惑星ゼ・ガ
他の『ゼ・ガ』世界観におけるゼ・ガの概要。
ここからなぜか空想科学探偵シリーズまで繋がります。
書ききれればな!
――あるところに惑星が有った――
通常、惑星を照らす太陽は惑星の何倍も大きく、その太陽を中心に宇宙が広がる。
その宇宙が集まったものを銀河と呼び、それがまた集まったものが銀河群となり、さらにその集合体を超銀河団と呼ぶ。
更にグレートウォールや大クエーサーなど、更に大きい集合体としても存在している。
地球を一秒で七周半回る光が一年掛けて進む距離を一光年と呼ぶが、大クエーサーは小さいものでも三億光年。
そんな大クエーサーが無数に存在していても、宇宙には何もない空間が多い。
物質が有っても無くても、そこは宇宙である。宇宙とは世界の同義語なのだ。
しかしながら、その惑星は他に類を見ない“惑星”だった。
元々、惑わせる星という名称は、未発達だった天文学では地球から火星や金星の軌道が観測しずらく、惑わせられるという意味で呼称された。
この星も紛れもなく、“惑わせる星”だった。
卵の殻のように中が空洞になっている部分も多く、内部に恒星と同じものを無数に内包しこの巨大な星を成型していた。
恒星が中で動き、その周りに衛星のように動きながらも、この“惑星”はその動きが不思議と統合されていた。
広大すぎる全ての物質を、空間を、強大な無数の重力源が骨組みのようにその物質を形成していた、
血管のように重力が様々な方向へと向いてこの空域を制圧する。宇宙嵐が吹き荒れ、ブラックホールが発生しているが、その全ての現象が起きてもこの惑星は崩れない。
銀河以上の大きさを持つこの惑星は、ひとつどころに留まれない。
通常、銀河同士が接触をすると互いの重力から混ざりあったり分裂したりすることはあるが、この惑星は違った。
銀河は無数の星の集合体だが、それは蟻の集まりを踏みつぶすように易々と散らしていく。
宇宙の膨張に比例して全ての銀河は例外なく超高速で動いているのだが、この惑星の移動速度は光速すら遥かに上回っていた。
質量から重力崩壊を起こして通常ならば自壊するほどのその惑星。超光速で動いているから重力崩壊しないのか、重力崩壊をしない何かのために超光速で動けるのか、それは誰にも分からない。
ただただ、通り過ぎるだけ。
そこにある銀河を叩き潰していき、観測者からは崩壊した銀河が連なる光の線のように見える。
そして、観測者は知る。次に崩壊する銀河は自らの居る銀河であると。
そのとき、観測者は何ができるのであろう? 滅びを受け入れることか? 自分の居る銀河系から超光速で逃げ出すことか? それとも……。
その惑星を破壊して自分たちの宇宙を守ろうとする“英雄戦団”。
その惑星の居住可能区域に住み着き、超高速から発生する因果の地平線から他の銀河が超重力に砕ける瞬間を眺める“地平線の民”。
ひとつの銀河には無数の恒星が存在し、その恒星の周辺にはいくつかの生存圏が存在し同じ星の中でも英雄戦団と地平線の民に分かれていた。
ふたつの勢力は互いの生活を守るため、故郷を守るため、己の正義を守るために戦い続ける。
誰が名付けたか、その巨大惑星は“ゼガ”と呼ばれた。
地球からは光ですら到達できないほど遥か彼方で起きる遥か過去から続く戦い。
しかしながら、英雄戦団と地平線の民のゼガを巡る戦いにおいて、地球を含む太陽系がある役割を持っていることが判明したとき、地球、そして火星の物語は動き出していた……。
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