける。


「上手く折り合いつけずにそのまま官邸に着き総理執務室に入る訳だかそこで成子さんと初めて出会ったんだ。その途端に彼女は自身の能力で次元ワープを生成した。既に彼女と通じた総理に連れられて次元ワープに入ったがその先の光景に俺は驚愕した、あの二人が見せた第二世界、見上げれば空は黄色一色で死生き生きとしながら日常を過ごす死者達、現実世界異なるもう一つの世界を」

「…そう言えば俺も第二世界に来たときはびっくりしたよ、死者が生きてるなんてどこぞの少年漫画かと思った」

「ああ確かにな、あの時どっかで見たような世界だと思ったよ。後で孫が好きなアニメの『あの世』だっけ?あれを見て「ああなるほど!」って頷いたなぁ」


土良さんって孫いたんだ……

そう思った上で俺は土良さんにある質問をする。


「となれば話の流れからしてECLESIAの部隊隊長になるんだよな?」

「察しが良いな真無君、そうさ、あの世界で成子さんは第一世界と第二世界の関係、怪物と化す人間『業魔』の存在を俺に教えた。そして総理が持ち掛けたんだ、「地獄の戦士を出来る限りサポートする団体『ECLESIA』、まだ仮の存在だがそのリーダーになってくれないか」と。俺は迷い無く直行で応じた。

なりより、許せ無かった。一家連続殺人の犯人はともかく最も許せ無かったのは業魔になり悪行を尽くしては弱者を踏みにじる人間達だ、そう思ったからやってやろうと今の俺に至ったんだ。地獄の戦士と共に戦い罪の無い人たちを守る為に」


人々の為に戦う、その為にECLESIAの部隊隊長になったと誇らしく語る土良さんが輝く見える。

彼の持つ強い正義感に俺は素晴らしいと感じた。


「でも、どうして突然そんな話を今したんだ?」


俺がそう言うと、土良さんは真剣な顔で俺の目を合わせる。

陽気な彼が俺に見せなかったその表情で。


「真無君にフリー・ジャスティスの心意をここで話す為の前述をしたかったからだ。その方が分かりやすい、奴等はアニメやドラマに出てくる悪の組織とは違う、言うなればフリー・ジャスティスは人々に優しい悪だ」

「優しい悪?それってどういう事なんだ?」

「業魔になった人間から意外な事実が判明した。その人間達によると、「ある女性は駅から飛び降りようとした所を幹部らしき男に助けられた上でその幹部が積極的に自身の苦しみを優しさで和らいだ事で業魔になる決心をした」「ある老人はホームレスだったが幹部らしき女から政治家を殺す事で別の報酬として金を用意すると約束され、暗殺した翌日には約束通りに自力で生活出来る程の金を渡してくれた」「またある女性は業魔になっていたがこの能力を手放したいと幹部に連絡した所素直を応じ翌日には彼女の目の前に現れては望み通りにその能力を消去しその場を去った」等悪の組織らしからぬ行為をしていたと口にした」

「それって悪の組織というより人々を救うようなヒーローチームじゃんか。何でそんな事を?」

「分からん、。業魔を生み出す一方で人を救う、それがフリー・ジャスティスの姿とはいえ彼等は一体何をしたいのかその心意すら分からない、何故人々を救っているのかその理由すらな」


害を生み出し人を救う。

そんな彼らの目的は一体何なんだ?

そもそも人を救う事に意味あるのだろうか?


「フリー・ジャスティスって案外変な組織だよな…どう思う藜………………藜?」


藜は返事をせずある方向を見つめていた。

見つめる彼女を目先では青年が警察官から事実聴取を受けていた。

その青年は小暗い青の短髪に銀縁の伊達眼鏡を掛けていて、キリッとした青い瞳を持つ、第三者から見てまともな優等生に見える。


「彼は一体」

「被害者の娘 小須部おすべ 日香にちかの友人だよ。彼女とは一緒に登校するのが日課らしい、で今日いつも通りに彼女を迎えにこのアパートに来たら大家が腰を抜しているのを目にし駆けつける途端にこの状況知り直ぐに警察に通報した。そんな青年がどうかしたか?」

「……………いえ、何でも無いです、けど、まさか…ね」


俺と土良さんに対して片言に言っても尚藜はあの青年を見つめ続ける。

事件発生から30分経ってもまだ捜査し続ける少数の警官達とこの事件の関係者が残るこの現場で。

どうもシア・ヨネクです

冬休みに入り今日で2017年が終わる中今日中必死に書いてました。

読者の皆様はお正月をどんな風に過ごしますか。

自分は家で食っちゃ寝で過ごす予定です。一昨日買ったゲームもしたいし、(しかしちゃんと小説も書きますよ(焦))

さて、皆さんにとって今年はどんな一年でしたか?

自分は去年より良い一年だったと思います。

何故なら去年は人間関係の事で長く悩んだ事があったのです。

しかし今年は友人と出掛ける日が多かった為、良い方向に過ごす事が出来ました。

そして来年は仕事と小説の執筆が両立出来るようにしていきたいです。


今日で2017年は終わりますが読者の皆さんにとって来年は良い一年である事を心から願います


ではまた会いましょう


良いお年を!




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